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信用の器 フラスコ

フラスコが前提としている5つの「あり得ない仮説」〜人への期待が高すぎるサービスは失敗する〜

フラスコ代表、安田です。作ったとき、フラスコは爆発的に拡がるはずだと思っていましたし、今でもそうなると良いなとは思っているのですが、実際にはじわじわと伸びている感じです。これはサービスの前提条件が強すぎた、すなわち「人への期待が高すぎた」のだと理解しています。

仮説1:人は自由になりたいはずだ

これはフラスコだけでなく、ダーウィンなど私がやっている全てのビジネスの大前提です。自分がそうだったように、サラリーマンは現代の奴隷であると感じている人、一度しかない人生は自分で舵を取って生きたいと考えている人が、きっと一定数はいるだろうと。もちろん今でも、そうだと信じてはいるのですが、思ったよりその割合はずっと低いのかもしれません。

自由と安定はどちらかしか得られないものでもありませんが、ある程度は対になった概念であり、安定を大切にしている人は思っているよりもずっと多いのだなと感じています。自由の価値を伝えることから、始めないといけないのだなと起業をしてしばらく経ってからようやく、理解しつつあります。

仮説2:自由になりたければ起業するしかない

自由を求めるからといって、起業をするという選択肢は私が考えているよりも一般的にハードルが高いんだなというのも感じています。「恥ずかしい」「断られるのが怖い」「お金を受け取るのが怖い」といった起業に対するメンタルブロックは高く、こんなのは行動すれば外れていくのですが、その行動することに対する抵抗感がすごく高いんですよね。

私に言わせれば、副業から始めれば全くリスクはありませんし、むしろ国も大企業もこぞって副業を後押ししているような今の状況でさえ、行動に踏み切る人のなんと少ないことか。まあこの辺も本当に、少しずつ氷が溶け始めたのかなとは感じているのですが、かなりの時間がかかるようです。

仮説3:リスクの少ない起業法を選ぶべき

今の時代に起業をするのなら、設備投資をしたり人を雇ったり在庫を抱えたりする必要のある、つまりリスクの高い事業は避けるべきです。例えばコンサルタントやコーチはリスクなく起業できる典型例で、多くの人がこの考え方をするのだろうなと思っていました。しかし実際には、この時代にあえて店舗を構えるなどのリスクの高い事業を選択する人が跡を絶ちません。

これは単にサラリーマンなどのビジネス経験のない人が間違えているというだけではなく、実際にビジネスをやっている人たちも同じようにあえてリスクを抱えるタイプのビジネスを選択し、その結果として苦しみ、失敗していったりしているのです。不思議でたまらないのですが、それが現実なのだとようやく理解しつつあります。

仮説4:起業したら当然、セミナーは主催する

せっかくコンサル・コーチといったリスクの低いビジネスを選択したにも関わらず、セミナーをしない人もたくさんいます。それどころか、イベントの主催すらしない。人が主催する交流会に参加して「紹介して下さい」と言い続けるだけというやり方の人が、これもたくさんいます。それではうまくいくはずがないと思いますしあまりうまくいっているようにも見えないのですが。

お互いに紹介をし合うという仕組みにお金を払って参加する。毎週参加して、教育を受けて、貢献して、それで仕事を貰う。それも悪くはないのですが、それよりは自分で仕組みを作った方が効率的ですし、その活動が大変すぎて仕組みを作るエネルギーや時間がなくなってしまうなら本末転倒だと思うのです。何よりその道は、自由へとつながっていない気がしてなりません。

仮説5:強みを活かして、きちんとした商品を作る

ビジネスで成功するためには、きちんとした商品を作るしかない。最初はどこかの団体に属したり、人の商品をあつかったり交流会に出たとしてもいずれみんなそのことに気づくはずだ。自分で商品を作れる人は作ったら良いし、助けが必要な人にはダーウィンでサポートを提供しよう。これでみんなうまくいく。フラスコにはあらゆるジャンルの専門家が揃うはずだ・・・。

しかし実際に起業をしてから目にしてきたのは、全く強みのないコモディティを平気で扱う圧倒的多数の人たちの姿でした。強みがないのでお付き合いを重視し、あらゆる交流会に出席し、二次会・三次会で酔った勢いで仕事をとる。「時間があったらセミナーもやってみたい」という感じで、優先順位が全然、当初の想定と違いました。

人への期待が高すぎるサービスは失敗する

なので、起業して今までやってきて学んだことは「自分が当然と思うことは他人にとっては当然ではない」し、「他人が合理的に行動するという前提、つまり他人への期待が高いサービスは失敗する」ということです。拡散するサービスを作りたいなら、人は成功したかったらそれなりに努力するだろう、というような前提はできるだけ取り払うべきです。

その意味でフラスコはある意味で失敗したサービスだと思っていて、まあ結果としてすごく質の高い人が集まっているので価値があるなとは思ってはいるのです(なので解散したりはしません)が、少なくとも当面は爆発的な急成長はしないでしょう。あなたも新しいサービスを作るときには、人への期待が高くなりすぎないように、気をつけて下さいね。

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