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モチベーションと自分へのご褒美

フラスコ代表、安田です。セッションで情報発信の話になり、「安田さんはどうやってモチベーションを高めていますか?自分へのご褒美はどうしていますか?」というご質問を頂いたので、回答します。結論から言うと、否定派です。

モチベーションに頼らない

そもそもですが、仕事をするときにはモチベーションに頼らないことです。これは起業家であってもサラリーマンであっても同じこと。僕は今も昔も、朝起きて「なんだか今日はモチベーションに溢れている!」なんてことはほぼありません。朝はだるいし、昼も夜もずっとやる気なんてありません。

でも本も年に1〜2冊は出しているし、イベントやセミナーも定期的にやっていて、情報発信の量だけを見てもそれなりに大量なので「安田さんはすごいモチベーションだ!」と思われるのかもしれません。いやいや、モチベーションでやっていたらこんなの、できませんよ。やる気がなくても淡々とやっているだけです。

これらは僕にとっては「仕事」なので。決まった曜日にやるとか、週に何回やると決めたらあとはひたすら、やっているだけです。朝9時になったらシェアオフィスに行くという習慣があるのでかなり楽ではありますが、「面倒だなあ」と思ってもその日やるべきことをリストアップして、ただやっているというだけのことなんです。

作業自体はそんなに楽しいものじゃない

相談者の話を聴いていると、会社の仕事がしんどいのは当たり前だけれども、起業をしたら楽しいことばかりであるはずだという思い込みがあるようです。楽しくなるまで頑張らないといけないとか、続けているのに楽しくならないとか、楽しくないからこれは自分に向いていない、だからやめたとか言っちゃう。

おかしいですよね。会社であれ起業であれ、仕事は仕事なはずです。続けていると多少は楽にできるようになったり、もしかしたら自分に向いているかも、ちょっと楽しいかもという感覚が得られることはあるかもしれませんが、そんなにやりたくてたまらなくなるほど楽しいことばかりではないでしょう。

例えば今やっている、「ブログを書く」という作業一つをとっても、そんなに楽しいものではありません。いつも書き始めるまでは「面倒だなあ」と思います。書いているうちに作業興奮で脳が活性化してくるので一種の快感に近いものはある気がしますし、それを楽しいと言えなくもないですが、基本的にやりたくはありません(笑)。

モチベーションは目的に対して

ではなぜそんな、やりたくもないブログ(笑)をやっているかというと、それは仕事だからです。これを書くことによって安田やフラスコのことを知ってくれる人が増えたり、僕の周りにいる人がこれを読んで行動に移したりすることでフラスコが活性化する。ひいてはビジネスもうまくいくという、私利私欲で書いています。

言わずもがなですがビジネスがうまくいくとお金が増えて、おいしいものを食べられたり、家族を養えたり旅行に行けたり、子供を大学に行かせることができたりするわけです。僕はあまり物欲がないので、これらが満たされたらあとはビジネスがうまくいくこと自体の喜びが得られるということが大きい気もしますが。

こんなことを書くと、がっかりする人もいるかもしれません。安田は世のため人のため、サラリーマンを救うため、誰もが自由で好奇心あふれる生き方ができる世界を創るためにブログを書いていると思いたいかもしれない。まあ全否定はしません。大きくはそういうこともありますが、目先は普通に仕事として書いていますよと。

ご褒美の効果は持続しない

それで、ご褒美の話です。「この仕事がうまくいったらブランドのバックを買おう」とか、「これをやったら飲みに行こう」みたいな自分へのご褒美をあげることでモチベーションを上げている人は多いんだと思います。でも、僕は生まれてこのかた、自分にご褒美をあげるという習慣がありません。

もともとそういう習慣がないので特に理由もないのですが、何かの本で「本を読んだ子供にご褒美をあげると、本が嫌いになる」という研究結果が出ていて、そうだろうなあと妙に納得したんですよね。読書なんて、自発的にやれば楽しいし、強制されれば苦痛になるでしょうから。ご褒美というのは、そういう効果があるわけで。

さらには、ご褒美の効果というのはドーパミン的な刺激なので効果は短期的ですし、次回はより強力な(値段の高い)ご褒美を用意しないといけなくなります。より強いクスリじゃないと効かなくなるんですね。なので日々の作業を継続することと、ご褒美というのは相性が悪いんです。

一人合宿で戦略と作業を切り離す

なので、情報発信のような作業を続けていくには、モチベーションやご褒美に頼るべきではありません。ただやると決めて、習慣と作業興奮の力を借りながら淡々とやる。「楽しいはず」というのは思い込みなので、大きな目的のためにやるべきならば、楽しくないことも「仕事」としてやり続けるとことです。

ではその「やるべきこと」はどうやって明確にするのか。これには一人合宿が良いでしょう。ノートに向かって「経営者」として、やるべきことを洗い出す。優先順位をつけて、やると決める。そうしたら、「作業者」としての明日の自分にそのやるべきこと、タスクリストをそっと渡すんです。

それを経営者としての自分から受け取った作業者としての自分は、楽しいかどうかなどは考えず、仕事としてただ淡々とやる。僕がやっているのはこういうことです。もっと楽しそうに見えていたら申し訳ないのですが、こういうそんなに楽しくないルーチンに支えられているということを伝えたいので、あえて書きました。

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