「会社を辞めたい」と思ったらやること
フラスコ代表、安田です。「起業をしたい」という人の大半は、本音は「会社を辞めたい」なのではないでしょうか。少なくとも私は、半分くらいはそうでした。でも、すぐに会社を辞めちゃだめですよ。
まず、早く帰って遊ぶ
最初にお断りしておきますが、これから「それができたら苦労しないよ」っていうことをずっと書きますよ。出世競争レースを戦い続ける人には選べない選択肢ばかりです。ただ、会社を辞めるよりは先にやるべきことばかりです。
まず、仕事量を減らしましょう。土日持ち帰ったり早朝深夜まで仕事をしているようであれば、明らかに働きすぎです。人間の集中力というのはそんなに長く続くものではありません。定時に帰れとまでは言いませんが、少しの残業で終わらせましょう。
仕事ができないから残業している?いえ、あなたができないのは仕事ではなくて、仕事を断ることです。適切な量に仕事をコントロールし、少なくとも休みの日は遊びましょう。寝るだけでなく、できるだけ外に出ましょうね。
転属を願い出る
まあまあ大きな会社であれば、転属を願い出るのも手です。直属の上司かそのまた上か人事部か、できるだけ話がわかりそうな人を探して相談しましょう。会社としては辞められるよりは他で仕事をして欲しいと思うのが通常です。
とはいえ、もはや会社が自分を必要とせず、辞めさせようとしているくらいの状況もあるでしょう。そうなったら転属希望は通用しませんね。かといって仕事を頑張りさえすれば好転するも思いづらい状況です。より先の手段に進みましょう。
転職活動をする
主観的にしろ客観的にしろ、追い込まれた状況にある人は「一刻も早く会社を辞めたい」と思ってしまうため、次を決めずに退職してしまいがちです。しかし、それは間違いです。必ず、次を決めてから辞めましょう。
会社を辞めてしまえば再就職をするのは難しくなります。ブランクが空けば空くほど焦りも出ますし、その期間の説明が苦しくなります。今より悪い条件でも構いませんので、「現役」中に次の職場を決めましょう。
転職活動では、今の状況を正直に話すとなかなか決まらないかもしれません。嘘はつかなくても良いですが、ポジティブな面からしっかりと、転職理由などを考えましょう。転職活動が良いガス抜きになることもありますよ。
重い病気になる前に休む
それでもどうしても辛い、そういう活動をする気力すら湧かないという場合でも、まだ会社を辞めてはいけません。まずは病院に行って診断書をもらいましょう。自覚症状はないかもしれませんが、何らかの病名は付く状態である可能性が高いです。
診断書に従って、できるだけ長く休みましょう。病気が原因なのですから、退職する必要はありません。もし辞めることにしたとしても、有給休暇があるのであればそれは全て使い切りましょう。
会社を辞めるときは理不尽な条件でも「すっきりしたい」という気持ちがあるものですが、それよりも経済的に合理的な選択肢を選ぶようにしてください。しかるべき専門家に相談しながら、ソフトランディングしましょう。
副業をする
とまあ、後ろ向きなことばかりを言ってきましたが、会社を辞めるというテーマなのに前向きなことばかり言うのもちょっと誠実じゃないなと思うんですよね。会社を辞めたいと本気で思うときは冷静な判断ができる状態だとは限らない(というか、できる状態ではない)ので。
もしあなたの「辞めたい」に少し期限の猶予があるのなら、副業をおすすめします。できればアルバイトではなく、「稼ぐ力」を身に付けて将来の展望が描けるものが良いでしょう。そうすることで、人生の選択肢が増えて楽になるはずです。最終的に会社を辞めなくて済むかもしれません。
『新しい副業のかたち』ではこういう副業のやり方について書きました。会社を辞めたいと悩むサラリーマン、つまりかつての自分を救いたいという想いから、書いた本です。サークルモデルセミナーでも、ヒントは差し上げることができます。
起業準備をする
実際に自分がどうしたかというと、これです。会社を辞めるしかないと思いつめた私は、1年かけて起業の準備をしました。当時は副業も禁止でしたし、転属や転職をしてもサラリーマンとしての構造的な悩みは解決しないと考えたのです。
さすがに最後の1〜2ヶ月くらいは、有給を消化したり早めに帰ったりもしました。家族で海外旅行をしたのも良い思い出です。何より、起業の準備をすることは楽しく、「奴隷のようだ」と感じていた心が解放されていくのを感じました。
1年かけて考え抜いたところで、今の私から見ればビジネスモデルとしてはまだまだでした。それでもすぐに会社を辞めて起業した場合と比べたら、リスクは大幅に減っていると評価しています。あの1年は、必要な期間でした。
もしあの頃、副業という選択肢があったなら。顔を出して堂々と副業をして、2〜3年で手応えを掴んでやはり起業をした気もします。なぜなら、起業の世界はサラリーマンの世界よりも圧倒的に自分に合っているからです。リスクを取らず、どちらが向いているのかを試せる「実験」こそが、本当に価値があると思うんですよね。