商品づくりには「狂気」が必要
フラスコ代表、安田です。今回は、商品を開発していく上では、ある種の「狂気」が必要ですよっていうお話です。対象としてはスキルを活かしたスモールビジネスを想定してはいますが、大企業でも同じなんじゃないですかね。
「稼ぐ力」と商品の関係
さて、まずは稼ぐ力と商品の関係から復習ですが、稼ぐ力は以下の方程式で表現することができます。
稼ぐ力=商品力×関係性構築力×情報発信力
なので、商品力は稼ぐ力に直結します。まあ、これは当たり前ですね。圧倒的に強い商品があれば、お客さんとの関係性が弱くても、情報発信が弱くても紹介は発生しますし、みんなが勝手に買いに来てくれることでしょう。
もちろん、ビジネスをする上では強いコミュニティを持っているのは大きな強みになりますし、情報発信力があれば確率論で稼ぐことができる可能性は高まります。それでも商品力がゼロならば、関係性や情報発信の効果を十分に活かすことができません。
売上は目標にはなるが、目的ではない
起業をする際に、例えば生活できるだけのお金を稼ぐことを目的にするなら、とてもシンプルなやり方で達成できます。原価がかからないビジネスを選べば、家族がいても月100万円も売上があれば、十分に食べていけるでしょう。そこをゴールにするなら「やるべきことをちゃんとやる」だけのことです。
しかし、それが起業の目的なのかということはしっかり、自問自答したいところです。生活できるだけのお金お稼ぐために、わざわざ会社を辞めてまで起業をする意味があるでしょうか。だったら、サラリーマンを続けていれば良いはずなので、これって矛盾ですよね。
では、稼ぐ金額の目標を月300万円に目標を引き上げるとより良いゴール設定になるでしょうか。もっと引き上げて、月1,000万円ならあなたは幸せになれますか?少しはぜいたくができるようにはなりますが、お金で買える幸せには限界があります。売上は目標にはなりますが、ビジネスの目的にはなりません。
「世界を変える」という狂気
売上を目標として起業をした場合、ある程度の売上が達成できてくると、目標を見失ってしまいます。達成できる直前で目標を引き上げたりするのですがそれもいつまでも続かず、いずれ「あれ、何のためにやってるんだっけ?」となります。私はそういう起業家を、たくさん見てきました。
ビジネスを続けるには熱量が必要です。いつまでもその熱量が下がらないのは、「世界を変える」という狂気に似た情熱に従って事業を展開している人です。私自身も多少はそういう傾向があって、『誰もが自由で、好奇心あふれる生き方ができる世界を創る』というミッションでもう5年間、事業を続けています。
そうは言っても私自身は凡人なので、生まれたときからミッションが明確だったというタイプではありません。衝撃的なきっかけがあったわけでもない。どちらかというと、こういう大きなミッションを持つことでモチベーションが切れないようにしている、という面も正直に言えば、あります。
ターゲットは絞り込まないと意味がない
そういう意味ではもう少し、実用的な視点でお伝えした方が良いかもしれませんね。商品やサービスは、対象と提供価値で構成されているのですが、この「対象」を決めていく上でも「ミッション」がはっきりしている方が絞り込みやすいです。
事前にある程度の説明をした上で、できるだけ絞り込んだターゲットを決めましょうとお伝えしたとしても、非常に多くの人が「30〜50代の男女、どこに住んでいても良いし、年収は300〜800万円くらい」というようなターゲット設定をしようとします。
ペルソナ(理想の顧客像)を1人決めましょうと言っても、こういう感じになります。だって◯◯に興味がある人はこれくらいいるし・・・ということなのですが、そうじゃないんです。ターゲットは絞りに絞り込んで初めて意味があります。絞り込むのはお客さんを失うような気がして怖いのはわかるので、勇気を持って絞り込むには狂気が必要なんです。
事業を継続させるためには
ここまで「狂気」が必要だっていう内容のことを書いてきましたが、狂気っていうのは持っている人は持っているもので、持っていない人が意識して発揮するべきものなのかどうかは私も良くわかりません。私に関しては、もともとちょっとは持っていて、それを開放しつつあるだけという気もします。
ただ、会社を辞めて起業をするような人には一定量の狂気があるのではないかと考えていて、だったらそれを隠さずに、ミッションや商品には反映させていった方が自然だし、長く事業を継続させられるんじゃないかと思うんです。
お金だけなら、別に起業しなくてもいくらでもやり方はありますしね。安定した生活を求めるなら、サラリーマンをしている方が良いですし。そういう選択をするに至った理由、それが他の人から見たら狂気じみているということは割と、普通にあるのではないかと思うわけです。伝わりますかね、これ。