今まで安田が受けてきた「変な相談」トップ5
フラスコ代表、安田です。僕は起業コンサルタントとして、なんだかんだでもう10年近く相談を受け続けてきています。中には不思議な相談もあったので、思い出してまとめていきましょう。
5位:不労所得が欲しい
まあでも、改めて考えると「変な相談」というのもそんなになくて、というのも相談なんて何かしら変なのが当たり前なので。「こんなこと相談して良いのか・・・」と言いながらご相談頂くのはありがたいですし、ちょっとやそっと内容が変でもほとんど気にはしません。そういう仕事で。
そういう中では、これは結構いますし、かわいらしいやつです。起業家はわりと『金持ち父さん貧乏父さん』の影響を受けている人が多いし僕もそうなのですが、「金持ち父さんを読んで、不労所得で生活することが夢です」みたいな人がたくさんいます。なのでこの本、功罪ありますね。
そういう人が相談に来たら、こういうことをお伝えします。資産がないのであれば、不労所得を得られるようになるまでにはかなり手間暇をかけないといけないですよ、と。僕も寝ている間に収入は入ってきますが、それは起きているときにもしくは何年も前に行動したからですよ、と。
4位:YouTuberになりたい
不労所得ほどひどくはありませんが、インフルエンサーになりたいという人も多いですね。基本的に僕は何者でもない人がインフルエンサーを目指すのはビジネスのやり方として筋が良くないと思っていますし、自分自身もインフルエンサーになることには全く興味がありません。だから少なくとも、相談する相手を間違えていると思うのですが。
そういえば、「YouTuberとして稼ぎたいので、会社の作り方を教えて下さい」という人がいました。今のチャンネル登録者は何人なんですかと質問をしたところ「まだやったことはありません」ということだったので、「まずはYouTubeのチャンネルを立ち上げましょう」で終わりました。
ちなみに「会社を作りたい」という相談を受けることはかなり多いのですが、会社を作る必要がある事例にはまだ当たったことがありません。別に会社なんて誰でもすぐ作れますが、作らなくてもビジネスはできるので、まずはビジネスをやりましょうという回答にいつもなります。
3位:お金を稼ぐためにNPOを立ち上げたい
会社を作るということだと、これは飛び抜けて変な話でした。NPOを立ち上げたいというので、一般社団法人とかよりハードルは高いですよとか言いながらもう少し詳しく聞いていくと、「お金を稼ぐために必要なんだ」という話になりました。ええっと、NPOはその名の通り非営利団体なんですけど?
結局その人も聞きかじりで、誰かが言っていたことを真に受けて、意味もわからずにこっちに相談に来たということみたいでした。こういうのは、実は良くあるんです。相談していることの意味が自分でわかっていない人って、結構います。だからまず、相談の意味を確認しないといけない。
表面的には◯◯のやり方を教えて欲しい、という相談内容なのですが「なんのためにそれをするんですか?」と確認していくと全然それをする必要がない、みたいなことは本当に良くあります。生活が苦しいからあと月3万円稼ぐために起業をしないといけない、という相談に「バイトしろ」って答えたこともあります。起業コンサルタントなのに(笑)
2位:ゴルフ練習場を運営したい
これは僕が起業の相談を受け始めて、最初の頃に頂いた相談です。知り合いの社長がゴルフ練習場を運営しているから、自分もやりたいと。特別なスキルもいらないし(特にゴルフがうまいわけでもないらしい)、放っておいても安定した収入が入ってくるから、と。
これを受けた僕の最初の質問が「貯金はいくらあるんですか?」でした。当時の僕はまだ駆け出しの起業コンサルタントでしたが、今思っても実に適切な質問(笑)。住宅ローンを組んでしまって貯金はゼロどころか借金があるということだったので、駆け出しなりに呆れたのを覚えています。
今はシミュレーションゴルフの練習場を、1打席から持てるみたいなビジネスモデルを展開している会社もあるのでまだハードルは下がっていますが、当時はめちゃくちゃ資産を持たないと成立しないビジネスだったんですよね。まあ今でも、これ系はお勧めはしませんが。
1位:現状に満足していて、悩みがない
堂々の1位、つまり僕が一番変な相談だと思うのがこれです。「起業をしないといけないとは思うけれど、旦那さんが高収入で毎年海外旅行にも行っているし、夫婦仲も良くて現状に満足している」みたいな話。変ですよね。でもこれ実は1人や2人ではなくて、今まで何人もいました。
まあ僕の本を読んだりして刺激を受けて、何か行動したいと思ってくれたということでしょうか。ちょっと安田に会って話を聞いてみたいな、というノリで。そう考えるとありがたいですね。
コンサルタントやコーチが絶対にやってはいけないと思うのは「いや、その幸せはかりそめの姿で、本当はやりたいことがやれていないんだ。あなたは実は奴隷だ!不幸なんだ!10年後には大変なことになる!本当の自分に気づけ!」などと課題をでっちあげることです。ぶっちゃけそれをやったら売れるのかもしれませんが、ダークサイドですよね。
起業や副業はあくまで手段であり、幸せになることが目的なわけですから、現状が「幸せだ」と感じている人をいったん不幸にしてまで起業させる必要は全くありません。専業主婦で幸せな人、サラリーマンが合っている人はそれが一番良い。そんなスタンスで、やってます。