出版決定しました!本を出すための5つの方法
フラスコ代表、安田です。詳細は全然まだ発表できないのですが、某出版社さんで企画が採用となり、商業出版が決定しました。全力で自慢するとともに、出版の世界を概観しておきます。
出版の世界は秘密主義
商業出版はこれで3冊目(電子出版も含めれば5冊目)となるのですが、良くも悪くも、出版の世界は秘密主義だなって思います。どんな本で、どこの出版社さんで発売日が・・・とか書いてしまいたい気持ちはあるのですが。
それをやってしまったら、出版の話自体が流れてしまうかもしれません。このブログを担当の編集者さんが見つけたら、かなり緊張しながら開くことになるはずです。編集者さん、ご安心下さい。目一杯、情報をぼかしながら書きます。
まあ実際、出版社さんの方の都合が変わったり著者が書けなかったりで、お話が流れることも多いのだと思われます。出版予定日やタイトルなんかは、ほんとちょっとしたことで変わりますしね。慎重になるのも仕方ないですね。
商業出版が「王道」なれど
で、今回の趣旨は「出版が決まったよ!やった!」と自慢しつつ、じゃあどうやったら本を出せるのかという話です。「本を出したいけど、自分には無理」って言う人が、とても多いからです。
出版には、大きく分けると商業出版と自費出版があります。ビジネス本だったらざっくり3,000部くらいは売れないと赤字だと言われていて、そのリスクを誰が取るかですね。商業出版は出版社が、自費出版は著者がリスクを取ります。
私は自費出版にはあまり魅力を感じない(お金持ちではないとも言う)ので、商業出版にこだわっています。なので商業出版に関しては厚めに3つに分けて、本を出す方法を解説します。
1.自費出版(ビジネス出版)
本をたくさん刷って、売れなかった場合に誰が損をするか。商業出版だとそれは著者ではなく、出版社が損をするんですよ。数字は適当ですが、5,000部刷って1,000部しか売れなかったら、200万円くらい損をするみたいなイメージ。
だったらその200万円を、著者が出したら良いじゃないと。で、最初から2,000部くらいしかすらなければ、売上がゼロでも出版社はいくらか利益を得られます。たくさん売れれば、出版社にとってもプラスです。
増刷がかかれば、著者はいくらか印税が貰えたりしますが、まあ何万部も売ろうという本を自費出版する人はほとんどいません。それだけ売れるなら、商業出版しようということになるはずなので。
それほど売れなくても良い。比較的自由に書きたいことを書かせてくれ。そのためのお金は自分が出すから、というのが自費出版です。ビジネス出版というのも本を書く人のターゲットが経営者なだけで、自費出版の一種です。
2.電子出版やオンデマンド出版という手も
そうは言っても、自費出版の本が全く売れないと出版社としても面白くはないので、ある程度は売れそうな企画を一緒に考えてくれます。逆に言うと、完全に自由には書かせて貰えないということです。
出版社にもブランドがありますから、あまりにも売れない本を自社ブランドで出すのは抵抗がありますしね。これはまあ、それなりに頑張って売ろうとしてくれるということで、著者にとってもプラスです。
で、電子出版やオンデマンド出版だったら、もうほぼ自由に書けます。販売はAmazonだけで、書店には並ばないので自分で売る必要があるというか、ほぼ売れませんが、「著者だ」というステータスは一応、得られます。
ちなみにオンデマンドというのは、Amazonに並べておいて注文が入ったらその分だけを印刷して発送するというもので、紙の本なのですが在庫リスクがありません。良さそうなのですが、これが売れないんですよね・・・。
3.商業出版:企画書を書いて提出する
それで、商業出版の話です。繰り返しになりますが商業出版では出版社がリスクを取る形になります。だから、出版社としては売れる本しか出したくありません。実際に売れるかどうかはやってみないとわからないので、正確には「売れそうな本」です。
有名人とかインフルエンサーが簡単に本を出せるのは、彼らが数字を持っているからです。出せば売れるとわかっているので、出版社としては出したくてたまらないわけです。編集者が企画を作り、有力著者を口説くという図式になります。
ただ、私(そしておそらくはあなた)のような無名の著者は、待っていても話はきません。あ、自費出版の話はたまにきます。なので商業出版をしようと思ったら、「こういう本を出したら、売れますよ!」という企画を出版社に持ち込む必要があります。
いくつかの出版社はWeb上でも出版企画の受付をしていて、そこに企画を送ると反応があることがあります。編集者は忙しいので、なかなか反応がないのですが、実は今回はこれで企画が通りました。幸運と言えるでしょう。
4.商業出版:エージェントを活用する
実は、私のように出版社に企画を投げ込むというある意味で効率の悪いことをやっている人は、おそらく少数派です。知り合いの編集者に見てもらう、とか何らかのツテがある人はそれを使います。
でも普通はそんなツテはないので、誰か他の人の出版記念パーティーに出たり、著者など土地勘がある人に紹介してもらったりします。私も最初の本は、編集者の方を紹介して頂きました。
それもなかなかハードルが高いので、最後の手段と言いますか、割と最初にこれを選ぶ人が多いのですが、出版コンサルタント・エージェントの力を借りるという選択肢があります。当然、お金はかかりますが企画を一緒に考えてくれたり、その企画が合いそうな出版社に持ち込んでくれたりします。
出版業界に土地勘がない状態で本を出そうと思ったら、エージェントを活用するのが効率的なのかもしれませんね。私は「その土地勘をある程度、身につけてやろうじゃないか」と考える方なので、まだ使ったことはありません。
5.商業出版:コミュニティを活用する
もう一つ、商業出版をする方法があるかな、と思うのがこれです。コミュニティを活用することです。ここで私が主催する編集者とのマッチングイベントでも紹介すればきれいな宣伝になるのですが、残念ながらそういうのはまだなくて。
一例を挙げると、樺沢紫苑さんがやっているウェブ心理塾というところの、「出版企画書コンペ」は良いなあと思っています。編集者の方が何人か集まって、その前で企画をプレゼン、マッチングすれば本が出せるかもしれない、という。
なかなか編集者の方と知り合いになるチャンスがないので、こういう機会を活用すると良いと思います。出版エージェントの方がやっているイベントなんかも良いのかもしれません。ちょっと怖いんですけど(笑)。
「本を出したい」とか出した方が良いと思う人は多いので、そういう人と編集者の方をつなぐようなイベントやコミュニティを、いずれやりたいなとは思っています。
でもまああれです。行動しないで「本を出すのは難しい」と言っている人が多いのが事実なので、まずは行動してみたら良いと思います。出版には、それだけの価値はありますよ!