夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
いつまでも合コンやネコの事を書いていても仕方ないので、専門分野の話をしましょう。あなたがお金の不安を抱えているとしたら、それは恐らく「先が見えないから」です。これは、個人であっても法人であっても同じです。
老後が心配なのは「見えないから」
老後の事を話すとホリエモンが笑うという諺がありますが、確かに老後の心配をしている若者が増えたように感じます。年金も貰えないし、貯金も家も無いしということなんでしょう。サラリーマンとして真面目に働けば豊かで安心な老後が待っている、というモデルが崩壊したことは間違いありません。
実は、老後について一番若者を心配させる点は「年金が貰えるのか貰えないのか、いくらもらえるのかわからない」というところです。もっと言うと、自分がどんな健康状態で老後を迎えているのか、給料は増えるのか減るのか、会社をクビになったりするんじゃないか・・・不確定要素が多いので不安になるんですよね。
ちなみに私は、老後の不安はありません。なぜかと言うと、年金は貰えないと思っているし、老後も働く(もしくは収入が入る仕組みを確立する)つもりだからです。仕事を辞めて悠々自適するつもりがなければ、「老後」なんているステージそのものが無くなると考えているんです。
厳しい事を言えば、老後が見えないとか不確定要素が多くなるのは、国家にぶら下がろうとするからです。何とかして貰おうとするから、自分でコントロールできるところが減って、見えなくなるんです。見えなくなると、不安になるんです。依存心が高ければ高いほど、不安になるということです。
貯金はいくらあれば十分なのか
「貯金が少ないので不安です」という人がいます。では、いくらあれば不安は無くなりますかと聞くと、まず答えを持っていないです。そりゃ、10億円あれば1%の金利でも毎年1千万円の利息が得られるので十分でしょうが、そこまで貯められるはずもないですよね。つまり、貯金は1千万円でも、5千万円でも不安なわけです。
同じように保険金額がいくらだと安心とか、給料がいくらあれば十分とか、これらは全て、感覚論で語っている限りは「常に不足している」という結論になるのです。不安を生み出すものは金額ではないんですよ。見えないから、わからないから不安になるんです。
夢・目標を先に決める
人生計画・ライフプランを作る際には、まず夢や目標を決める事が大切です。何のために生きるのか。田舎でのんびり、魚を釣って生きる事がゴールなら、必要なお金はいくらでしょうか。世界一周旅行ができれば死んでも良いなら、いくら必要でしょうか。起業をするなら、それまでにいくらあれば良いですか。
よく考えてみたら、あなたが思うほどお金は必要ではないのかもしれません。私の場合、3年間は売上がゼロでも良いという状態が作れれば許容可能なリスクで起業ができると考えたので、それは会社を辞める際の強力な根拠の一つになりました。
お金を貯めるにも、運用するにも、根拠となる目標は必要です。「多ければ多いほど良い」と漠然と考えていると、お金を無駄に使ってしまったり、運用のリスクを取りすぎたりして失敗しやすくなります。なので、夢・目標を先に決めることは、資産形成上とても重要なことです。
足下のキャッシュフローを理解する
そして、クライアントさんが驚くほどできていないこととして、「足下のキャッシュフローが把握できていないこと」が挙げられます。毎月いくら給料を貰って、いくら社会保険や税金で抜かれて、可処分所得としていくら残り、そこから生活に必要な金額を除くと毎月いくら使っていいか。これを説明できる人は極めて稀です。
収支は把握はできていなくても、天引きで貯金をしていればお金は貯まると考えている方も多いと思いますが、収支がマイナスだったらどこかから取り崩してきて使うでしょう。そういう状態だと「思ったほどには貯まっていないな」ということになります。
何か欲しいものがあるとき、アクセルを踏むのもブレーキを踏むのも、全て勘に頼るしかなくなります。インジケーターが無いんですね。お金の出入りを把握するのは、経営の基本でもあります。でも安心して下さい、経営者の方であっても、これができている人は少ないですから。どんぶり勘定でやっている会社が多数派です。
捨てるものを決める
足下のキャッシュフローが見えたら、もう少し長い目で見て、お金の出入りを把握しましょう。年間の会費や固定で支払っている料金、無駄はありませんか。本当に使いたいところに、「投資として」お金を使えているでしょうか。削る費目を考えずに、何となく少しずつ消費が増えている部分はありませんか。
更には、人生全体の収入の変化や支出、イベントを把握して、キャッシュフロー計画表を作りましょう。もちろん、30年後の収入や支出をぴたりと当てることはできません。でも、予想し、計画しておけば変化があったときに修正が可能になるんです。それがないと、変化があったことすら気付くことができません。
取るリスク、ヘッジするリスクを考える
で、長々と書いてきましたが、ここまでやってようやく投資や保険のことが考えられるはずなんですよ。会って5分後にそういう話を始める営業マンを信じない方が良いです。自社の商品を売りたいだけで、あなたの人生と向き合っていないわけですから。
向こう1年間でいくらのお金を失っても大丈夫なのか(リスク許容度)、いくら増やす必要があるか(目標利回り)、死亡や病気などのイベント発生時にお金が不足する可能性のあるタイミングはどこか、などを「見て」リスクを取ったりヘッジしたりということを考えるんですよ。
一番の問題点は、こういうことを自分の頭で考える事を何となく「嫌らしい」として避けてしまう人が多いことだと思います。だからこそ、お金の専門家がお役に立てるわけですけどね。それでは、また。