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起業家は財布の紐を握れ

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

以前、『起業家のための資産形成5箇条』という記事を書きましたが、その中の一つを掘り下げます。5箇条の中でもっとも重要と思われる項目「起業家は財布の紐を握れ」です。

財布の紐を握る、とはどういうことか

オブラートに包まずにズバリ言ってしまうと、「結婚したら小遣い制にはするな」ということです。月3万円のお小遣いで何とかランチを食べて飲み会も行って・・・なんてやりくりしているお父さんを見ると、悲しくなります。これは、5万円でも10万円でも、例え無制限に貰えるとしても、小遣い制は起業家向きではありません。

家計からお金を貰う形ではなく、家計にお金を入れる形にして下さい。その結果、手元に3万円しか残らなかったとしても良いのです。お金を貰うのか入れるのかでは、長い年月で雲泥の差が出ます。あなたがこれから結婚するのであれば、このことを、結婚する前にきっちりと奥さんと話し合い、勝ち取って下さい。

何となく当記事は男性を意識して書いていますが、あなたが女性であれば以降の文章では奥さんを旦那さんに読み替えて下さい。共働きでも、基本的には財布の紐を握るべきである理由は同じです。

財布の紐を握る必要性

財布の紐を握ることの唯一にして最大のメリットは、意思決定が自分でできることです。ビジネスを育てるために使うお金を、都度誰かと相談しないと決められないのでは、スピード感が大幅に失われます。経営者としての勘は正しいと確信している投資を、「高い」という理由で止められてしまえば事業そのものが止まります。

家計は10円、20円を節約している中で、長期的な投資を正当化することは難しいんです。仮に合理的に説明できたとしても、感情面からストップがかかってしまうこともあるでしょう。そういう状態(つまり小遣い制)は、長期的なビジネスを展開していく上で著しく不利です。

国家運営でも、圧倒的な力の持つのは財務省でしょう?これは、財布の紐を握っているからです。お金がないと、事業が何もできないからですよ。ちなみに我が家は、財務大臣は私です。総理大臣は妻かもしれませんけどね。

個人と法人(会社経営)の金銭感覚の違い

例えば経営をしていく上で必要となる投資やセミナーへの参加は、家計から見ると大きな金額が必要となります。小さな規模の事業であっても50万円の投資、40万円のセミナーなんてざらにありますから。家計の管理をする人と、事業のお金を管理する人は、分けた方が良いでしょう。

そこを分けておけば、事業が軌道に乗っても家計が放漫になることを避けることができますし、家計の問題が事業に与える影響を最低限にできます。なので、家計までも細かく口出しをすることも、それはそれで避けた方が良いのです。金額を決めたら、あとはパートナーに任せましょう

奥さんが経理部長になる場合の問題点

会社の経理を奥さんにやって貰うという会社も、小企業では多いですよね。旦那さんがお金のことは苦手で、奥さんが金銭面は細かいという適性がある場合もあるでしょう。仮にそういう場合でも、私は奥さんに小遣いを貰うことをお勧めしません。あくまで、事業のお金のことは事業主であるあなたが把握しているべきです。

最初のうちは経理を手伝って貰っても構いませんが、会社が大きくなればプロに置き換わる仕事です。奥さんが経理部長のままでは会社は育ちません。何より、会社経営が息苦しくなります。仕事上のお金のことでトラブルが起こっても(良く起こります)、逃げ場がありませんよね。家に帰っても奥さんとは一緒なんですから。

なので、家計を任せて、経理も手伝ってもらっても構いませんが、だからといって小遣い制にはしてはいけないということです。大きなお金の流れは、ご自身でコントロールして下さい。

時既に遅し・・・どうすればいい?

そうは言っても、もう結婚して小遣い制になってしまっているし・・・というのが、セミナーでこの話をした時の大多数の方の反応です。しかし、本気で起業を考えているなら、ここは重大な問題です。依然の記事で書いた、妻へのプレゼンをやってみるのも一つの手です。お金があっても飲み歩いたりしないという、信頼感も重要です。

それでも後から財布の紐を全て握るのは難しいかもしれません。それなら、事前の策として年間の投資枠を設定するというのはいかがでしょうか。奥さんは会社の大株主だと思って下さい。経営者であるあなたは、事業計画のプレゼンをします。そして、例えば今年度は100万円を上限にセミナーや投資を行う、と宣言するのです。

これは大企業では良くやるやり方です。投資枠を設定して、決裁権限を引き下げることによって機動的な意思決定ができるようにするんですね。1億円を投資するのにいちいち役員会議を招集していては、間に合いませんから。

お金のことは苦手意識を持っている人も多い(だからお金の専門家はニーズがある)のですが、大事なことですから、積極的にコントロールしていきましょう。それでは、また。