夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
サラリーマンが起業家を目指すとき、どうやって資産形成をしていくか。方法論は色々とありますが、まずは心構えというか、大きな仕組みの話からしてみます。
1.起業家は財布の紐を握るべき
セミナーでこれを喋ると、会場全体が「うわぁ〜っ」という雰囲気になり、声にならないため息が聞こえてくるような気がします。それだけ、「小遣い制」のお父さんが多いんでしょう。でも、月の小遣いが3万円とかになってしまうと、もう前向きな投資はできないですよね。
小遣い制からの脱却が難しいとしたら、せめて事業用の資金を確保しましょう。事業準備にかかるお金は浪費ではなくて投資なのですから、そこのところはきちんと説明した上で奥様から「投資枠」を貰うということです。セミナーに出たり、デバイスを買ったりする度に誰かの承認が必要だとしたら、事業のスピードは大きく落ちます。
起業を志すのならご自身が財布の紐を握ること、財務大臣であることは非常に大切です。ちなみに我が家は、しっかりと私が財務大臣です。あいにく、妻が総理大臣ですが(笑)。例えその他の権限は全て譲っても、予算権だけは確保して下さい。
2.起業家はマイホームを買うな
これは、以前の記事でも書きました。事業を展開する上でのローン付けに影響がある場合があることと、生活のレベルをコントロールしづらくなることから、できれば起業家はマイホームを買うべきではありません。買うにしても、手が届くぎりぎりの高額物件を買うことは控えるべきです。
マイホームの価格には「サラリーマンの夢プレミアム」が乗っています。厳しい言い方ですが、5千万円の土地付き一戸建てであれば、感覚として1千万円くらいは「夢プレミアム」です。使用価値ではなくて、満足感にお金を払っているんです。純粋な投資としてはその値段では買わないんじゃないかな、ということです。
繰り返しますが、マイホームを買えるだけの借入余力があるのなら、それは投資用不動産に向けるべきです。金持ち父さんではないですが、マイホームは負債であり、投資用不動産は資産です。この2つは似ていますが、全く別のものですので、どうかご理解下さい。
3.起業家は銀行預金をするな
銀行に口座を開かず現金で持っておけ、という意味ではありません。漫然と給料を貰い、必要なものを買い、残ったお金を何となく銀行に預けるというそのフローに問題があるということです。
まず、銀行預金の金利がいくらかご存知ですか。銀行によっても異なりますが、0.25%くらいですよ。今の時代、ほとんど「金利がない」んです。それで「良し」としている段階で、私はその人の経営者としての資質に疑いを持ちます。余剰のお金にも働いて貰う、少しはマシな投資先を探す、というのは経営者の基本姿勢でしょう。
株に投資すれば他社のことや他業態のことがわかりますし、不動産に投資すれば税制の勉強にもなる。REITは、ETFは、外貨建の商品は、とアンテナ高く調べることで、多様な知識が身に付くのですから、何も投資をしないという選択肢は、少なくとも起業家にはないはずです。
4.起業家はケチと呼ばれるくらいが良い
これは経営コンサルタントとして経営者の方と接する中で感じることなのですが、面倒見が良くて気前が良い人が経営者として成功しているかというとそんなことはなくて、ケチでしっかりしている人の方が成功しているという傾向があります。直感には反しているのではないでしょうか。でも、どうやらそうなんです。
経営の世界は厳しい競争なので、気前の良い、お人好しのタイプはつけ込まれるということなのかもしれません。「うちの社長はケチだ」と言われている会社の方が、うまくいっていることが多いんですよね。これはもう、世の中そういうものなのだとしか言いようがありません。
5.起業家は年収よりも低い水準で生活せよ
100の給料を貰ったら、まあそこから税金を取られて70になったとしたら、70の生活をしてはいけません。50か、できれば40くらいに生活のレベルを予め抑えておくべきです。
起業をしたら、当初はどうしても収入が50くらいにはなりますからね。その時、70の生活をしていたら50の生活にはできません。人間は、一度上げた生活のレベルを下げることができないんです。それまでは40の生活であれば、40の生活のままで良いわけです。この場合、苦しいという感覚はありません。
それには、毎月一定額を天引きで投資に回すのが一番です。ボーナスが出たら、原則全額を投資です。「次のボーナスでは何を買おうかな」という発想自体が既に、負け組です。消費は習慣化しますから、ボーナスは使うものだ、という「習慣」ができてしまうんですね。投資するか浪費するか、当たり前ですがそれで大きな差が付きます。
以上、全ての主張に科学的な根拠は無く、主観に基づいてはいるものの、かなりの部分で真理であろうと思っています。いかがでしょうか。それでは、また。