たった1つの「今日やるべきこと」に集中する
フラスコ代表、安田です。ここのところは出版もあって、僕にしてはわりとやることが多い状態になっていました。タスク管理のルーチンに救われたので、そのタスク管理の話を。
忙しさの正体
僕は、「忙しい」とか「バタバタしている」という言葉を使いません。「やることが多い」「〆切が近い」くらいの表現をすることはあっても。忙しさというのは客観的な状態ではなく、頭の中の混乱でしかないと考えているからです。「忙しい」というのは、「やることの優先順位が決められずに混乱している」だけなんです。
本当に「寝る間もないほど忙しい」みたいな状態になってしまっているのであれば、その人はプロフェッショナルとして失格です。そんな状態になることが予想できているならいくつかのタスクは断らないといけませんし、予想できていないならプロジェクト管理、タスク管理ができていないということですから。
タスク(Todo)管理の考え方ですが、人間は基本的にはシングルタスクです。ジョギングをしながら音楽を聴くくらいのことはできますが、集中して考えることができるのは1つだけです。なので、「いま、ここ」で何に集中するかを1つだけ決めるのが大原則です。
長期のタスクはNotionで
まず全体像からいきますが、頭の中にあるタスクを紙のノートに書き出すところから始めます。「そんなことをしている時間はない」と思うかもしれませんが、そんなわけがありません。30分もあればタスクを書き出すことはできますから、スマホを手放してカフェにでも行き、集中する時間を30分だけ確保して下さい。
ノートにタスクを書き出したら、それらに期限を決めていきます。明確な〆切があるもの、急ぎでやらないといけないもの、まあ今月中・今週中には終わらしておきたいよね・・・。判断基準はいろいろあるでしょうが、とにかく期限を決めていく。期限というか、期日かな。いつやるのかを決めていくんです。
それができたら、何らかのスケジュール管理ツールに入力しましょう。僕はNotionでデータベースを作り、「今日やること」「1ヶ月以内にやること」「年内にやること」「来年以降にやること」に分けて管理しています。期日が迫るごとにだんだん表示位置が上がってきて、それが可視化できるようなシステムですね。
今日やることをフセンに書く
そうしたら毎朝(理想は前日の帰宅前)、期日が今日・明日くらいのものの中からいくつか「今日やること」を決めて、フセンに書き出します。正方形のタイプ(75mm×75mm)を愛用していて、これにその日の予定と5〜6個のタスクを箇条書きで書きます。タスクが終わったら、それを横線で消していきます。
なぜ細いフセンではなく正方形のものを使うかというと、細いフセンだと1枚だけ剥がれてなくなっても気づかない(カフェとオフィスとか、移動するので)し、たくさんのフセンが貼ってあることがストレスになるからです。タスクが1つ終わったら剥がして捨てていくのも気持ち良いのですが、デメリットの方が大きい気がします。
ここでのポイントは、1つのタスクは30分以内のものにするということです。大きすぎるタスクは「どうせ完了しない」と感じて着手できないことが多いですから、30分程度の「やればすぐ終わる」ものに分ける方が進みます。実際にはそこまで厳密にやりませんが、1時間かかるものなら2つに分割するイメージです。
「ハイライト」を1つ選ぶ
5〜6個のタスクをフセンに書いたら、その中から「ハイライト」を1つだけ選びます。ハイライトは、その日どうしても終わらせたい、最重要のタスクです。これは『時間術大全』という本で紹介されています。名著なので、時間術に興味のある方は読んでみて下さい。
ハイライトは仕事である必要はなくて、「妻に花を買って帰る」とか「子供を時間通りに幼稚園に迎えにいく」などのプライベートのことでも構いません。「映画を見にいく」など楽しいことでも良いでしょう。とにかく、それができればその日は「勝ち」だと思えるような、最重要タスクを1つ選ぶんです。
ここでのコツは、本当にその日が〆切のタスクを選ばないことです。〆切だったらあえてハイライトに選ばなくてもやるはずなので、〆切が無いあるいはずっと先の、気になっているタスクを選ぶと大きく前に進める感じがします。これを毎日するだけで、すごく前倒しができるようになりますよ。
積み残ったタスクは
これらのタスク管理をやっても、積み残るタスクはあります。最低限の〆切を守り、ハイライトだけは終わらせれば、積み残るタスクがあっても良いんです。明日やることのフセンにスライドしても良いですし、先の期日を設定してNotionに戻しても構いません。
もしかしたら本当に考えるべきことは、そのタスクは本当にやる必要があるかどうかかもしれません。今日やらなくて、明日もやらなくて良い。先にずらしても結局やらないとしたら、そもそもやらなくて良いことなのではないでしょうか。そういう「永遠に先延ばしすること」を「やらない」と決めることは、重要です。
今、目の前に並んでいるタスクは、あなたの目標を達成するために「やらなくてはいけないこと」なのかどうか。ノートに書いてこれを自問自答する時間を取れば、結果として莫大な時間が生まれます。時間を有効に使いたいのであれば、考える時間を多く取ることです。時間を投資して、より大きな時間を得ましょう。