能力や行動を変えるより、環境を変える方が簡単
フラスコ代表、安田です。中1の息子がテスト勉強をはかどらせるために「スマホのパスワードを20桁に設定した」って言っていて、それってすごく合理的な方法だなと感心しました。目標達成のためには環境を変えるのが一番簡単で、ベストな方法ですよね。
子どもはYouTubeでどんどん世界をハックする
うちの子は2人とも、ヒマさえあればいつもスマホを観ています。中1の息子と小5の娘で「ちょっとスマホを与えるのが早すぎたかな」と反省もしますし、「スマホばかりじゃなくて、たまには本を読んだ方が良いよ」などというアドバイスもついしてしまいます。人に期待しないとはいいつつ、やっぱりそれが親心なんですよね。
それはともかく、スマホを持っていることで良い面もあります。いくつかの分野で、学習が加速しているように感じるんです。娘はTikTokを観ていることが多いのですがものすごいスピードでダンスを覚えていきますし、息子の方は勉強のやり方をYouTubeで学んだりしているようです。今回のスマホのパスワードを20桁にする、というのもどうやらそうらしく。
その20桁を、覚えたい英単語なんかにしておくと一石二鳥ということで、「それすごいな!」って率直に驚きました。ゲームの攻略法を調べる感覚で勉強の仕方やこれから必要となる様々なことをハックしていけば、頑張らなくてもできるようになるんじゃないかなって感じます。もはや検索ですらなく、ただ関連動画を観ているだけでどんどん賢くなっていく。すごいですよね。
能力や行動を変えようとしてしまいがち
ところで息子の今回の悩みごとである「勉強がはかどらない」ですが、これは大人でも似たようなことで悩んでいますよね。集中しないといけないのに、なかなか仕事が手につかず、ついスマホを観てしまう。新しいことを学ぼうと思っても、いつの間にか時間がなくなっていて、取りかかれない。やった方が良いと頭ではわかっているのに・・・。
こういうときに、まじめな人ほどやりがちなのが「もっと頭が良くなれば良いのに。体力を付ければうまくいくかも」という能力からのアプローチと、「もっと本気で長い時間取り組もう、寝る前の2時間これを集中してやろう」という行動からのアプローチです。でもあなたも私も何回も覚えがあるように、これはなかなかうまくいきません。
環境を変えるのが一番簡単
何か目標を達成しようと思ったら、能力や行動を変えようとするよりも、まずは環境を変えるべきです。息子がやったように、スマホにログインしにくくする、というのは環境を変えるアプローチです。私もスマホの表示画面を白黒にしたり、FacebookやTwitterのアプリを消去したりするのですが、これらもそうですね。
あと私だと、とりあえず朝起きたらWeworkに来るようにしているのも環境面からのアプローチです。家やいつも同じカフェにいるとダラダラしてしまうので。逆に、たまにあまりカフェに行くとはかどったりもします。自宅にあるPS5にお気に入りのゲームが入っているとついそれをやってしまうので、集中して仕事をしたい時期にはそのゲームを消去したりもします。
能力は絶えず高めて行きたいとは思いますし、行動も自分でルールを作ったりして習慣化するように心がけてはいますが、やっぱり人間の脳はどこまでいっても怠惰なんですよね。意志の力でなんとかする要素は、できるだけ減らしていく必要があって、そのためにまずは環境を変えるのがベストなアプローチなんです。
ニューロ・ロジカル・レベル
で、ふと当たり前の前提みたいに扱っているこの「能力・行動・環境」っていう話はどこで習ったんだっけなという疑問を持ってググってみたのですが、どうやらこれらしいです。私はNLPについては何度か、いくつかの場所で習っているのでそこで知ったのかなと。NLPの主要な開発者の一人であるロバート・ディルツさんっていう人が体系化したらしいですね。
これを見ると「能力」の上には更に信念・価値観、アイデンティティ、スピリチュアルというレベルがあるようですね。上のレベルを変えられれば、全体への影響はとても大きいということなのですが、まあスピリチュアルとかアイデンティティ、信念・価値観を変えるなんていうのは、なかなかのおおごとです。
変えられれば影響は大きいのだけど、変えるには大きなエネルギーが必要。下の方のレベルは影響は限られるけれども、変えるのが簡単。だからすぐに結果を出すためには、環境から変えましょうという話ですね。
時間術は環境を変えることから
ということで、私が今やっているノート時間術セミナーでも、ノートを使って工夫することで時間を生みましょうという話をさせて頂いています。ノートを持ち歩くというのは、環境を変えることですよね。セミナーという「環境」を活かしてワークをしたり、コミュニティの力を使ったりして結果を出していきましょうということでもあります。
もちろんより大きな成果を出そうと思ったら行動つまり習慣を変えたり、しっかり学んで能力にアプローチをすることも必要にはなってくるのですが、まずは環境を変えることで成果が出るということを知って頂くところから始めます。
私の提唱する時間術は決して、「スキマ時間を活かす」とか「マルチタスクをこなす」ということではありません。時間に対する考え方を変えて、具体的には環境を変えることで、頑張らないで時間を生み出しましょうということです。ノート時間術を身につけて、時間をハックしていきましょう。時間の使い方を変えるということは、人生を変えるということですよ!