情報発信とは、すなわち生きることだ
フラスコ代表、安田です。ブログやメルマガ、SNSで情報発信をするのって、面倒くさいですよね。私もやっている方だとは思いますが、やっぱり面倒です。でも、情報発信をしていないと、生きていないと感じることがあるんです。
起業家にとっての情報発信
サラリーマンとして大企業に属していたときは、会社の名前がアイデンティティとなっていました。日本生命の安田です、と言えばどこに行ってもそれなりの扱いを受けることができましたし。それで良いのかなと疑問はありましたが。
まあ情報発信なんてしてもなんにもならないしな、と思いつつ時代の流れに遅れない程度にはSNSをちょこちょこいじる程度で。でも会社を辞めて起業をして、景色はがらりと変わりました。
情報を発信しないと、誰も私や私がやっていることに気が付きません。誰にも認識されないということは、生きていないのと同じことです。「起業をしたいのだけど、情報発信が続かない」というのは、起業をしていない人の悩みです。起業家にとっては情報発信こそが本業であり、生きている証です。
人に会っていれば仕事をしているのか
どちらかというと起業をしている人がはまってしまうのは、「情報発信をしていなくても、多くの人に会ってさえいれば良い」と思ってしまうという罠の方です。会った人には存在を認めてもらえるような気持ちになるので、安心するのでしょう。
大勢の人と会っている交流会などの写真をアップするのも情報発信なので、社交的な人はそういうやり方でも良いのかもしれません。しかし社交的ではないということもあり私は、人と会っているときに発信している情報は、文章を書いているときに比べてとても少ないと感じてしまいます。
交流会では何らかの結果が出て、時には直接的に売上につながることもあるので欠かすことはできませんが、そればかりでは時間の効率が悪いのです。私の場合は情報発信の積み重ねがメインにあっての、交流会だと感じています。
忙しいことと価値の提供は違う
人に会っているとなんとなく「忙しい」と感じることができます。1日5アポくらいこなすと隙間なく動き回ることができるので、すごく仕事をしている気分になることができるのです。しかしそれは、価値を提供していることとイコールではありません。
もちろん、部屋でYouTubeを観ていることと比べたらそっちの方がずっと良いのは自明です。それで良好な人間関係を築くことで生活をしていくために十分な仕事が得られて、満足しているのであればそういうやり方も否定はしません。
ただ、「個人事業主」「一人社長」ではなくて「起業家」というアイデンティティを持ってスケールするビジネスをしている人にとっては、それだけでは不足です。情報発信は非常に多くの人に同時にメッセージを届けることができるので、レバレッジがかかるのです。
作家というセルフイメージ
私は一人社長としてスモールビジネスをしているつもりはなく、フラスコは勝負ビジネスの段階に入っているというイメージを持っています。身の回りの人だけが使って喜んでくれれば良いとは思っておらず、10万人のコミュニティ・プラットフォームを大真面目に目指しています。
教育型のオンラインサロンである『ウェブ心理塾』を運営している樺沢紫苑さんは最近ベンチマークしている「心のメンター」のお一人なのですが、その樺沢さんが海外留学から帰ってきたとき「作家になる」という決心をしたという話がとても気になっています。
今度、『新しい副業のかたち』という本を出版することになって、ここで「作家になる」なんて言ったらさすがに世間からは鼻で笑われると思うのですが、しかしずっと「フラスコが10万人になった先には何があるのかな」と考え続けてきたことの答えが、それなのかもしれないと思わなくもないのです。
文章を書くということ
実はフラスコも事業というよりは、思想を拡げているという自覚があります。「誰もが自由で、好奇心あふれる生き方ができる世界を創る」というミッションも観念的な部分が大きいですし、ひよこ喰いをなくすというメッセージもそうです。
自分にも人にも誠実に、「学ぶ」「実験する」「応援する」という価値観でうまくつながるという考え方に賛同してくれる人を、今は集めているところです。短期的な利益よりも遥かに価値観を共有する方を大切にしています。
本を書くことで、ブログやオンラインサロンではメッセージが届かない多くの方に手に取って頂く機会が増えると思っています。フラスコのメンバーが増えるというのは結果であり、メッセージが届いて少しでも影響を与えられることの方が本質かなと思うんです。
なので少なくとも私にとっては、情報発信というのは手段ではなくて、やりたいことそのものなんです。それがときには「面倒くさい」と感じてしまうのですから、人間というのはつくづく怠惰な生き物なのだなと驚きます。