オンラインサロンの月会費はどこでもとが取れるのか?
フラスコ代表、安田です。オンラインサロンについて、「ネット上のなにやらハイテクな仕組み」と思っている人も多いようなのですが、そんなことはありません。オンラインサロンの定義はとてもシンプルです。そして設計の際には、「どこでもとを取らせるか」という考え方も大事ですよ。
オンラインサロンは「有料のコミュニティ」
オンラインサロンの定義は単に、「有料のコミュニティ」です。毎月とか毎年、決まった金額の会費が発生するコミュニティですね。コミュニティが何かといえば、こちらも小難しい定義は不要で、「人の集まり」くらいのことです。なので有料の集まり、オンラインサロンとはシンプルにそれだけのことです。
オンラインサロンという名前が良くないのでしょうが、全てのサービスをオンラインでやろうとするオーナーさんが多いです。オンラインというからには家から一歩も出ずに運営しないといけない、という強迫観念のようなものがあるように見えます。オンラインゲームの影響ですかね。もっとリアルの接点も活用して良いんですよ。
むしろ、全てをリアルだけで完結させるという考え方もありです。強いて言えば、課金はオンラインで行われているというくらいの考え方で良いのです。「オンライン」などという言葉を使わない、もっと良い名前があるとわかりやすいのですけどね。私もずっと考えていますが、なかなかこれ以上のネーミングは見つかりません。
サービスは何でも構わない
つまり実際には、会費に見合ったサービスであれば何でも良いわけです。もちろん動画やメルマガ、SNS上のコミュニケーションやzoomなどのテレビ会議システムを活用したイベントなど、「オンライン」をメインに価値を提供しても構いません。ただしこれで、月3,000円とか5,000円の価値を出すのは大変です。
なにしろライバルは、ネットフリックスやアマゾンプライムビデオになります。それらが月1,000円以下で楽しめるのに、あなたのオンラインサロンが提供するサービスにはそれ以上の価値があるかどうか、自問してください。もちろん、そこでしか得られないコンテンツであれば3,000円や5,000円も十分あり得ますけどね。
参加者が支払った金額以上の価値があると満足しさえすれば良いので、サービスは何でも構いません。むしろ、リアルのイベントなどを積極的に活用するべきです。単純に言えば、会費5,000円の飲み会が毎月開催されて、それに無料で参加できるならオンラインサロンには3,000円〜5,000円くらいの価値があるわけです。
サークルや町内会ですらオンラインサロンだ
この定義、つまり「有料のコミュニティ」という定義からいけば、大学生が運営するサークルは私に言わせれば始めからオンラインサロンなのです。もっと言えば、町内会ですらオンラインサロンです。なんとなく月1,000円くらいの会費を払い、なんとなく回覧板が回ってくるあれです。
それで参加者がみんなが心から満足しているかはわかりませんが、あえて辞めないからには何らかのメリットもしくは抜けると困ることがあるのでしょう。それは、オンラインサロンとして成り立っているということです。ちなみに、辞めない理由を作ることもオンラインサロンの運営上はとても重要です。
例えば、そのコミュニティに参加しているメンバーとのつながりが大切なので、サービスには必ずしも満足していないけれども辞めはしないということもあるかもしれません。主催者とのつながりにも価値がありますが、メンバー同士の関係性に価値があったりもするわけです。
世の中のオンラインサロンは4つに分類できる
過去に何回か書いてきましたが、私が世の中に存在する多数のオンラインサロンに「潜入」した結果、世の中のオンラインサロンはざっくり4つに分類できます。それは「ファンクラブ型」「メディア型」「プロジェクト型」「教育型」です。それぞれの型に沿って、価値を提供していくことになります。
「ファンクラブ型」や「メディア型」はインフルエンサーの方に向いたやり方なので、どちらかと言えば一般の人がオンラインサロンを持つのであれば「プロジェクト型」や「教育型」が良いでしょう。メンバーが何かの目標に向かって活動するのが「プロジェクト型」、メンバーを教育して育てていくのが「教育型」です。
より単純に言えば、飲み会などのイベントを中心に構成されるのが「プロジェクト型」であり、セミナーやグループコンサルティングを中心に構成されるのが「教育型」だと思って頂いても構いません。そのイベントやセミナーに参加できる権利を買う、というかたちでオンラインサロンを組み立てれば良いでしょう。
月会費はどこで「元が取れる」のか
オンラインサロンを持とうと思ったら、これらのどの「型」で価値を提供するか、良く考える必要があります。どれか1つの型に限る必要はありません。ファンクラブ型で500円、メディア型で1,000円、プロジェクト型で2,000円なので合計3,500円の価値があるから、月会費3,000なら安いだろう、という感じです。
例えばキングコング西野さんのオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は実は、「メディア型」です。「いやいやプロジェクト型だろう。教育型とも言える!」と思われた方(おそらくそこのメンバー)もいらっしゃると思いますが、あそこは設計として西野さんのFacebook投稿だけで1,000円の元を取らせるようになっています。
私は随分前からウォッチしているのでわかりますが、そうすることで地方在住のメンバーの不満を解消しているんですよね。プロジェクトはおまけで、別途お金を払って有志がやっていると。1,000円はあくまで、西野さんの投稿だけでもとを取らせるという設計です。結果として、もう3万人を超えましたよね。すごいです。
そんな風に「この月会費はどんな意味があるんだ。どこに消えているんだ」という問いがメンバーから上がってきたときに、スパッと答えられるようにしておくと、あなたのオンラインサロンも成長するかもしれません。いろいろ、考えて実験してみて下さい。