「セミナーをやれば良いのに」といつも思う件
フラスコ代表、安田です。最近はビジネス交流会に良く出没しているのですが、「フロントのセミナーかイベントをやったら良いのでは?」とアドバイスをさせて頂くことが多いです。これは何も、それがフラスコにとって好都合だから言っているというだけではありません。スモールビジネスをやっているなら普通に、セミナーを主催するべきです。
高額商品は交流会で売れない
まずビジネスの基本的な構造として、フロントエンドとバックエンドという概念があります。スモールビジネスだけではなく、スタートアップや規模の大きなビジネスでも同じですが、特にスモールビジネスにおいてはっきりとそうです。本命である高額商品をいきなり売るのではなく、手にとってもらいやすいおためし的なフロントエンドから買ってもらうということです。
例えばコーチやコンサルタントであれば、「6ヶ月間で目標実現するプログラム」というのがバックエンドになるわけですが、それなりに高額の商品になるため、いきなりはなかなか売れません。交流会では初めて会った人も多く、ましてはその人の先にいる誰かを紹介して貰うということになれば、高額商品では紹介する方もどうしようもありません。
個別のお試しはフロントとしては厳しい
なのでビジネス交流会では通常、フロントエンドを商談のテーブルにあげることが推奨されていたり、推奨されていなくても有利なやり方になります。そのことは何回か参加すると身にしみてわかってくるので、「何かフロントを用意しなくては」ということで多くの人が、多少割引をして安くした個別のお試しセッションなどをお勧めするようになります。
いきなり6ヶ月数十万円、ではなくて60分で5千円でお試ししませんか、とかですね。これでもメンバーになった会の主催者の人とか、何回か顔を合わせたりして仲良くなった人はお付き合いで申し込んでくれたりするんです。それで「私も試したけど、良かったですよ!」といった感じで援護射撃をしてくれるのですが、初めて会った人にはそれでもちょっと厳しいんですよね。
良く知らない人と、個別で1時間なりといった時間を過ごすというハードルがまずあり、さらにはそこでバックエンドの売り込みを受けることがわかっているので、ちょっと嫌だなあ・・・となるのがごく自然な成り行きです。自分でもそうなので、誰か他の人を紹介するのも、嫌な気持ちにさせて自分の信用が減ってしまうことを考えると、二の足を踏んでしまうんですよ。
誰かに紹介をするためのお試しだとしても、バックエンドを買うつもりがないのに個別で時間をもらうのも恐縮だなって私なんかは思ってしまいます。
セミナーがあると紹介をしやすい
そこにいくとその人の専門性を活かしたフロントとしてのセミナーがあると、何人かのうちの一人なので参加しやすいですし、他の人も紹介をしやすいです。まあ結果として参加者1名ということもありますし、セミナーをする講師が拙いと結局は売り込みを受けてしまったりするのですが、それでも紹介する人も参加する人も、ずいぶんと気が楽です。
では紹介を受ける側として商品が売れる可能性が下がるかというと、そんなことは全くありません。むしろ、個別でお試しをして頂くより自らの専門性をじっくりと伝えることができ、参加者が複数であれば時間の節約にもなり、かつ先生としてのポジションを確率できるので結果として売れる確率は高くなります。まあ、ある程度ちゃんとしたセミナーであればですが。
セミナーは誰でもできる
実はこの「ある程度ちゃんとしたセミナー」というのがクセモノで、「自分には(ちゃんとした)セミナーはできない」と思い込んでいる人が多いんだろうなあとお話をしていて感じます。セミナーをやらないんですか?と私が無邪気に聞いたらだいたい「私にはちょっとそういうのは・・・」「実はやったことがあるけどうまくいかなくて・・・」の2択で回答が返ってきます。
まあ何でもそうですが、セミナーに関しても最初からうまくできる人なんていません。既にセミナーをやっている人がたくさんいるわけですからその人たちのやり方を大いに参考にして(パクって)、試行錯誤しつつ作っていけば良いと思いますし、その時間や労力を削減しようと思ったら誰かに教えてもらえば良いだけのことです。セミナーなんて、誰でもできますよ。
ハードルが高ければお茶会でも
それでもなお、セミナーはハードルが高いという方には次善の策としてお茶会をお勧めしています。本音を言えばフラスコ交流会やフラスコノート会を使って貰えれば良いのですが、そこは「安田の売り込み?!」と思われると心外なので「お茶会でも良いですよ」という言い方をしています。
いきなりセールスをするより、あなたの人柄や専門性を良く知ってもらってから、ビジネスをするという考え方です。これだと売り込みではない分、セミナーよりもっと紹介はしやすくなります。ちなみに、たまにお茶会でいきなり売り込む人がいるのですが、これは最悪です。時間をかけて関係性を作るという考え方が、お茶会を成功させるポイントになります。
いずれにしても、交流会に行きまくるだけではなかなか成果は出ません。もちろん行かないよりは行った方が良いし、たまに行くよりは行きまくった方が良いのは事実なのですが、セールスの場面から逆算した「仕組みづくり」を意識して行動すると、レバレッジがかかりますよというお話でした。なので、交流会に行くならセミナーをやりましょう!