長期的な視点であなたの夢を目標に変えて実現する、人生計画マスターコーチの安田修です。
この記事は、人生計画フォーラムのコミュニティ・プラットフォーム・システムの開発に関するクラウドファンディングプロジェクトが23日後の7/7(金)までに200万円の目標額を達成するために毎日2,000文字以上、書いています。いよいよ本格的に起業に向かうわけですが、私の場合は、そのために明確なきっかけがあったわけではありません。
世に溢れる起業物語では
成功した起業家の講演なんかを聞くと、必ず「誰か大切な人の死」「大きな挫折」や「大病を患って死にかけた」経験、または「うつ病になって自殺未遂を繰り返した」などのエピソードがありますよね。いつ安田は自殺未遂をしてそこから立ち上がるんだろうと楽しみにしていた方、すみません。私の場合は、そういうのが一切ありません。
ついでに起業あるあるを挙げるなら、あれですね。「貯金ゼロからスタートした」とか「人脈なし、資格なし、仕事なしから大逆転」っていうのもありますよね。これ、起業支援の仕事をしている人がお客さんの層を広げようとして過剰に「誰でも大丈夫」っていうストーリーを組み立てているだけで、信じたらダメですよ。
話を戻して、大きな挫折を乗り越えての起業というのも「神話の法則」に則ったストーリーテリングという手法で、それで共感を集めて成功したいという狙いがあります。加えて、サバイバー(生存者)バイアスと当たり前の話を誰も聞いてくれないというバイアスの両方が働いて、みんなそうなんだというように見えるだけです。
サラリーマンに向いていない
私の場合は、そういう派手な話が何もないんです。起業に向けて準備も貯金もしっかりしましたし。今までも少しずつ書いてきたように、単にサラリーマンに向いていなかったんですよね。常に自分の頭で考えていたく、誰かに言われたことを盲目的に実行するということができませんし、面従腹背といった器用さも持ち合わせていませんでした。
子供の頃から目上の人に気に入られるということが苦手でした。学校の先生には生意気で協調性がないと思われ続けていましたし、会社に入っても上司の気にいる言動を取るだけでたまらなく恥ずかしくなりました。お客さんのためではなく、会社や組織を守るための仕事の意味がわからず、社内で使うエネルギーで疲弊しました。
じわじわと苦しくなってくる
そうやって、少しずつ居心地が悪くなっていきました。今までのブログを読むと楽しそうに仕事をしていたように見えるかもしれませんし、実際にそういう面もありましたが「ここにいてはいけない」という思いが日増しに強くなっていきました。それなりの年次になると、自分なりの努力と会社からの評価のずれもはっきりします。
思い切って書けば、同期や後輩の方が先に役職につくのはやはりショックでした。これだけ好き勝手すれば2年や3年は出世が遅れても仕方ないのですが、それでもやっぱり、プライドはあるんですよね。出世に興味はありませんしマネジメントになる気はありませんが、評価だけは正当にされたい。それとこれとは、別なんです。
夢のために起業するという「ストーリー」
そうやって、「そろそろかな」と思っている中で、背中を押すような出来事がいくつか重なります。大きな仕事が終わり、優秀な部下が来て任せられるようになり、恩のある上司が他部門に異動し、もうここには居たくないなと思わされるちょっとした事件もあり。天の配剤というか、全てが起業をするべきだと指し示している気がしたんです。
そして、実際に会社を辞める半年も前に、上司に退職の意志を伝えます。辛いとか苦しいとかは一切言いません。ただ「ずっと起業が夢だった。経営コンサルタントとして起業したい」とだけを繰り返して言い続けました。競合他社への転職を疑われたりもしましたが、純粋な起業であるし会社の取引先には一切手を出すつもりはありません、と。
共感マーケティングが起業を潰す
そんなわけで、特に大きなきっかけもなく会社を辞めて起業することを決めたわけです。世の中には私のように、サラリーマンに向いていない人がたくさんいると思いますし、そういう人はもっと普通に起業をするべきだと思うんです。だから私は起業を支援するという立場ではありますが、共感を得るためのストーリーをあまり語りません。
起業なんて特別なことではなく、人生の選択肢の一つでしかないと思います。普通に努力をして普通に悩んでいる普通のサラリーマンが、普通に起業をするようになれば良いと思います。共感で人を動かす「共感マーケティング」は大流行りですが、私は嫌いです。共感は長持ちしないので、普通に考え抜いて行動する方が良いと思うんです。
自分の頭で考え抜いて、自分なりに定義した成功から逆算してやるべきことを決めて、正しい努力を積み重ねる。ドラマチックなストーリーはいらないんです。起業をするなら当然、貯金もしましょう。共感はするのは自由ですが騙されやすくなりますし、成功するために必要なことではありません。それでは、また。