夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
私が起業をしたのは、一つにはこのままサラリーマンを続けるのは危険だと考えたからです。もはや定年退職をして悠々自適という生活が期待できない中、自分でお金を稼ぐ能力が無いまま歳をとっていくことが如何に危険か。考えてみましょう。
平均寿命は伸び、今後30年で100歳になる
様々な研究者が、今後30年程度で平均寿命が100歳になるかもしれないと発表しています。実績として医学の進歩により平均寿命は年々伸びており、今後も伸びるトレンドにあることは間違いありません。あなたが100歳まであるいはもっと長く生きてしまう確率は、高まっているのです。
「いや、自分は80歳で死ぬから良いんだ」とかそういう話ではありません。これは「長く生きるリスク」です。長生きは基本的には人生にとっては良いことですが、経済的には大きなリスクです。あなたは100歳まで生きるために十分な資産を、定年退職までに準備することができますか。
年金の受け取りは期待できない
今の若い人が受け取ることのできる年金額については様々な議論がありますが、それらを詳細に検討するまでもなく、それだけで生活できる程の十分な金額を受け取ることは絶対に不可能です。平均寿命が伸びれば受給対象者が増え、一方で支払う方は増えませんから、あっという間に仕組みは崩壊します。
これだけ高齢化が進む中で、賦課方式を維持しようとすることに無理があります。かといっていまさら積み立て方式に移行するにも莫大な財源が必要になりますから、どうやっても制度は維持できません。「年金を払わない」とは言わないでしょうが、金額は大幅に減額されることが火を見るよりも明らかです。
国家財政は破綻する
増え続ける社会保障費、医療費により国家財政は確実に破綻します。現時点で既に国の借金は1,000兆円を超えており、単年度の収支は大幅なマイナスです。もはや、デフォルトするか、ハイパーインフレで目減りさせるか、大増税をするかで個人の金融資産1,400兆円を召し上げるしかないという状況です。
ハイパーインフレや大増税があれば、あなたが蓄えてきた貯金や資産が、紙くずになるかもしれません。銀行預金は一見リスクが無いようで、インフレにはとても弱いアセットクラスです。いざとなったら預金封鎖、という非常手段もありますから、決して安全ではありません。
会社が倒産するリスク
勤務先の会社が倒産するかもしれません。漫然とサラリーマンを続けていたら、自分でお金を稼ぐスキルは身に付きませんから、路頭に迷うことになります。若い頃なら再就職すれば良いだけの話ですが、40代後半とかに会社に倒産されると、手の打ちようが無くなります。
うちは絶対に潰れない?かつてのJALが、東京電力が、シャープが、ソニーが、こんな状態になると予想できたでしょうか。どんなに盤石に見える会社でも、10年後・20年後はどうなるか読めません。変化に対応できない状態に自らが置かれているのは、危険です。
濡れ落ち葉と熟年離婚
そして、これらのリスクを全てくぐり抜け、めでたく定年退職を迎えたとしましょう。そのとき、あなたには何が残っているでしょうか。サラリーマンとして家族を顧みずに滅私奉公をして、奥さんとの心は通わず、仕事も無くなり、趣味も無く、「濡れ落ち葉」としての余生ではないでしょうか(ここではやや極端に言っていますが、そういう兆しはありませんか?)。
何とか食べていけるだけの資産があったとしても、残りの人生は残酷なまでに長いのです。それでも幸せだと、本当に思えるでしょうか。健康であれば、お金があってもすること(社会との接点)がないと、辛いですよね。老後に仕事が無いというのは、精神衛生上も大きなリスクだと思うのですが、いかがでしょうか。
リスクヘッジとしての起業
人生計画を立てる上では、これらのリスクを考慮に入れる必要があります。もちろんこれらのリスクをヘッジする方法は一つではなく、株や不動産などのインフレに強い資産を保有したり、海外に分散をしたり、副業をする、趣味を充実させる、ワークライフバランスを取るなどしてリスクを分散する方法はあります。今の仕事を頑張るというのも、それはそれで立派な手段の一つです。
私は、これらのリスクをヘッジする手段として、起業をするのが最上の手段だと思い至りました。稼ぐ手段と能力を身に付けて、一生現役でいられるようにしようと。その基盤を整えた上で、仕事と家庭、趣味のバランスは今から整えていこうと。全てのことを定年退職後に先送りせず、今から始めようと考えました。
正直、どっちが正しいのかは確信まではありません。ただ、私にとってはこっちが正解という直感はあります。自分の頭で考えて自由に仕事ができることなどを合わせて考えれば、サラリーマンを続けるという選択肢はやはり、無かったなと感じます。あなたの場合は、どうでしょうか。それでは、また。