コミュニティで誰かと組むということ
フラスコ代表、安田です。昨日発表した通り、野村昌平さんと大重雄進さんに共同代表になって頂くことにしました。これは私にとってはすごく重大なことで、フラスコのステージはまた一つ、上がったなと感じています。でもコミュニティの運営で誰かと組むにはいろいろと、難しいところもあると思います。
コミュニティは一人でやるな
混乱させてしまうかもしれませんがあえて言えば、フラスコはコミュニティ・プラットフォームとして仕組みを提供していますが、やはり本質としてコミュニティとしての性質を持ちます。結局はどんな人が集まるか、コミュニティとしてどうあるかが大きな問題であることは、会社もそうですし何でもそうです。
「コミュニティは一人でやるな」これは、共同代表の大重雄進さんが良く仰っていることです。何人かで一緒にやることで集客力も大きくなり、気持ちも折れないので長く続きます。ケンカもするかもしれませんが、基本的には組むことでプラスになることが多いんです。これは、本当にそうだなあと私も思います。
実験と誰かを巻き込むことの関係
それでも、今までフラスコの運営に今回ほどは人を大きく巻き込んでこなかったのは、私の中に迷いがあったからです。人生計画フォーラムの時は実際、設計が悪いという結論に達して一度は解散しましたしね。あの決断は、少なくともあの早さでの決断は実質一人で運営をしていたからこそできたという面があったと思います。
事業を起こすということは、実験です。どんな事業であっても3年は試行錯誤が続くと思います。特にフラスコは既存の何かをなぞっているわけではなくて、常に新しいことをやっていますから、うまくいかない可能性も高かったんです。そんな実験に、誰かを巻き込んで良いのだろうかという葛藤がありました。
逆に言えば、今のフラスコは必要なエネルギーさえ与えればうまく回るという確信が得られたということです。もちろんまだまだ修正をしないといけないことはたくさんありますが、骨格としては納得のいくものが出来上がりました。これからは、どんどん人を巻き込んでいきます。
ステージごとに出会える人が違う
ちなみに一般論として言えば、起業をした当初に誰かと組むのはあまりお勧めできません。当然ながら周りにいるのは自分と同じようにこれから起業をしようというステージの人ばかりなので、「気が合う」という理由で組んでもよほど運が良くない限りは、事業や自分自身の成長についてこられない可能性が高いです。
これは学歴とか大企業で出会った人だからということではなくて、マインドを含めた起業家としてのステージの話です。あえて言えば「自分と同じくらい狂っているか」ということかもしれません。普通ではないことをするのであれば、普通ではない人と組まないと、うまくはいきません。
まあ、別れることになるから組まないというのも極端な考え方かもしれません。ステージが変わったらパートナーも変えて、ヤドカリのように成長し続けるという考え方の方が普通かもしれませんね。ただ私にとっては起業当時、生意気にもそう考えていたということです。
期待感のコントロール
ちょっと視点を変えて、コミュニティで誰かと組むときに気をつけないといけないと感じていることをお伝えします。それは、コミュニティにおいては誰かに指示命令はできないということです。会社だったら理不尽に命令して良いのかというとそれも大いに疑問なのですが、コミュニティでは命令は全然できません。
雇用ではなく、対等ともいえる関係でものごとを進めていくためには、期待感のコントロールということが重要になります。嫌なことを押し付けたり、優先順位を強制的に変えてもらったりすることはできません。動いてくれなかったとしても、怒ったりするのは筋違いです。せいぜい、がっかりするくらいしかありません。
そんな中で、プロジェクトを進めていくには雇用関係でのマネジメントとはまた異質なやり方が必要になります。ミッション・ビジョンの共有化により、同じゴールを目指すということがとても重要になるでしょう。この辺り、まだまだ深掘りできそうですが今日のところはこれくらいにしておきましょう。
弱点を補える最高のパートナー
今回の共同代表という「チーム」は、我ながら最高のメンバーだと自負しています。ミッションは密接につながっており、かつ互いに目一杯強みを活かして弱点を補い合う理想的な関係にあります。私の強みと弱点は今となってはわかりやすいので、チームを組みやすかったというのはあるかもしれません(笑)。
野村さんには人の心に火をつけて動かす力があり、大重さんには多くの人とつながり拡げる力があります。私が提供するのは仕組みとビジョンです。こと人間力においてはお二人と勝負するつもりはサラサラありません。これからは私は得意なところに集中し、人前に出る機会は減っていくかもしれません。
フラスコは素晴らしい仕組みだと確信していますが、それがまだこれくらいしか普及していないのは、私の伝え方がとんでもなく下手だったのではないかという気もします。まあ、作った人なりのこだわりも邪魔をしますし。これからはそのボトルネック(苦笑)が外れるので、フラスコは加速度的に大きくなりますよ!