商品作りはペルソナとゴールの設定が全て
フラスコ代表、安田です。昨日はフラスコ起業塾の集中講座で、商品作りの回でした。メイン講師は共同代表の野村さんで、私はオブザーバー的に参加したのですが、気付きが多かったのでまとめておきます。
大多数の起業家は商品を持っていない
商品作りというと「初歩的なことをやっているな、自分には関係ない」と思う起業家が多いかもしれませんが、私から見ると大多数の起業家は「商品」を持っていません。コーチ、コンサル、士業という「素材」だけでやりくりしています。
それでも紹介を頼ったりしてみなさんなんとかやっていけていたりするので、起業というのは楽な世界だなあと思ってしまいます。しかし、月100万円以上の売上を安定してあげようとするなら、しっかりした商品の存在は必須です。
私の考える商品とは、対象と提供価値が明確なサービスのことです。細かなところは置いておいて重要なところだけをざっくりお伝えするなら、対象はペルソナのことで提供価値はゴールの設定です。
ペルソナとは何か
ペルソナとは、「理想の顧客像」という意味のマーケティング用語です。もともとの言葉の意味は「仮面」で、心理学の世界では「人間の外的側面」なのですが、ここではマーケティングの話なので、理想の顧客像という意味で使っています。
良くある間違いはペルソナを広く設定しようとすることです。20代〜40代の男女、みたいに。これはターゲットとしてはありえます(それでも広すぎます)が、もはやペルソナではありません。ペルソナは理想の顧客像なので、特定の一人の人格を設定します。
なので当然、年齢も性別も一つに決まります。それどころか、名前すら付けます。昨日の集中講座でも、何人かの方はペルソナと会話をして商品を作ることができ始めていました。ペルソナの設定が曖昧だと、商品も曖昧になりますので、ペルソナが人格を持って語り出すまでいくとあとはスムーズです。
ゴールの設定とは何か
ゴールは、ペルソナが抱える特定の悩みや課題が解決された状態です。ペルソナにとっての重要な悩みや課題はなんであり、それにあなたがどのようにお役に立てるか、どういうステップでゴールに到達するかを考えていけば、自然に商品は完成します。
個別のセッションにするかグループワークにするか、開催時間をいつにするか料金をいくらにするか、なんてことはペルソナとゴールの設定がきちんとできていれば自然に決まります。このことと比べれば、どのSNSで告知するか、なんてほんとに些末な問題です。
現状と理想つまりゴールの差が課題であり、その幅が価値です。ペルソナが「そうなれるなら支払っても良い」と感じる最大の価格が金額換算した価値なのです。
絞り込むことの怖さ
ね、ごくシンプルな話でしょう。フラスコ起業塾でやっていることも、基本的にはこのシンプルなことです。これくらいだったらいつか本で読んだことがありますよね。でもこれがびっくりするくらい、みんなできていないんです。
やってみるとわかりますが、ペルソナの設定には絞り込みが必要で、絞り込めば見込み客が減るような気がして怖いんです。理想の顧客像を一人に絞るには「この人を助けたい!」という強い想い、いわば一種の狂気が必要で、その引き出しには他者のサポートが必要なところでしょう。
この絞り込みは、むしろまだビジネスをしていない人の方がやりやすいかもしれません。既に実績のある人は、ペルソナや価値の設定の際にいろんなお客様の顔が浮かんできて「あれも、これも」となって尖りのない商品を作りがちなのです。
そういうしがらみを「捨てる」にはやはり、狂気が必要なんですね。ちなみに、ペルソナを設定したからといってペルソナから外れる見込み客を全て失うわけではありません。むしろあなたに合った属性の人が多く集まるようになるので、安心して絞り込んでください。
人は劇的に、変わる
あまりリアルなことはプライバシーに配慮して書けませんが、起業塾の参加者の方々は今までの3回の講座とその間の宿題を通じて大きく変化しています。講師の2人が驚くような、ペルソナの気持ちになってしっかりと考え抜かれた、レベルの高い商品が生まれつつあります。
この商品をブラッシュアップしながら、これからセミナー作り・セールス・情報発信にコミュニティとますます面白いところに突入していきます。受講者の方々はジェットコースターに乗っているようなスピード感を感じていることと思いますが、楽しんでいきましょう。
サークルモデル集中講座もそうですが、人が劇的に変わる現場に立ち会える、自らがその変化の触媒になれるということの喜びを感じています。いずれ私は仕組み作りと書き物に集中するときが来るのですが、まだしばらくは、この仕事を全て誰かにお任せすることはできそうにありません。