1,650円のビジネス書は「高い」のか?
フラスコ代表、安田です。ありがたいことに『自分を変えるノート術』は好評を頂いており、発売1ヶ月経たずに重版が2回かかり、書店さんでも大きく展開して頂いています。1,650円という決して安くない本を買って頂いたみなさまには、感謝しかありません。
「なかなか強気の値付けですね」
最近、本を持って交流会に行っています。いわゆる手売りですね。「安田さん、本の手売りなんてするんですね!?」と驚かれましたが、この本の価値を多くの人に届けるためにできることはなんでもします。あんまりそういう泥臭いことをしないイメージがあるのかもしれませんが、やりますよ。
一時期、キングコング西野さんがめちゃくちゃチケットや本の手売りをしていて、ホリエモンさんも本を出したら書店回りをしていたりして、そういう方々の行動を観ていると「やるべきことを、ちゃんとやる」のはすごく重要なのだなと気付かされます。影響力のある人ですらやっていることを、無名の著者がやらない理由はありません。
そうやって交流会に行ったときのこと、今回の本ではないのですが「1,650円?!なかなか強気の値付けですね」と面と向かって言われたことがあって。少し驚きましたが、でも言われてみるとビジネス書ってマンガや小説と比べて高いですし、古典と比べると薄いのに割高な気もします。まあその人は、自費出版や電子出版の1,000円くらいのイメージがあったのかもですね。
さくっと読めるので逆に
私の本は、「読みやすい」と言われることが多いです。特に今回の『自分を変えるノート術』はあまり本を読まない人でも読み切れますし、普段から本を読んでいる人なら1時間くらいで読破してしまうでしょう。これは私自身の体験としても言えるのですが、あまりにさくっと読めてしまうと逆に、払ったお金がもったいなかったような気持ちになるものですよね。
それこそ古典であれば、同じくらいの価格の本でも1ヶ月くらいかけて、噛み締めながら読むことができますから、お金は減りません。ものによっては難解すぎて途中で放り出してしまうこともあります。本棚や机の上には買ったけれども読んでいない本がどんどん「積ん読」されていきます。これ、買ったことによる満足感以外には何も得られていないですよね。
行動できるなら安いもの
読みやすいビジネス書、特に自己啓発書はさくっと読めて楽しくて、ちょっと自分が成長したような気分になります。ただまあこれは栄養ドリンクのようなもので、せっかく読んでも行動できなければ、寝て起きたらまた昨日と同じ自分のままというのはよくある話です。楽しいというのも自己啓発書の効能の一つだとは思うのですが、それだけだともったいないなと思います。
私もサラリーマン時代、いやそれどころか学生時代からさんざんそういう経験をしてきて、「良い自己啓発書というのは、行動につながる本だ」という考え方が確立してきました。何か一つでも具体的な改善につながる気付きがあって、行動につながりさえすれば、1,650円であろうが1万円であろうが迷わず「本は安い」と断言できます。
今回の本は、そういう意味では読んで行動できる人がとても多いなと感じています。「ノートを持ってカフェに行き、30分からの一人合宿」と行動のハードルを思い切り下げたのが良かった。この点は編集者さんに感謝です。私一人で書いたらもっとマッチョな、「人生を変えたいならちゃんとやれよ!」みたいな本になっていたと思います。
本代は惜しまないと決めた
思えば私は、大学生のときに「どんなにお金がなくても、本にかけるお金だけはケチらない」と決めました。多分ですが、何かの自己啓発書にそう書いてあった影響でしょう(笑)。そもそも本を読まない人もいれば、本は図書館で借りるものだと考えている人もいますし、今だと電子書籍読み放題のサービスで事足りると考える人もいるでしょう。
それが悪いとは言えません。別に本なんて読まなくても、幸せに生きることは可能だと思います。ただ私は、なぜだかそう決めたんです。私にはそういう、決めたルールを守るところがあって、他には中学生のときに「タバコは吸わない」「パチンコはしない」と消めて、これらは一回も手を出していません。意志が弱いので、始めたら止められないと思って決めたルールです。
なので「この本は良いな」と思えば、3〜4千円の本であっても即、買います。5千円を越えてくるとためらいますが、しばらく考えたとしても結局、買います。お金を出したからには元を取ってやろう、というがめつい気持ちが働くのも行動を起こすにはプラスになると考えているので、人から本を借りることはほぼありません。
人生トータルの収支で言えば
今まで何度も、これってどうなのと考えました。本なんて読まなければ、もっとお金に余裕のある人生が送れているのではないかと。特に若い頃、サラリーマンだった頃は、収支が合っていないような気がしたものです。本なんて読んでも、給料が上がるわけでもないですしね。変に意識を高めれば、人とのコミュニケーションでは、害になることすらあります。
しかし今となってみれば、本を読みまくってこなければ会社を辞めて起業することはできなかったと確信していますし、ましてや絶対に本を書くことなんてできませんでした。本の印税で今まで読んできた本の「元を取る」ことは到底できないとは思いますが(笑)、それでも私の人生は大いに豊かになったと感じています。
だからまあ、『自分を変えるノート術』の1,650円が高いなんて言わないで下さい。著者としては、悲しい気持ちになります。読んで楽しい気分になるだけでもトントン。読んで行動をする人にとっては、めちゃくちゃ安い投資ですからね。