なぜ著者になってもブログを書き続けるのか?
フラスコ代表、安田です。本を出版する前は、「ブログは著書の代替物で、本があるならブログは書かなくても良いんじゃないかな?」と思っていました。実際に著者になって、ブログはどういう位置付けにあるかをお伝えします。
安田って著者だっけ?
いきなり「私著者なんですけど」と言っても、「そうだっけ?」となりそうなので念のため説明しておくと、著者です(笑)。電子書籍も2冊出していますが、それは実績として除きます。商業出版をして初めて著者と言えると思っていて。
『新しい副業のかたち』『新しい起業のかたち』という2冊の本を、エムディエヌコーポレーションさんから商業出版させて頂いています。大きな本屋さんに行けば並んでいるので、疑う方は確認して(できればついでに買って)下さい。
私は起業の少し前から、ブログには力を入れてきました。出版も視野に入れていましたし、集客のため、信用を蓄積するため、また実験という意味でもブログはいつも情報発信において最重要の位置付けにあります。結論を言えば、本を出してもそれは変わりません。
本を出したければブログを書け
ブランディングという意味では、出版は強力です。やっぱりほら、本を出している人ってちょっとすごい人なんじゃないかと思うでしょ。出版社も詐欺師の片棒は担ぎたくないので、身元のチェックとかはそれなりにするでしょうしね。
実際には、本を出しているからといって良い人だと簡単に信じてはいけませんし、本に書いてあることが真実かというと必ずしもそうではありません。一応、出版というフィルターを通ってきたのでそれなりにちゃんとしているかな、くらいのことです。
そんなブランディング上の強みがあるので、ビジネスをやっていて本を書きたい人は多いのですが、ブログも書いたことがないのに本を出したいと言ってもなかなか企画が通りません。本を書ききるだけの文章力と根気がありますよ、ということを伝える上でも、ブログを書き続けることは重要です。
「集客」という観点での著書とブログ
逆に言えば、本を一冊出してしまえば「本を出すためのブログ」の役割は終わるわけです。なのになぜ、ブログを書き続ける著者が多いのかなっていうのが今回の疑問点です。ブランディングという観点では、本の方が効果が高いですし。
では集客という観点ではどうでしょうか。これも実は、本の方が効果が高かったりするんです。本を読んでから会いに来てくれる人は、熱量という意味でも能力という意味でも、とても質が高いです。ブログも広告などと比べるとそういうフィルタリング効果はあるのですが、ここでも本に軍配が上がります。
全国の書店に並ぶことで、新規の人に手にとって貰える可能性が高くなるのも本の魅力です。電子書籍やオンデマンド出版、一部の自費出版だとこれがないんですよね。一方でブログには、検索でヒットして全く新しい人に知って貰えるというメリットがあり、続けているとこの効果は侮れないくらい大きくなります。
タイムリーな情報発信は重要
じゃあ出版に弱点はないのかというと、当然それはあります。一つは時間がかかること。もう一つは書きたい内容を書けるとは限らないことです。
一般的に出版の世界では、企画が決まってからその本が店頭に並ぶまでに、少なくとも半年間はかかります。まあ突貫工事でやれば3〜4ヶ月でいけるんじゃないかという気はしていますが、「これを出そう」と思ってすぐに出るわけじゃないんです。これは大きな制約ですね。
もう一つの内容の方ですが、一定数は売れることが見込まれる内容じゃないとそもそも本にはなりません。出版社のビジネスとして成立しない企画は、通らないんです。なので本当に書きたい内容はこれだけれども、ちょっとずらしてこれならどうか、なんていうやり取りを割とやったりします。
ブログには、そんな制約が一切ありません。思いついた瞬間に文章にして、それを届けて反応が得られる快感は大きいです。ごく少数の人にしかニーズがないことを好き勝手に書くにはブログしかありません。また、最近の動向を告知したりするのにも、ブログの方が向いていますね。
「実験」という意味
本を書いたことがある人が「著者」なら、何冊もの本を連続して出す人を「作家」と定義できます。なので私は著者ではありますが、まだ作家ではありません。そこを目指すにはどうしたら良いかな、なんて考えています。
作家の方々は、「ブログは実験(と広告)の場だ」という感覚を持っているのではないかと想像しています。本を売るための広告という意味はもちろんありながら、一方で次の企画を練るための実験の場として、使っているのだと思います。
上に書いたとおり、ブログでは書いた内容がすぐ反応を得られます。コメントが付かなくても閲覧数などではっきりデータに出ますから。これを見て「書きたい内容だけどニーズはなさそうだな」「こんな内容がこんなにウケるのか」と次の出版の企画を練る材料にするのです。
一度ブログにした内容は、本にするときにすぐ再利用できますしね。なのでそういう、本とブログのフィードバックループのようなものを作っていくのが、重要なのではないか。そんなことを考える今日このごろです。