「直感」が頼りになる場合と、ならない場合
フラスコ代表、安田です。あなたが何か経営や人生の意思決定をするとき、直感をどれくらい重視していますか?私はメガネをかけているからか理論派と思われがちですが、かなり直感を重視しています。でもその直感が、ほとんど頼りにならないときもあります。どういうときでしょうか。
意思決定では、直感をかなり頼りにしている
私は普段、何らかの意思決定をする際はそのほとんどを直感で行っていると言っても過言ではありません。ビジネス上の判断、持ち込まれたお誘いへの反応、初めて出会った人を信用して良いかどうか・・・そういうことは、ほぼノータイムで直感により正しく判断できる自信があります。
将棋や囲碁で言えば、プロ棋士が大局観に基づく直感でひらめいた手は、その後に何時間も考え抜いても結論はほとんど変わらないと言われています。人は少なくともまあ8〜9割は、出された問いに対して直感で正解を出せます。膨大な意思決定を日々行っているので、直感に頼るしかないとも言えます。
やるやらない、買う買わないなんていう判断は直感で結論が出ているのですが、一応は机上の理屈を考えたりはします。「人は感情で買い、あとから理性で理由をつける」なんて言われますがまさにその通り。重要なのはほとんど感情、直感ですよ。
コロナウィルスの流行で直感が外れるのは
なのですが、中には直感が大きく外れるケースもあります。直近だとコロナウィルスの流行です。早い段階で世界的にこういう大きな被害が出ることは予想できたのですが、私たちは世界的に数千・数万の死者が出ている今も未だに「回りに罹った人もいないし、日本は大したことはないんじゃないの」とどこかで思っています。
そういう私も、知事が「不要不急の外出は控えるように」と発言している今もこうして普通に都内に出てきて書店巡りをしたり、カフェでブログを書いたりしています。これは、まだ足元ではパンデミックに至っていない、そうなるには結構な時間がかかるんじゃないの、暖かくなったら収まるんじゃないのといった各種の根拠のない楽観があることでしょう。
しかし今回のウィルスは暖かくなったら収まるというエビデンスはありませんし、イタリアなどを見ても流行し始めてから医療崩壊に至るまで、想像より遥かに早く進みます。これは、感染が1次関数ではなく、指数関数的に起こることを人間の脳は想像できないことに原因があります。実際に計算してみたら、わかることなのに。
長期的に考えるときは、直感が使えない
もう一つ、直感が使えないのは長期的に考えるときです。例えば10年後の理想の状態をイメージするとき、昨日と今日の延長でいくら考えても明確なイメージができないのです。人は10年後のことを過小評価するのです。これは、複利の力を想像することができないことに原因があるでしょう。
今100万円が手元にあって、毎年10%が単利で増えるなら、10年後は200万円になります。どうしても、こういう想像をしてしまうんですね。でも実際には、資産運用ならお金は複利で増えるので、10年後には259万円を超えます。30年後なら400万円・・・ではなくて、なんと1,745万円です。期間が長くなればなるほど、直感とは離れていきますよね。
直感を補うのは、数学である
こういう、直感でイメージしきれない部分を補うのは、私は数学だと考えています。指数関数や複利というのは比較的単純な例ですが、確率統計の知識を正しく使えれば意思決定は相当、精度が上がることでしょう。そこまでしなくても、簡単な試算を行うクセを付けることで大怪我をすることはかなり減ります。
仮説と検証ですね。例えば、セミナーをする際にどれくらい集客ができるか。参加者の何割が個別相談を申し込んでくれて、その何割がサービスを購入してくれるのか。そういう各種の結果に対して、仮定で良いので数字を割り振っていきます。あとは実験を繰り返すことにより、その仮説を検証して精緻化していきます。
それができれば、思い切って広告費を投入したり、人を雇って事業を拡大するという選択肢も出てくるかもしれません。逆にいうと、仮説もないのにそういう意思決定を「直感」だけでやっている経営者を見ると、ひとごとながら本当に怖いなあと思ってしまいます。
外出できないなら、学びを深めよう
今はコロナウィルスとの戦いが最優先なので、イベントをやったり大きく成果を出すことがやりづらい環境かもしれません。であれば、学びを深めましょう。私は時間があると、数学の勉強をしたり古典を読んだりしています。次のビジネスプランを考えるにも、考えようによってはとても良い環境ですよね。
できないことを恨んでいても仕方ありません。今、できることをやりましょう。そして環境が変わったら、考え抜いた仮説をどんどん検証していけば良いのです。つまり何が言いたいかというと、『新しい起業のかたち』を読んで下さい!Amazonレビューも楽しみにお待ちしています!YouTube公式チャンネルもありますよ!ということです(笑)。