「起業」には少なくとも3種類ある
フラスコ代表、安田です。起業について話していて、どうも話が噛み合わないということが多いのですが、その大きな原因がこれじゃないかと思います。起業には、少なくとも3種類があるんですね。これが互いにずれていると、話が全く合いません。
大きくわけると3種類
最近はフラスコ起業塾をスタートしようと準備をしており、色んな人と話をしているのですが、起業についての話が噛み合わないことがあります。それは、起業についての定義が違うからかもしれないなと思ったのでまとめてみます。起業には少なくとも3種類あります。
それは、副業・趣味の延長とスモールビジネス、そしてスタートアップです。どれも大きくは「起業」と呼ばれているので、ここがずれているとお互い話が合いません。私が起業塾で対象としようとしているのはスモールビジネスで、副業・趣味の延長でもなくスタートアップでもありません。
それぞれに一長一短があり、どれが優れていてどれが劣っているというものではありません。しかしスタートアップ界隈の人にはスモールビジネス関係者はやや侮られているように思いますし、スモールビジネスで勝負をしている人からは副業・趣味の延長はぬるく思えます。それぞれの定義というか、イメージを明確にしていきましょう。
副業・趣味の延長
そのタイトルからも明らかですが、『新しい副業のかたち』はここを対象としています。サラリーマンだったり主婦だったり、または個人事業主でも良いのですが本業をもちながら、数千円から月10万円くらいを目標として取り組む「起業」がこれです。生活できるレベルではないので、失礼な表現ですが趣味の延長とも言えます。
良いところは明らかで、生活がかかっていないので思う存分、好きなことに取り組めることです。副業や趣味であるなら主力商品、つまりバックエンド商品がなくても大丈夫です。時間をかけてじっくり、少しずつ取り組むことも可能なので、結果としてすごくうまくいくケースもあります。
しかし月数十万円を稼ぐ必要があるのであれば、発想を変える必要があります。スモールビジネスの段階に、進む必要があるんですね。同じやり方ではなく、同じ考え方でもありません。実態としては、生活がかかっているのにここのカテゴリから発想の転換ができていない人が大勢いるのが困りものです。
スモールビジネス
定義としては、生活がかかっているビジネス、です。金額で言えば30〜100万円の粗利が必要になる状態で、「本気で」挑むビジネスがこれです。通常、数万円から数十万円のバックエンド商品が必要になります。商品、関係性に加えて情報発信も、きちんとしていかないと成り立たないでしょう。
スタートアップとの違いは上場を前提とせず、他人の資本をほとんど入れず、大きな借り入れをしたりせずに自然成長させていくという考え方です。過剰なリスクは取らず、設備投資や人を雇うことも最小限であることが多いです。が、結果としては年収3,000万円とか1億円以上になる人もいます。
スモールビジネスを選択する社長の中には、どこまでも大きくビジネスを成長させて限界に挑むというよりは、人としての幸せを追求するタイプの人も多いです。まあ、スタートアップするほど儲からず、やむを得ずここにとどまっている会社も多いでしょうけれども。
スタートアップ
上場を目指し、ベンチャーキャピタルなどの他人資本を入れ、目一杯の借り入れをして大勝負をする起業のやり方です。ニュースになるのはスタートアップばかりなので、起業といえばこれだと思っている人も多いだろうと思います。ギャンブルという要素もどうしても入ってきます。
国が政策で支援する「起業」も、どうしてもこのスタートアップが中心になります。まあGAFAのような世界を変える企業の多くはここから生まれてきますし、雇用が生まれたり多額の税金を払ったりするのもこれが中心になるので、それも仕方ないのですが。
私の会社であるシナジーブレインはどうなのだと問われれば、スモールビジネスとスタートアップの間にあると認識しています。今のところはスモールビジネスですね。他人資本を入れるというよりは、自分の事業で資本を厚くしてから、より上を目指すというような考え方です。今後は、こういう考え方の起業が多くなってくると思います。
連続的ではあるが、ジャンプも必要
3つの種類は連続的ではあります。副業・趣味の延長からはじめてどんどん大きくなり、スモールビジネスとしてやっていると大きな成長機会を発見して外部から資金提供の話があったり、上場を目指すようになるという流れです。副業からはじめてスモールビジネスに進化すれば良いと思います。
ただ、進化のプロセスでは考え方はかなり変えないといけません。副業からスモールビジネスに変わるには、バックエンド商品を作り、セミナーを実施し、セールスについて学び、マインドブロックを外していくことなどです。「好きなことだけやっていたい」なんて言っていられるのは、副業・趣味の延長までです。
もしあなたがサラリーマンや主婦であれば、サークルモデルから始めれば良いでしょう。そして本気で会社を辞めて起業をするなら、もしくはあなたが個人事業主でまだしっかり稼げていないのであれば、早急に考え方ややり方を学ぶべきです。フラスコ起業塾は、そういう方のためにあります。