『新しい起業のかたち』に込めた想い

投稿日: 2020年3月17日

フラスコ代表、安田です。著書『新しい起業のかたち』はいよいよ明日発売です。本日から書店に並び始めるはずです。柄にもなくワクワクし、興奮していますので、今日は包み隠さず、この本に込めた想いをお伝えします。

サラリーマンを救いたい

原点は、ここです。私はサラリーマンという働き方が全く合わず、ずっと無理をしていました。今では自分にとってサラリーマン生活はあまりにも「無理ゲー」だったと確信しています。他には選択肢がないと思い込んで、仕方なく我慢に我慢を重ねている、過去の自分を救いたいんです。

前回の『新しい副業のかたち』も想いは同じですし、今回の『起業』もそうです。もっと言えば、起業してから今までやってきたことは全て、過去の自分と似たような状況にある人達を救うためにやっています。フラスコがやっていることはそんなに儲かる分野でもなく、副業・起業の本もそこまでたくさん売れるわけではありません。それでも、想いがあるからやるんです。

ひよこ喰いをなくしたい

過去の自分と同じように居場所を探し、起業という選択肢にたどり着いた人に待ち受けるのは、「ひよこ喰い」にまみれた起業支援の世界です。多くの自称「コンサルタント」が、サービスの受けてである新米起業家の知識がないのを良いことに、平気で騙したり、質の悪いサービスを高額で強引に売り込んでいます。

夢いっぱいで起業をしたのにひよこ喰いに引っかかり、虎の子の軍資金と貴重な時間をムダにして、泣く泣くサラリーマンに戻っていく人を何人も見てきました。本を出している人は信用できる、とポジショントークをしたいところですが、本を出していても「ちょっとどうかな」というサービスを提供しているコンサルタントも多いのが現状です。

この「ひよこ喰い」をなくしたいというのは、フラスコを立ち上げたときからの変わらぬ考え方です。私自身も、副業から起業、プラットフォームから起業塾と、尖りのあるサービスを提供すれば「ひよこ喰い」と言われてしまうリスク、ダークサイドに堕ちてしまう怖さと常に戦っています。それでも、ひよこ喰いをなくすために動き続けます。

「当たり前」の本を世に出したい

そういう起業支援業界の特徴が出ているのか、世にあふれる起業についての情報は極端なものが多くなってしまっています。「誰でも簡単にすぐ稼げる」「〜をするだけで良い！」「考え方を変えるだけで一瞬で成功する！」「1日30秒、スマホを触るだけで◯万円！」などなどなどなど。

そんなわけがないですよね。あなたがお仕事をしている世界でこんなことを言う人がいたら、一瞬で信用を失って駆逐されるじゃないですか。それが、ネット上では平気でまかりとおり、騙される人が跡を絶ちません。残念ながら出版の世界もそれに近い状況です。

本は出版社も絡んでいるので、最低限のチェックはされていて「明らかな詐欺」はありません。それでも、著者の特殊な成功体験を誰でもできると言い切っただけというような、単純化されたメッセージの本が売れています。「当たり前」の本は売れないのがわかっているので出版できないんです。でも、そういうまっとうな本こそ、必要とされていると信じています。

５年間の起業の集大成

私自身が会社を辞めてから５年間、起業の世界を経験してみてわかったのは「稼ぐための方法は、意外とシンプル」だということです。上場起業を作ったり、ネット上だけで完結するビジネスを作る、逆に店舗を持って稼ぐなどそれぞれに独特なノウハウが必要になりますが、「対人サービスを前提としたスモールビジネスで稼ぐ」ことに絞り込めば、やることはとてもシンプルになります。

起業においてはこの「絞り込む」ことこそが障害になっていて、多くの人がそこで脱落していくのだということが、５年経った今、ようやく見えてきました。ターゲットを絞り、サービスを決め、セミナーや交流会といった必要最低限のことだけをやっていれば、起業をして家族を養うことくらいは問題なく実現できます。