安売りは誰のためにもならない
フラスコ代表、安田です。1月からうちは値上げをするのですが、コーチやコンサルでなかなか単価を上げられない人って多いですよね。なぜ値上げができないのか、値上げをするとメリットもあるという話をします。
シンプルに自信がない
まず、これからビジネスを始めるもしくは始めたばかりの人が単価を上げられないのは、これはある程度は仕方がありません。実績もないし自信もないし、もしかするとスキルやノウハウも足りないという状態で動き出しているわけですから。無料とか、低単価でサービスの提供を始めるのもまあ無理もないことでしょう。
できるだけその状態を早く脱するためには、お金を受け取ってサービスを提供し、喜んでもらうという経験を積み重ねていくしかありません。少しずつ単価を上げていき、高い単価でも喜んでもらえるんだという確信を得ると、ビジネスが成立しやすくなります。
それでも単価を上げていくときは怖いものですし、勇気が必要です。その単価に相応しい実力が身につくのは、実際に単価を上げてからというのが経験からくる僕の感覚です。今回10万円に上げて震えていますから、僕なりに。大丈夫だと頭ではわかっていても、メンタルブロックというのはあるものです。
「多くの人を助けたいから」
長くやっていてそれなりに実績もある人で、低い単価で止まっている人がいます。そういう人に「なぜそんな低い単価でやっているんですか?」と聞くとだいたい、返ってくる答えはこれです。値上げをすると買えなくなる、サービスに手が届かなくなってしまう人がいるのがつらい、と。
確かに、価格を上げるとお客様は一定割合が入れ替わります。実際、その金額は払えないからと「卒業」していく人もいます。でも残ってくれる人もいますし、面白いことに価格を上げたことによって新しく入ってくる人もいたりします。言葉を選ばずに言うと、そこまで満足度が高くない人が去っていき、質の高い人が入ってくるので、全体の「質」は良くなります。経験上。
ちなみに値上げをする際に、既存のお客様には適用しないという手もあります。過去に結んだ契約に関して価格を一方的に変えるというのは乱暴な話だと思うので、僕も今のダーウィンメンバーは従来通りの価格でサービスを提供していきます。確かに人は入れ替わりますが、数が減るという感覚はあまりありません。
事業者にとってのメリット
というように、値上げをすることのデメリットというのももちろんあるでしょうけれど、多くはあなたの想像の中で生み出された恐怖心に関するものです。上げれば上げるほど良いということはありませんが、常識的な範囲内(10万円がそうかどうかは・・・)での料金改定は、メリットの方が大きくなることは間違いありません。
事業者にとってのメリットは明確で、仮に少しくらいお客様の数が減ったとしても、売上・利益は大きく伸びます。薄利多売は集客も大変で心身ともに疲弊しますから、適正価格に改定することでそこに余裕が出てきます。お客様へのサービスも充実させることができますし、新しいことに取り組むことも可能になってきます。
単価が低いサービスだと、参加者の質が下がってクレームが増え、事業者がそちらに時間や体力を取られます。単価を上げると自責で行動のできる参加者が増え、運営が楽になります。価格を上げることで手間が減る。これは不思議な話に思えるかもしれませんが、多くの方が口を揃えていることであり、おそらくは事実です。
顧客にとってのメリット
お客様のメリットはそれと直接的に結びついていて、心身ともに充実した状態のコーチ・コンサルにサポートされることで成果が出しやすくなります。サービス内容も濃密にできます。講座などだと、単価が上がるとそのサービスを受けているメンバーの質が上がるため、より良い出会いや刺激を受け取れるようになりもします。
あとは変な話ですが、高い金額を支払った方が自分自身、強いコミットが生まれることによっても成果を出しやすくなるという面もあります。お金だけでなく時間や体力を投資するわけなので、安いサービスを選んで損をする、ということもあり得ます。安いからダメとか高いから良いということでもないんですけどね。
余談ですが「高額商品を作りたくて、そのサポートを安くやってくれるコンサルの人がいたから申し込んだ」と言っている人がいましたが、そのコンサルって高額化できない人なんじゃないかなって思いました。自分の商品を高額化できない人が、他人の商品を高額化できるんですかね・・・?
トータルではWin-Win
ということで、もちろん高いよりは安い方が良いという面もありますが、コーチ・コンサル業の人にとっては適正な価格まで単価を上げていくことは、お互いにメリットの方が大きいと考えています。僕自身、あまり安すぎるコーチやコンサルタントその他の専門家にはお仕事をお願いしたくないなあとも思いますし。
なので、勇気を持って単価は早めに上げましょう。単価相応の実力がつくのを待っていたら、いつまでも値上げはできないので。単価を上げたら、それに相応しいところまで急速に成長をすれば良いだけのことです。最初はハリボテでも、いずれ中身が伴えば問題ない。ビジネスにはそれくらいのメンタルが必要なんでしょうね。