ネット広告との向き合い方
フラスコ代表、安田です。スモールビジネスだと広告、特にネット広告の取り扱いがなかなかわかりませんよね。うちもまだまだ現在進行形という感じなのですが、考えていることを書いてみます。
最初は「使うな」一択
起業をしたばかりのときは、ネット広告を使ってみたくなるものです。初めてのイベントやセミナーを開催したら広告で集客したいですし、商品を作ったら広告で売りたい。気持ちはすごく良くわかるのですが、この段階での広告の使用は、僕は相談されたら全力で止めます。貴重な資本の浪費になってしまう可能性が高いからです。
最初はなかなか集客できなかったり、商品のLPを作っても売れなかったりするので「これはまだ、知られていないからだ」と考えてしまいがちなのですが、売れない最大の理由はおそらくそれではありません。イベントや商品の価値がない、とまでは言いませんが、その価値がまだまだわかりにくいからです。
広告はあくまで「ブースター」なので、それでゼロから1を作り出すことはできません。最初はコツコツ手や足を使って活動しましょう。お知り合いに声をかけたり、SNSで発信したり交流会に行ったりしてある程度は集客ができたり、商品が売れるようになってから広告を検討しても全く遅くはありません。
イベント集客や商品に広告を使うのは
そもそもイベント集客や商品にネット広告を使うのは、効率が良くありません。やり方にもよりますが、リアルのイベントだと1人の参加者を集めるのに1万円以上かかるでしょうし、ある程度高額の商品はほとんど売れません。1人呼ぶのに1万円以上かけても利益が出るようなビジネスモデルが、できているでしょうか。
セミナーでバックエンド商品がしっかりとあり、参加者の何%が商品を買ってくれるという計算が成り立っていれば、広告を使うのも良いでしょう。ビジネスとして成り立つはずだという仮説があったとしても、最初はセミナーもうまくありませんし、商品もまだ「ぬるい」ので、取らぬ狸の皮算用になりがちです。
やはりある程度、そのあたりの数字が把握できるくらいには広告費をかけずに経験を積みたいものです。どうしてもやってみたいなら、数万円に予算を絞って広告を出してみても構いませんが、あっという間に砂漠に水を撒くようにお金が消えていき、もしかするとなんの反応も得られないところが見られるかもしれません。
リスト取りと無料オファー
イベント集客や商品の販売には広告は効率が悪いと言いましたが、では効率的なネット広告の使い方は何なのかと言われたら、それは「リスト取り」です。無料オファーと呼ばれるプレゼントと相性が良く、プレゼントをあげますということをお金をかけて広告して、メルマガやLINE公式に登録してもらうのです。
これも昔は数百円とか数十円でリストが取れたというような話を聞きますが、近年は単価が上がっており、1リストが3千円で取れたらかなり良い、5千円近くかかることもあるという感じじゃないでしょうか。それでも広告を出したい人は多いので、商品に興味のある人の連絡先はそれくらいの価値はあるということですね。
広告を使ってリストを集めるとかなりのお金がかかるので、みんなブログを書いたりYouTube動画を作ったりして、手間暇をかけてリストを集めているというわけです。広告が安かったらみんなそれを使うので広告費は上がり、高かったら広告に頼らずに手間暇でやるので、需要と供給で常に適正価格だとも言えるでしょう。
キャンペーンでの大勝負
リストを取るといっても、通常のメルマガを読んでもらうためだけに3千円とか5千円をかける人はまずいません。むしろそれでビジネスが成り立つなら、それはかなり良くできたビジネスモデルです。実際には何らかの商品の発売や、キャンペーンなどを仕掛けるタイミングで大きめの広告を使うことになります。
うちで言うと、たまにやるダーウィンキャンペーンですね。実験的な意味合いも込めて1回のキャンペーンで100万円、200万円という金額を広告費に投入したこともあります。売れなかったら大赤字。震えますよ。大企業でお勤めの方から見れば大した金額ではないと感じるかもしれませんが、いわばこれは「身銭」なので・・・。
スモールビジネスとはいえ、レバレッジをかけて成長をしていくタイミングがあります。そのときに広告は大きな味方というか、主要な手段になります。もちろん、広告を一切使わずにオーガニックにやっていくやり方もありますが、ビジネスの成長に時間がかかります。リスクをとって時間を買うのが広告という感覚ですね。
ウェビナーが景色を変えるかも
ここのところは『ゼロからコーチングで時給1万円稼ぐセミナー』のようないわゆるウェビナーに広告費をかけています。これは結構、景色が変わるかもしれないなあと感じていて。プロダクトローンチを使ったキャンペーンだと、1ヶ月くらいやってみないとどんな結果が出るかがわからなかったのですが、ウェビナーだとすぐ結果が出るんです。
つまり、かけた広告費が回収できるかどうかが、早ければ数日でわかる。ウケないと思えば撤退することもできるし、良いと思えばもっと多額の広告費をかけていくことも可能です。成長を追い求めつつ、必要以上のギャンブルをしなくても良い。これは経営上、ものすごい利点です。
どんな意味があるのか今ひとつわからずに参入したウェビナーですが、革命的なのかも。もしかしたらスモールビジネスのやり方も、全てが一変するのかも。そんな予感を感じながら、ビジネスモデルを作り替えている最中です。さて、どうなることやら。現場からは以上です。