オンラインサロンブームはバブルであり、近々崩壊して「超新星爆発」が起こる
フラスコ代表、安田です。最近、オンラインサロンを立ち上げたいという人が増えてきました。一方で「もうオワコンだ」という意見もあるでしょう。私もこの点いつもぼんやり考えているので、少し頭の整理をしてみます。
オンラインサロンは「ブーム」か
オンラインサロンは、ブーム・バブルだという面は確かにあると思います。格好をつけて「もう1年以上前にピークは過ぎた」「20年前にもブームがあった」などと語る人もいると思いますが、客観的に見るならまだまだ普通にブームのまっただ中でしょう。
月の会費が1万円のサロンや、メンバーが1,000人を超えるような「メガサロン」もいくつも誕生しています。みなさんの周りでも、オンラインサロンを始めたいという人はいらっしゃるのではないでしょうか。
フラスコは誰でも、メンバーゼロからでも簡単にオンラインサロンを持つことができるインフラを提供しているので、いくつものサロンが立ち上がり、ご相談を頂いています。大きな流れは確かに感じる一方、これが終わるときにはどうなるのかな、なんて考えずにはいられません。
搾取だ、宗教だという論争
「オンラインサロンは搾取だ」「信者ビジネスだ、一種の宗教だ」ということを言う人は多いです。主にインフルエンサーの方が主催しているサロンの話ですが、お金を払って働かされているのはおかしいというわけですね。
まあこれはほとんど、批判している人の頭が古いこと、オンラインサロンに対する理解が浅いことが理由かなと考えています。お金を払ってでも面白いプロジェクトに参加したいというのはごく当たり前の感覚で、労働ではなくてエンターテイメントなんですよね。
私は大学生のとき、お祭りの実行委員をしていたのですが、あの感覚に近いでしょう。お金は貰えずブラック企業並みに負担はありますが、得られる経験がとても貴重なんです。みんな退屈していて、その日常を脱却できる経験にはお金を払っても良いのです。
メガサロンはいずれ限界が来て、超新星爆発が起こる
とは言え、現時点で勢いのある大きなサロンのうちいくつかは、限界がくると予想しています。会費の高いサロンや規模を追うサロンはオーナーへの負担が大きく、オーナーの疲弊が激しいです。長期的に耐えられるのは本当の経営者資質を持った人、つまり堀江さんなど数名くらいではないかなと。
すでにいくつも消えていったサロンもありますし、年初まで勢いがあった脱社畜サロンは会員が3,000人から500人に減るなど衰退しています。言い方は変ですが、単なるインフルエンサーつまり高い経営者資質のない人だとメガサロンの運営は難しいと思います。
そういう構造を前提に、あとは偶然の要素になりますが、何かちょっとした事件をきっかけにトップレベルに大きなサロンが崩壊し、「やはりオンラインサロンは虚構だった」という論調が支配的になる時期が、近々来るのではないかなと感じています。
超新星爆発、サロンの乱立期を経る
それが「超新星爆発」のようになって大きなサロンのオーナーは戸惑う一方で、しばらくはそこから分化した小さなサロンが乱立するのではないでしょうか。今のメガサロンの中にはいくつもの分科会があるので、それがそれぞれ独立したサロンになるイメージです。
ただ、それらの運営がうまくいくかと言えば、きっとうまくはいかないでしょう。やはりインフルエンサーの影響力というのは大きくて、それを前提に成り立っていたサロンに「ぶら下がっていた」だけの分科会は、独立しては成立しないのではないかと思います。
それで小さな争いが頻発して、「やはりオンラインサロンなんてろくなものではない」という論調が支配的になる時期が続くのではないかと思います。もしかしたらこれくらいで、オンラインサロンに変わる概念がいくつか提唱されて、そのどれかが支配的な地位を確立するかもしれません。オンラインサロンという言葉自体が死語になるかも。
そして普通の人がオンラインサロンを持つ時代へ
かと言って私は、オンラインサロンの将来を悲観しているわけではありません。その過渡期を経て、もはやそれはオンラインサロンと呼ばれていないかもしれませんが、サラリーマンや個人事業主といった「普通の人」が有料のコミュニティを持つのが当たり前の時代がやって来るのではないかと考えています。
オンラインサロンが良いとか悪いというのは無駄な論争です。なぜならそれは有料のコミュニティという以上でも以下でもないからです。良い加減にやっているところは良い加減ですし、きちんとやっているところはきちんとしている。それだけのことだという正しい認知が広がるでしょう。
この辺り、インターネットが良いものか悪いものか、というかつて行われた論争に似ていますね。インターネット自体はインフラであり、空気のようなものです。オンラインサロンもそうなんです。
これから先は優勝劣敗。やるかやらないか、ではなくて「きちんとした運営」が焦点になっていくと思います。そして、オンラインサロン的なものはごく当たり前の存在となり、本格的な普及期を迎えることでしょう。