隙間時間の活用では、忙しさは解決しない
フラスコ代表、安田です。今の私はセミナーの準備でちょっとだけ忙しい感じになっているのですが、人とお会いするアポの前に1時間弱くらい時間が空いたのでこのブログを書いています。でもこれ、あまり良いことだとは思っていません。隙間時間の活用では忙しさは解決しないと考えているんです。
隙間時間の活用には快感がある
良く電車(新幹線ではなく、山手線など)の中などでノートパソコンを広げて、忙しそうに作業をしているサラリーマンを見ますが、申し訳ないですけど「ああ、仕事ができない人なんだろうな」と思ってしまいます。何をやっているにしても、それで成果が上がるとは思えないからです。
メールの返信やメッセージであればスマホで十分ですし、プレゼンなどのわりとしっかりした資料を直しているのなら、スケジューリングに失敗しています。前日には完成するように逆算して作業を進めておき、電車の中ではゆったりとしているか、プレゼンのイメージトレーニングをやっていないといけません。
いずれにしても、移動の隙間時間で作業をしないといけないような状態は、かなり追い込まれてしまっています。でも本人は「こんなに忙しい俺、頑張ってるな」って思っているものなんです。かつては私もそうでしたから、良くわかります。資料を持ち帰ったり深夜残業をしたり、土日に出社するのも同じです。仕事に追われるのってある種の快感があるんですよね。
脳の「切り替え時間」
ブログの話に戻りますと、アポとアポの合間にブログやメルマガを書くのは効率が良さそうで、実は全然良くありません。文章を書くために使う脳と、人と交渉をする際に使う脳の領域は明らかに違うため、「切り替え時間」が発生するからです。
切り替え時間というのは経営用語で、例えば工場でAという製品を作っていて、次はBという製品を作るとなると機械を入れ替えたり材料を並べ替えたりして発生する、準備時間のことです。工場の場合はこれが何時間もかかるのですが、脳だとおそらく30分くらいでしょうか。
私の場合だと文章を書こうと思ってから書き始めるまでに20分くらい、書き始めてから本格的に乗ってくるまでに10分くらいはかかります。交流会などで疲れているとこの倍くらいの時間がかかることもあります。そもそも書けない、なんてこともあります。逆もまた然りで、文章を書いた直後に人と会うのは抵抗があります。
スケジューリングが重要
なので、スケジュールを入れる際にあらかじめ「人と会う日」と「文章を書く日」を分けておきます。具体的には月曜と金曜は人に会わない日にすることに決めています。ちなみに月曜はクリエティブデーで企画などを、金曜はコンテンツデーで講座などを作る日です。
こうしても人に会う数自体は減らないので、必然的に火〜木曜には人に会いまくることになります。側から見ると忙しそうに見えるかもしれませんが、頭の切り替えが要らないのでそんなにしんどくありません。効率的にアポを詰め込むことを考えるので、隙間時間が減ることになります。
良くある勘違いとしては、午前・午後・夕方とアポが入っている日があったら「この日は忙しいから、新しいアポは違う日に入れよう」としてしまいがちなのですが、そこはその日のどこかにあと1件・2件とアポを詰め込めないか、を先に考えるべきです。そもそも、間が開かないように並べる工夫、移動時間を少なくするでの工夫が大切だったりもします。
大きな石を先に並べる
スケジューリングを考えるときに良く出てくる話で、大きな石と小さな石があったら、大きな石を先にバケツに入れろというのがあります。小さな石から入れると大きな石が入りきらないけれど、大きな石から入れれば全部入ると。『7つの習慣』ですかね。
これは、人生においては「重要なことから先に予定していく」ということですね。自分を成長させることや家族とのこと、事業で言えば仕組み化・人材育成などが優先事項にあたるでしょう。電車で作業をしているサラリーマンは「忙しくて夏休みが取れない」という発想の人だと思われます。
夏休みなんて、最初に決めてしまうべき予定の筆頭です。1週間なら1週間、休みを決めてしまってから仕事の段取りを考えるべきです。「休めたら休む」という考え方をしているとあっという間に「小さな石」でスケジュール帳は埋まってしまいますから。
それ以上に、取捨選択が最重要
スケジュールの並べ方も重要なのですが、それ以上に重要なのは「何が重要なのか」を決めることです。果たしてそれは、あなたにとって「大きな石」なのか。その石はそもそも必要か。あなたはどんな価値観を持ち、何を重要と感じるのか、ですね。
切り替え時間を意識して効率的に予定を並べることなどは、テクニックにすぎません。もちろん、これだけでも少しは時間と気持ちの余裕が生まれ、役には立ちますが。それよりもあなたが今、重要だと思い込んでいるその大きな石について、見直して見ることが大切なのではないでしょうか。
私は一人合宿で、そんなことも考える時間を取ります。そうすると結果的に、なんとなく続けてきた重ための作業が、ドカンとなくなったりします。それだけで、合宿のコストくらいは元が取れると思うんですよね。これもまた、有効な時間の使い方の一つと言えるかもしれません。