「学ぶ」「教える」「成功する」。誰もが「信用の器 フラスコ」を持ち、育てて、つながる10万人のコミュニティ・プラットフォーム

信用の器 フラスコ

苦手なSNSを頑張るべきか、比較優位論で考える

フラスコ代表、安田です。フラスコ代表、安田です。SNSなどの「苦手なこと」を頑張るべきか、これは起業家のみならず、サラリーマンや主婦の方であっても気になるところでしょう。経済学的な考え方をしてみます。

苦手なことを頑張るべきか

私がお勧めしていないのに、自分から「まずは(苦手な)SNSでの情報発信を頑張ります!」と言う人が結構います。これ、すごく違和感があるんです。違和感を分解していくといくつかあって、

・そもそも現段階でお勧めしていないのになぜ

・頑張るという言葉に既にできない感じが漂う

・苦手なことを頑張るのは効率的でないのでは

などなど。今回はこの一番下のやつ、苦手なことを頑張るのは効率的でないのでは、という話です。

起業塾の中には「得意なことだけやれば良い!他は全部、最初から人に任せちゃおう!」という教え方をするところもあり、まあそれがハマってうまくいく人も中にはいるのですが、これもちょっと問題があるかなと思っていて。よほど専門的なことは別として、SNSくらいは必修科目なんだから頑張れよ、と思わなくもないですし。

比較優位論

それでまあ、このことについて感覚だけで語っていても説得力がいまいちなので、経済学を持ち出して説明してみます。デヴィッド・リカードの比較優位論というのがあって、もともとは自由貿易についての理論なんですけど。自由貿易の中で、それぞれ自分の得意な分野に特化すると、お互いにメリットがありますよという話です。

ちょっと例が昔っぽいですが、イギリスは毛織物を作るのが得意で、ポルトガルはワインを生産するのが得意だと。イギリスもワインは作れるし、ポルトガルも毛織物は作れる。ただ、お互いに半分ずつ毛織物とワインを作るよりも、イギリスで目一杯毛織物を作って、ポルトガルはワインに特化して、交換すれば良いんじゃない、と。

数字はいりますか?大学でこれを習ったときは「直感的にわかるから数字いらなくない?」と思ったのですが。労働力などの資源が100あって、イギリスは毛織物1、ワインなら10資源で1つ作れると。ポルトガルは毛織物10、ワイン2だと。イギリスが毛織物を100個作って、ポルトガルがワインを50個作って、良い感じに交換するのが全体が一番豊かになるのはわかりますよね?

弁護士と秘書の話

それで、これを一歩進めたのがポール・サミュエルソンで、能力的に劣っていても比較優位は生まれることがあるという話を、弁護士と秘書の話で説明しています。弁護士が秘書を雇っていて、付加価値の高い契約書を作る仕事と、単純なタイプライターでの文字入力という2種類の、大量の仕事を同さばくかという設定。

さっきの資源100の話でいくと、弁護士は契約書を5の資源で1枚、タイプライターの入力を5の資源で1枚作成できると。秘書の方は契約書は50、タイプライターは10だと。この場合でも、弁護士はタイプライターの入力という単純作業を秘書に任せ、自分は契約書に特化した方が良い(契約書20枚、タイプ10枚)という結論になる。

秘書よりも弁護士の方がタイプライターが得意であっても、「比較優位」が成立する契約書の方に特化した方が良い。まあ細かな設定は省略したので、仕事量や単価によっては弁護士がタイプライターを打つケースもあるかもしれませんが、要は「人は自分が一番得意なことに集中して、他の人とその価値を交換すべきだ」ということです。

みんなが得意なことに特化するのが理想

実は今まで書いてきたことには前提があって、それは自由貿易が成立しているということです。イギリスとポルトガルが戦争をしていたり、高い税金をかけたりすると話が変わってくるのです。相手を絶対的に信頼できるなら、一番メリットが大きな状態になりますよと。自由貿易万歳!ってことですね。

これは、コミュニティ経済がうまくいくための理論的根拠にもなりそうです。大企業の中ではそれぞれが「得意なことに特化」まではできていないにせよ、この「貿易」がかなりできているのですが、それぞれが独立して自分の一番得意なことを仕事として選んで特化して、それを交換するためのコミュニティが成り立てば・・・。

世界の生産性は、爆上がりしそうです。ただまあ今のところは会社の方がここの交換の効率が高いとみなされているし、DAOなどの新しい形のコミュニティの実験もなされていますが、まだまだ課題はあります。ただ理想は、そこにあるということですよね。

じゃあ、苦手なことは一切やらない?

ちょっと話がそれました。確かに、誰もが得意なことに特化して、苦手なことはそれが得意な人にやってもらって、生み出した価値を交換するのは理想です。ただ残念なことに、そこまでまだマーケット(コミュニティ)での交換はスムーズではありません。クラウドソーシングなど、かなり良くなってはいますが。

そしてもう一つ。就職をしたばかりとか起業をしたばかりの人であれば、あなたの得意なことはまだ、はっきりしていません。単に、まだあまりやったことがないから自信がなくて、それを「苦手」と表現してしまうのは問題があるかなと。「SNSが苦手」はさすがにちょっと、食わず嫌いすぎる感じがします。

起業したばかりのときは、SNSと交流会くらいしか集客の手段がありません。それを「苦手」というのはあまりにももったいない。だからまあ、ある程度はやりましょう。私はSNSも交流会も得意ではありませんが、それなりにやっています。そして、どうやら得意である出版に、軸足を移してきたところです。そんな感じかなと。

なので、決して頑張る必要はありませんが、SNSくらいは普通にやりましょう。10月7日のフラスコビジネスアカデミー定例セミナーは「オウンドメディア」がテーマです。「いろいろありすぎて何から手をつけて良いのかわからない」「やろうと思っているけどなかなか動き出せない」という方は良いきっかけになるので、ぜひぜひ。

ゼロからコーチングで時給1万円稼ぐセミナー
公式イベント 詳細はこちら
コミュニティー・プラットフォーム 信用の器 フラスコ説明会
フラスコノート会
フラスコ交流会

メルマガに登録する

* indicates required
夢とお金の彼方