「忙しい」時の対処法 〜ときには「先送り」をするのも有効〜
フラスコ代表、安田です。私は「忙しい」なんていうのは気のせいだと考えていますが、それでも重要なタスクがいくつもあって気持ちが焦る(いわゆる「忙しい」)こともあります。まさに今がそうなのですが、こういうときどうしているかなという対処法をまとめておきます。
タスクを書き出すのが基本
「忙しい」状態というのは、一種の混乱状態です。「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」とばたばたとしてしまって、冷静さを失うことからトラブルが発生しやすくなり、それがまた「忙しさ」を加速させます。仕事が手についてないというか、目の前のタスクに集中できていないんですよね。つまり、脳が混乱しているということです。
すごく基本的なことではありますが、こういうときほどタスクを書き出す効果は高いです。向こう1週間とか、できれば1ヶ月くらいを見通してやるべきことを大小関わらず全て、書き出しましょう。今日やることは、フセンを使うのもお勧めです。書き出して、終わったら消していく。これだけで頭の中がすっきりして、すごく楽になります。
優先順位を決める
これも誰もが言うことだとは思いますが、タスクにそれぞれ優先順位を付けて、どれから先に着手するかを決めましょう。ここでのポイントは、単に「重要か、重要ではないか」の色分けをするのではないということです。もちろん重要でないタスクは先延ばししたり、やらなければ良いのですが、優先順位を「決める」と言っているのはそれだけではありません。
重要なタスクの中でも、本当にすぐに着手しないといけないものを「決める」のです。優先順位が最高のもの以外のタスクは、重要であるにも関わらず期限を延ばしてもらったり、ときには断る必要があるかもしれません。「徹夜で仕上げる」というのは最悪の意思決定なので、そうならないようにできるだけ早くタスクをコントロールしておくことは、最優先のタスクです。
人に依頼するところを最初に
なので、早めにタスクを書き出して把握しておくことはとても重要です。それにはもう一つ、可能なら「外注する」という選択肢を増やす意味もあります。誰かにお願いできるようなタスクであっても、直前まで引っ張ってしまうと、もう自分でやるしかないということになりがちです。面倒ですが、他の人への依頼事項は最初にやっておくべきです。
ビジネスであれば何らかの形で他の人を巻き込んでいるはずなので、チームにできるだけ迷惑を掛けないことは優先順位が高いです。それこそ最後はあなたが徹夜で片付けるのだとしても、他の人に徹夜を強いてしまうのは最悪の最悪です。計画性のない人だということで大きく評判を落とし、何も残らないということになるでしょう。
ひとつひとつ、片付ける
タスクを書き出して優先順位を決め、依頼できることをしてしまったら、あとは目の前のタスクをひとつずつ順番に片付けていくだけです。あれもこれもと欲張ってはいけません。人間の脳はシングルタスクで、脳の同じ部位を使ったマルチタスクに対応していないので、一つのタスクに絞って集中しましょう。他のタスクのことを忘れるために、紙に書き出したとも言えます。
ここで誤解がありそうなところを書いておくと、タスクというのは「プロジェクト」のことを指しているのではありません。例えば本を書くというプロジェクトがあったとしたら、「構成を考える」「目次を書く」といったことがそれぞれタスクに該当します。ですから本の〆切が1ヶ月先だとしても、今日「目次を書く」タスクに集中するというやり方はあり得るわけです。
ゆっくり休んで、良く眠る
タスクの整理だけしたら、思い切って早く帰って心身を休め、充分な睡眠をとることも有効です。とかく忙しくなると睡眠を削ったり「作業」をし続けて疲れた状態になりがちで、そうすると酔っ払っているのと同じように、効率が落ちます。切れない斧で木を切り続けるのであれば、しばらく手を止めて斧の刃を研いだほうが良いというあれですね。
私の場合は疲れたときにはたっぷり睡眠さえとれば頭のキレは戻るので、忙しいときほど良く寝るようにしています。人によっては飲み会に行けば元気になるということもあるかもしれませんが、それで効率が上がるならそれも良いでしょう。私はお酒を飲むと大きく効率が落ちるので忙しいときには飲みませんが。
未来の自分に「先送り」する
優先順位の整理で一番重要なことは、「やらないことを決める」ということです。そもそも重要度が低いタスクを受けないことが全てなんです。もう少し細かく言うと、「今すぐはやらないことを決める」ことも有効です。本当の〆切を良く考えて、今日やることと3日後にやることを分けたら、後者は3日後の自分を信じて任せる「先送り」をしましょう。
そのタスクを実行する時間を決めることで、タスクのスケジュール化をするとすっきりします。今、あれもこれもやらなくてはいけないという状態から、今はこれ、明日はこれ、そして3日後の何時にはこれ、というようにスケジュール化して、シングルタスク化しましょう。そしていつも目の前のタスクに集中していれば、「忙しい」という状態にはなりません。
忙しさとは気のせいだ、というのはこういうことです。なんとなく、伝わりましたでしょうか。詳しくは『ノート時間術セミナー』というのをやっているので、気になった方は遊びに来て下さい。忙しさから、卒業しましょう。