スモールビジネスがぶち当たる「売上◯◯円」の壁とその越え方
フラスコ代表、安田です。コーチやコンサルなどで起業をすると、いくつもの壁にぶつかります。ある程度一定の年間売上ごとに壁があり、それぞれ乗り越え方が違うので、解説します。
1円の壁
最初の1円、いわゆる「ファーストキャッシュ」というやつです。給料やアルバイト料ではなく、お金を自分で稼ぐということに対する壁です。ビジネスをやったことがない人にはわからないかもしれませんが、人から千円もらって何かサービスを提供するということに、恐怖を感じるんです。メンタルブロックですね。
この壁が乗り越えられずにずっと無料でサービスを提供し続け、ほとんど稼げないままやめてしまう人が多いんです。統計はありませんが、そもそもビジネスをやらない人を含めると、人類の99%以上はここに該当するのではないかと思います。まあメルカリとかは仕入れを考えると赤字なので、除くとしましょうか。
乗り越え方としては、いきなり高額の商品を売ろうとするよりも、イベントの主催で千円とか2千円を稼ぐ経験をするのが良いでしょう。お茶会とかzoom飲みで、参加者に楽しんでもらってお金を受け取るという経験を積んでいきましょう。お試しセッションをやるとしても無料ではなく、千円とかにしておくとかですね。
300万円の壁
ファーストキャッシュが受け取れるようになったら、次に当たるのはこれです。いや副業だったらこれのはるか手前で止まる人もたくさんいますが、独立起業でもこれくらいが壁かなと。全く稼げない状態から、交流会に出まくって「何でもやります!」という営業を熱心にやって、何とか仕事を貰えて忙しくなった状態です。
この壁に当たっている人の特徴としては、とにかく忙しいことです。交流会に行けば何か成果が出るので、どこかに参加していないともったいない気がして、どんどんスケジュールを埋めていきます。どんな仕事でもありがたく受けるので、ますます忙しくなっていきます。でもふと気づくと、忙しいのに収入が増えていないんです。
この壁の乗り越え方は、「商品」作り。万人受けを捨て、強い「商品」を作り、高い付加価値を狙ったペルソナに届けていくやり方に変えていく。セミナーを開催することも、時間の使い方を効率化しつつ価値を正しく届ける上では有効でしょう。この考え方の転換ができるかどうかが、壁を越えられるかどうかを決めます。
1,000万円の壁
年1,000万円、あるいは月100万円くらい売れるようになってくると、どうにか生活ができるようになって一安心ではあります。「商品」があるのにこの壁に当たるようであれば、価格か売上の安定性のどちらかに問題があります。コンサルをしていると価格を上げる余地がある人が多いように思いますが、僕の場合は後者でした。
つまり数十万円の商品はあるのに、それが月1件とか2件しか売れない。以前と比べると時間はあるのだけれど、これ以上どうやったら売上が伸びるのかわからない、と悶々とするのがこのステージです。単価を上げるとブランディングもあるので、「なりふり構わず行動量で」というわけにもいかない。手詰まり感があるんです。
数は売れているのに価格が低い人は価格を上げれば良いですが、価格を上げて手詰まりになっているなら、仕組化が必要です。情報発信からバックエンドまでの「集客のじょうご」を見直し、自然に商品が売れ続ける仕組みを考え抜き、それをやり切ることでこの壁をするっと突破できます。
3,000万円の壁
ぶっちゃけた話をするとうちは今、この壁に当たっています。商品は高額、仕組みもできた。全てがうまくいったとしても、これくらいの売上でどうしても手一杯になる。ビジネスを基本的に一人でやっていくなら、法人向けであれ個人向けであれ、理論上の上限に近いのではないかという気もします。
法人向けで月30万円としても10件のクライアント、個人向けで月10万円で30件のクライアント。うん、そんなもんじゃないのって思ってしまいます。個別対応を前提としたサービスでそれ以上の数を顧客としようと思うと体力的に無理をすることになりますし、まあこれくらい収入があれば十分だよなという感覚もあり。
果たしてこの壁を越える必要があるかないかは議論が分かれるところですが、越えていくなら発想を変えないといけません。個別サポートではなくてグループでのサポートで高付加価値を支えられるブランディングをするか、あるいは組織としてビジネスを伸ばしていける体制を作っていくかですね。
1億円の壁
お気づきのように、ここから先は僕個人としては未経験です。企業を対象とするコンサルタントの方とお話をすると10億円の壁、30億円の壁・・・とどこまでも「壁」は存在するようですが、ここから先は企業として体制を整えていくという話になるでしょう。マネジメントやら、採用・教育やらで戦う世界です。
僕が起業コンサルタントとしてサポートできているのは、1,000万円の壁くらいまでです。3,000万円の壁もいずれは越えて、そこまではダーウィンメンバーの方々を導けるようになるつもりですが、そこから先は未知数。というか正直言うと、あまり興味がありません。自分の専門にするつもりがないというか。
サラリーマン時代は数千億円の売上がある会社に融資をしていたりしましたが、コンサルタントとして全貌を理解するのはもう不可能かなと思ってしまうんですよね。社長さんや役員さんの壁打ち相手くらいはできますが、コンサルタントとして入ることはないかな・・・とか、今はそんな感覚ですね。先のことはわかりませんけど!