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信用の器 フラスコ

スモールビジネスは「人と似たようなこと」をやれ

フラスコ代表、安田です。「こういうビジネスをやってみたら?」と言ったら「でもそんなの、やってる人いっぱいいますよね!?」という反論を受けることが多いので、書いてみます。

ビジネスアイディアの「誤解」

へたに起業の勉強をしてしまうと、参入障壁とかブルーオーシャン、USPに差別化などいろんな用語に触れてしまって、身動きがとれなくなることがあります。なんか、まだ誰もやっていない、人と違うことをやらないといけないみたいな。自分にしかできないことをやらなくては、みたいな。

何か思いついてはググってみて、やってる人がいたら諦める、みたいなことを延々と繰り返している「起業準備中」の人がたくさんいます。これは全くの間違いで、もしあなたが思いついたアイディアをググって何も出てこなかったら、そのアイディアは捨てた方が良いくらいです。多分、ニーズがありません。

特にスモールビジネスだったら、誰かがやっているというのはプラス材料です。その人たちが儲かっていたらもっと良い。市場が成長していたら最高。ググったら何十社もヒットして広告もガンガン出ている、それがニーズのあるビジネスです。確かにそこはどろどろのレッドオーシャンですが、それで良いんです。

スタートアップとの違い

でもそんなレッドオーシャンに参入して、勝てるんですかと。こんな立派な大企業と正面から戦ったらひとたまりもないでしょうと。その答えは簡単。勝たなくて良いし、戦わなくて良いですよ、です。そのビジネスを大企業がやっていたとして、その大企業を叩き潰す必要なんて全くないんです。

これ、スタートアップだったら確かにそういう視点はあります。数百億円のマーケットの数%のシェアを取ろうみたいな発想でいくなら、何らかの方法で大企業に勝たないといけないという面はあるでしょう。でもスモールビジネスは違います。基本的には大企業の「おこぼれ」を狙うのがスモールビジネスなんです。

大企業がやろうと思えないほど、小さなニッチを見つけてそれを拾う。ビジネス自体はほぼ同じでも、大企業が満足させられていないちょっとした不満を満たしてあげて、数百万円とか数千万円稼げればそれで良し。それがスモールビジネスの考え方です。

ちょっとだけずらす

たとえば英会話とかダイエット。どちらも大手も存在しますし「ザ・レッドオーシャン」という感じはありますが、これをビジネスとして成功しているスモールビジネスの起業家はたくさんいます。特定のターゲットであったりシチュエーション、◯◯専門というかたちでちょっとだけずらした差別化をすれば十分です。

気をつけたいのは「業界内最安!」という差別化の仕方。これは、避けた方が良いでしょう。よほど省力化・全自動化ができればあり得るかもしれませんが、そういうのは大手の方が強いですからね。薄利多売は体力勝負になるので、スモールビジネスには向きません。

言ってしまうと、差別化の要素は究極「あなた」でも良いのです。あなた自身がサービスを提供するなら、その人柄とか経験とか、そういうところでも十分に差別化できます。「(サービス内容はともかく、)あなただから選びました」と言ってもらえるのはスモールビジネスをやっていて良かったと思える瞬間です。

参入障壁がないことをやる

スタートアップの世界について学んだことがある人であれば「特許だとか技術力、ネットワーク効果などで参入障壁を作らなくては」と考えてしまうはずなのですが、それもスモールビジネスではそんなに重要ではありません。要は、わざわざ大企業があとから入ってこようと思わないようなことをやれば良い。

僕がビジネスを始めるときには、コンサル・コーチ、起業支援、コミュニティという参入障壁が全くないレッドオーシャンを選びました。需要がそこそこあって、誰でもできるけれど絶対的に強力なプレイヤーがいない(失礼)、そしてちょっと怪しいと思われている業界なので、やれそうだなと感じたからです。

「人に認められたい」を捨てる

ちょっと怪しい、に関してはもう少し説明が必要でしょう。もっと人から「立派だ」と思われるしっかりした業界が良いのではないかと思うじゃないですか。たとえば弁護士とか税理士とか。でもそういうお仕事って、立派だからこそ競合が強くて、目立った動きもしにくいのであんまり儲からないと思ったんですよね。

僕は起業をするときに「子供に説明できないことはやらない」という制約を自分に課したので、これ以上はいかがわしい領域に手を出しませんでしたが、稼ぎやすいという意味ではエロとか情弱向け商材とか、おすすめはしませんがやり方はいくらでもあります。まあ、これくらいがちょうど良かったというか(笑)。

フラスコに関しては「いっちょ、自分にしかできないことをやってやろう」という気持ちがあったので、失敗とまでは言いませんが反省はあります。「すごいと言われたい」というのはビジネスにおいては邪魔でしかありません。賞賛はされなくても、想いのある分野で、きちんと利益の出ることをやりましょう。

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