アフターコロナ版『新しい起業のかたち』
フラスコ代表、安田です。『新しい起業のかたち』は3/18発売であり、原稿を書いたのはそのずっと前ですから当然ながら新型コロナウィルスの影響を考慮していません。アフターコロナ、ウィズコロナを考えるとその主張はどう変わるのか、検証してみましょう。
会社を辞めずに堂々と起業する
『新しい起業のかたち』は何が新しいのか、といえば本書に明記してあるとおり、このブログの見出しになっている４つです。すなわち、会社を辞めずに堂々と起業する、オンラインサロンを持って起業する、サラリーマンより起業をする方が安全という考え方、長期的な視点と実験思考、です。
この４つが新型コロナウィルスの影響を受けてどう変わるか、検証していきましょう。まず、会社を辞めずに堂々と起業するですが、この環境下で「会社を辞めて背水の陣」がいかに合理的でないか、良くわかったことでしょう。環境が少し変われば収入が止まる、それが「一国一城の主」の実態です。
これをきっかけにリモートワークが進めば、会社帰りにお付き合いで一杯なんてこともなくなり、自分でコントロール可能な自由な時間は増えるでしょう。滅私奉公、なんていう考え方も忘れられていって、副業には追い風だと感じています。まあ、騒ぎが落ち着いたらある程度は巻き返しがあるでしょうけれども、これをきっかけに少しは時代も進むでしょう。
オンラインサロンを持って起業する
自由に外出できない流れの中で、私が主張してきた、一般の方でもオンラインサロンを持てる時代も一段と近づきました。とはいえ本書や前作の『新しい副業のかたち』では、「一番簡単なのは、飲み会などのリアルのイベントを中心とした運営だ」、と主張してきているので、その点は修正が必要かもしれません。
かと言って、一気にSNSや動画を中心としたバーチャルな運営にシフトする必要はありません。イベントの一部のZoomなどを使ってオンライン化すれば足りる話です。飲食の会が好きな方は、Zoomを使ったオンライン飲み会も意外と盛り上がるので、やってみてください。
サラリーマンより、起業をする方が安全という考え方
これは、長期的に見ればやはり、そうです。サラリーマンであれば何かあっても、満員電車で定時に通勤しろと言われればしなくてはなりませんし、自らの判断で東京を離れるという選択肢もありません。会社の経営が傾けば、一方的にリストラされることもあるでしょう。選択肢を持つためには、「稼ぐ力」が必要なのです。
ただ短期的にはやはり、スモールビジネスは資金力がなく、経済が止まると弱いとも身に沁みて感じています。フラスコのメンバーには個人事業主や一人社長も多いのですが、かなりの苦戦が伝わってきて、退会も出ています。安定した収入のある会社員にはそこまで顕著な影響はなく、簡単に会社を辞めてはいけないということを再確認する結果となりました。
長期的な視点と実験思考
なので、今日や明日を生き残ることはもちろん大切です。ですが長期的な視点の大切さは変わるものではなく、安定したキャッシュフローを確保しつつ遠くを見て動くことはますます重要性を増しています。その際、実験思考が大切であることも言うまでもありません。
「今日が楽しければ良い」という考えで安易な、一つの収益源に依存したビジネスをしていると、環境の変化であっけなく崩れ落ちます。より安全に、より強くということをあくなき繰り返しの中で強化した人だけが、どんな逆境でも勝ち残っていけるのです。
こういう逆境化でこそ、人の真価というのは問われます。文句ばかり言ってあっさり投げ出すのか、この環境を奇貨としてそこから最大限の学びを得ようとするのか、その差はとても大きいと感じています。もちろん私は、後者でありたいと強く願います。
全体的な結論として
ということで、『新しい起業のかたち』は改めて、非常に時代に合った本になっていると感じます。「イベントができないから成立しないじゃないか」と文句を言ってくる人も出てくるかなと思いますが、そこはリアルのイベントを一定期間、オンラインに置き換えるだけです。中心となる考え方には何の変更もありません。
そしてこのコロナ騒動は、多少長引く可能性はあるとしても一過性であり、いずれ必ず収束すると考えています。そうなったときに、リアルの場というのは今まで以上に貴重なものとなり人々の心を躍らせることとなる気がしています。同時に、この機会にオンラインの仕組みを作っておくこともまた重要です。
環境に対して文句を言ったり、できないことを嘆いていても何も生み出しません。この環境を活かして、変化できるところは変化し、次のフェーズのために準備できることはしておく。それが新しい起業のかたちであり、またずっと以前から変わらない普遍の真理なのかもしれません。今は確かに厳しいですが、知恵を絞って乗り切っていきましょう！
