『やらない時間術』が炎上しそうな5つのポイント
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フラスコ代表、安田です。2/28(金)に7冊目の著作となる『やらない時間術』が発売されるのですが、今回はなかなかの問題作だと思っていて、ほんとに炎上するんじゃないかなと戦々恐々としています。
炎上ポイント1:「だである調」で書いてある
これは今回、結構ビクビクしています。はじめになど一部を除いて、ほぼ前編「だ・である」の強目の文体で書いたんですよね。これ実は僕の本来の文体だと思っていて、前著の『お金の真実』では父のノートというテイでこっそりやってみたのですが、堂々と正面からこの文体で書くのは初めてです。ブログでもやってない・・・。
僕は最近、ビジネス書を読むことはほとんどなくて、好んで読むのは海外からの翻訳本なのですが、面白い本って大体「だである」なんですよね。だであるの方がテンポが良くて、読みやすいと思っていて。実際『やらない時間術』も、自分で何回読み返しても面白いと感じる、という謎の現象が起きてます。
炎上ポイント2:文字数が少ない
文体とも関係するのですが、今回の本はいつもより文字数が少ないです。一般的にビジネス書の文字数は8万〜10万文字と言われているのですが、これは6万5千文字くらいじゃないでしょうか。それで伝えたいことを全部、書けてしまったんですよね。これ以上書くのは、蛇足になるからこれでいきましょうって押し切った感じで。
でも10万文字もあるビジネス書って、ほんとに読めますか?僕は読めません。前半は疾走感があっても、後半でだれてくるビジネス書がほとんどじゃないですか(このブログが炎上する!)。目次を頭に入れて、前半をしっかり読んだら後半は流し読み。大体のビジネス書はこれで十分。絶対10万文字もいらないと思っていて。
結果、1行の文字数は少なめで本も薄いんですけど、めちゃくちゃ読みやすくて良い感じになっています。ビジネス書ってこれで良いんじゃないのと個人的には思っていますが、まあ1,650円払って文字が少ないと、損した気分にはなるだろうなあ・・・と。
炎上ポイント3:科学的根拠や事例が乏しい
これは確信犯なのですが、論文の引用とかインタビューとか、全くしていません。僕は時間術の本は古今東西大量に読んできていて、それを自らの行動で実践して濾過して1冊の本にしているので、科学的根拠なんていまさらいらないでしょ、という合理的ではあるもののやや不遜な理由です。
あまりにもみんな科学的根拠が好きすぎる、論文が書かれていたら正しいのかというと全然そんなことないのに、という問題意識はずっとあります。学者の先生が本を書くなら厳密にエビデンスに基づいて書かないといけないでしょうけど、そこはある程度スルーできるのが、野良の著者の強みなんじゃないかなと思っています。
炎上ポイント4:多様性への配慮がない
それもあって、本書の時間術はどんな人にも必ず当てはまるものではありません。もちろん「詰め込む」「集中する」「やらない」各分野で多くの時間術をお伝えしているので、誰でもどれかは役に立つのではないかとは思いますが、人類の何%に効果があるといった確かなエビデンスはありません。でもそのエビデンス、何の意味があるのかなとは疑問に感じますが。結局、効果があるものとないものがあるのは変わりませんしね。
置かれた立場によっては、役に立たない時間術もありますし、本書を読んで全部試しても悩みが解決しない人すらいるかもしれません。例えば、乳幼児を育てているママの悩みを僕がしっかり理解しているかというと、極めて怪しいです。乳幼児の育児を「やらない」なんていう選択肢はないでしょうし。命がかかってますからね。
「安田は恵まれた立場だからそんなことが言えるんだ」という批判はあるでしょう。豊かな国に生まれ、教育を受け、知的な労働をしている。そんな人、世界的にはむしろ少数派なのかもしれません。でもそういう多様性は、今回は気にしすぎないことにしました。伝わる人にだけ、伝われば良いという割り切りです。
炎上ポイント5:安田の価値観がはっきり出ている
という覚悟の上で執筆を進めたため、結論としても「自分の人生を生きるべきだ」とはっきり書いちゃいました。もっというと、「自分の時間を他人に安く売り渡しているうちは、自由にはなれない」とまで。安田は起業コンサルタントだから、露骨なビジネス誘導じゃないかというAmazonレビューが何件もあることでしょう。
でもこれは、僕の心からの本音なんです。サラリーマンを15年経験して、起業家・起業支援を10年やって、多くの方の相談に乗ってきた実体験に基づいて、どうしてもこの結論を曲げることはできませんでした。「やれることから少しずつ、やったら良いんですよ」と書いた方が本は売れるのでしょうけれど、それでは足りなかった。
というわけで、『やらない時間術』は僕が気づいているだけで炎上ポイントがこんなにある問題作です。読んだ人みんなが星4のレビューを書くよりも、星5か星1かどちらかにはっきり分かれる。そういう本があっても良いと思うんです。『やらない時間術』はかや書房より2/28(金)発売。震えて待て!笑