こんな起業塾は詐欺だ
フラスコ代表、安田です。あまりにも世間に詐欺まがいな起業塾が多いので、ついに重い腰を上げて「フラスコ起業塾」を立ち上げるに至ったわけですが、さまざまな噂ベースも含めて、こんな起業塾はひよこ喰い・詐欺かもしれないというネタでブログを書いてみましょう。
「あなたらしさ」を強調してくる
もうこれはほとんど確定です。あなたらしさに気づきさえすれば、頑張らなくても成功するという謎のロジックです。もうこれは起業塾というよりは自己啓発の世界ですね。自分なりに頑張って疲れて、それでも結果が出ていない人には刺さる言葉なのでしょう。
確かに自己肯定感が低い人は、「足るを知る」というかそのままでも幸せであることに気づくのは大切かもしれませんが、起業をして稼ぐということとは無縁の話です。同じように「あなたらしさ」の大切さを伝えて稼いでしまう人が発生するのかもしれませんが、それは詐欺の連鎖に過ぎません。
「好きなことだけ」やれば良い
一時期すごく流行り、今でもこの切り口の本や起業塾は多いです。サラリーマンは上司に命令されれば嫌いなこともやらないといけないので嫌気がさしているのでそこを攻められています。でも当たり前ですが、起業したところでしんどいことも必要なときには普通にやりますよ。
好きなことや得意なことはリソースなので、そこで勝負をすることは重要な戦略ではあります。好きなことは圧倒的な熱量で取り組めるので必然、スキルが伸びて競争力が生まれますから。かといって好きなこと「だけ」やるわけではありません。
好きなことをビジネスにしたいと思うあまり、需要を無視してビジネスをしようとしてしまうのは、サラリーマンを自由から遠ざけている大きな原因だなと感じています。「競馬が好きなので競馬をビジネスにしたいと考え続けています」みたいな人、多いですけどね。遠回りですね。
「考え方を変えるだけ」で成功できる
これも詐欺師のロジックです。やっぱり背景は同じで、あなたは十分に努力してきた。でも成功しなかったのはあなたが悪いわけじゃない。成功するために必要なちょっとしたコツ、考え方を知らないだけなんだ。だからそのコツを知ることができれば努力しなくても自然に成功できるというロジックです。
これ、一面の真実を含むので厄介なんですよね。確かにサラリーマンの思考パターンと、起業家の思考パターンは異なっていて、それが稼ぐための一つの鍵であることは間違いないんです。マインドを整えたり考え方を変えることは確かに必要です。でもその上で、地道な努力は必要です。
「投資が大切」なことを強調してくる
私も売る側の立場にいるので良くわかりますが、50万円・100万円の高額商品を売ろうと思ったら、「教養・娯楽費」という考え方では説明がつかないんです。なので、頭の中でそれを「自己投資」という費目に置き換えてもらうことがどうしても必要なんです。
何が違うのかというと、教養・娯楽だとお金を使って消費をするのに対して、自己投資だと投資なので、回収できるんですね。実際、その考え方が起業をして稼ぐためには必要だったりします。起業家にとっては質の高い学びは現金で回収できるので、いくらでも「投資」できるという感覚は重要です。ただまあ、あまりこのことを強調しすぎる人はちょっと怪しいなと思って見ないといけません。売りたいだけでしょ、っていう視点は必要です。
派手な動画と成功事例のオンパレード
詐欺的なセミナーは、動画や会場などの舞台装置が立派です。これは、動画が立派だったら詐欺だと言っているわけではありません。ノウハウのしょぼさに比べて舞台装置がやたら派手でバランスが悪かったら、ちょっとは疑ってかかった方が良いでしょう。
成功事例のオンパレードも、初めて見たらすぐに「すごい講座だ、みんな成功している」ところっと説得されてしまうものですが、そんな、受講者全員が成功できるなんてことがあるはずがありません。出してくる数字は嘘ではないにしても、あえて出していない事実があるのではないか、とは常に自分の頭で考えながら聴きましょう。
「隣の人と話し合って」その場で購入を決めさせる
詐欺的なセミナーで良くあるのは、セミナーの最後に一気に契約書にサインをさせようとするやり方です。大幅な割引があるけれどもこれは本日限りで、明日になったら価格が急上昇するとか。すぐに〆切になってしまいそうな感じが強調されてくるとかですね。
で、2人一組にして話し合って決めろ、みたいなことを言われることも多いです。なんかそういうセミナーって、過去の受講者の人がサクラみたいな感じで紛れ込んでいたりするんですよね。「私はもちろん受けますよ。一緒にやりましょうよ」とか言ってきます。慣れない人にとっては断りにくくなっちゃうんですよね。
見極めはそこまで簡単ではないが
などなど、まだまだ特徴はたくさんありますが、このどれかに当てはまるからひよこ喰いだ、詐欺だとなるわけではありません。実際、私自身もこれらのやり方はテクニックとしてちょっとは使うこともあります。ロジックとしては正しい面も含まれていますし、セールスのテクニックとしては基本的なことではあるので、アンバランスに強調してくるところに怪しさがあるわけです。
結局、騙されないようにするのはあなた自身が、その会社や人はどういう人柄・経歴で、本当に信頼できるのか。講座の過去の受講生や講師自身は自然体か。講座の内容はしんどいことを回避するような内容になっていないか。講座が終了したあともサポートしてくれるコミュニティはあるのか。そういうことを総合的に判断する審美眼を、経験を積むことで磨いていくしかないんですけどね。