時間術は「タスクを詰め込む技術」だけではない
フラスコ代表、安田です。ふと気がついたんですけど、ノート時間術セミナーに参加する人ってほとんどみなさん早起きで、１日にすごい数の予定をこなし、なおかつ「もっと時間を効率的に使えるはず」という動機を持っているようです。でもこれ、根本的なところが間違っているんですよね。
まじめな人しか来ないセミナー
ノート時間術セミナーをやっていて気づいたんですけど、このセミナーってまじめな人しか来ないんです。最近ビールが飲める会を追加してちょっとその傾向は緩和されました（笑）が、まじめな人ほど仕事を抱え込みがちで、しかも「とても忙しい。このままではいけない」とそれを課題として捉えがちだということでしょう。
私もサラリーマン時代はすごくまじめで、いや今でもまじめはまじめなのですが、いろんなことを抱えて「忙しい」という意識を強く持っていました。まあそもそもそういう人を救いたくてセミナーというかビジネス全般をやっているので、そのことは良いのですが。それでも「もっとゆるく、適当で良いんですよ」って言いたくはなります。
「朝５時に起きて・・・」
参加者のお話を伺っていると、めちゃくちゃ予定を詰め込んでいるんです。「朝は５時に起きて、あれをやってこれをやって、アポが６件入っていて、夜は遅くまで作業をして、でももっとスキマ時間を使えると思って今日は参加しました！」みたいな。忙しさは頭の中の状態に過ぎない、ということをセミナーで説明している私ですらうっかり「それは忙しいですね！」と言ってしまうくらいです。
朝が弱く、しかも体力にあまり自信のない私からすれば、それは明らかに働きすぎだと感じます。この上、まだ詰め込みたいのか・・・と唖然とした気持ちにもなります。「睡眠時間が３時間くらいで頑張っている」というお話を聴くと、サラリーマン時代の自分を思い出してしまいます。それっていろんな意味で、報われない努力なんです。
成果は効率と時間の掛け算
会社員だった頃の私は睡眠時間を削り、ある時期などはランチすら食べずに「頑張って」仕事をしていました。そうすることが自分の成長や、評価にもつながると考えていたんです。あえて時代に逆行するようなことを言えば、若い頃に少しくらいそういう時期を過ごすことは実際に自分の能力の限界を引き上げるという効果はもしかしたらあるかもしれないとは今でも思います。
ただある程度、社会人としての足腰が整った状態でまだそれをやっているとしたら、害悪しかありません。睡眠不足は酔っ払っているのと同じことです。何かの実験で、６時間睡眠を数日続けるだけで軽い酩酊状態になるという結果が出たと聞いたことがあります。食事を抜くのも同様でしょう。
仕事の成果は効率と時間との掛け算（もしかしたら効率の２乗掛ける時間かも）ですから、いくら長い時間、仕事をした気になっていても集中力が切れてしまっては成果は思うように伸びません。むしろ良く寝て良く食べ良く遊び、短い時間でも集中して作業をした方が良いということになりがちなのです。
睡眠は「自分との約束」
ちなみに私は、毎日７時間は寝るようにしています。６時間睡眠だと頭が思うように働きません。理想は８時間なのですが、つい夜ふかしをしてしまったりするので、７時間を確保するようにして、不足分は昼寝で補ったりします。仕事が終わったら帰って寝る、のではなくて睡眠から逆算してあらゆることをするようにしています。
睡眠は「自分との約束」であると考えています。人との約束が入っていたら、何か別の作業をしていても中断しますよね。それと同じように、時間になったら今やっていることをストップして、帰って食事をして、寝る準備をすると決めているんです。理想は21:00には仕事を終えたいのですが、まだまだ「残業」してしまうことはあります。
やることとやらないことを決める
このように「自分との約束」を入れることはとても重要だと考えていて、日曜は人とは会わずに必ず家族と過ごしますし、月曜はクリエイティブのために、木曜はコンテンツのためにブロックしてあります。しかも午前中は執筆のために確保しています。その時間しか会えない人がいたら予定を「調整」はしますが、原則は他の予定を入れないように予めブロックしているんです。
それでも十分、やるべきことは終わります。時間なんてあればあるだけやることを増やしてしまうので、限られた時間の中でやりきると決めてしまえばそれで回るんです。何のために、何を優先してやるか。やらないことは何か。そういうことを考えるのが、時間術の本質だったりするんですよね。ノート時間術セミナーでは、そんなことをお伝えしています。
