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信用の器 フラスコ

フリーエージェントを宣言して異動する(10万字の長すぎる自己紹介16/50)

長期的な視点であなたの夢を目標に変えて実現する、人生計画マスターコーチの安田修です。

この記事は、人生計画フォーラムのコミュニティ・プラットフォーム・システムの開発に関するクラウドファンディングプロジェクトが35日後の7/7(金)までに200万円の目標額を達成するために毎日2,000文字以上、書いています。学びまくりながらも会社からは評価されていなかった私は、フリーエージェント宣言に踏み切ります。

石の上にも三年いると

NITで4年目になっていた私は、「全く通用しない」というほどひどい状態ではなかったと思います。大きなプロジェクトのマネジメント補佐という、若い割には中心的な位置付けを担うようになっていましたし、自分なりには頑張っていました。石の上にも三年というのはきっと正しくて、どんな仕事も続けているとできるようになります。

一部、私のことを理解してくれる上司や同僚も出てきました。引き続き試験勉強に学びに仕事にと意識高く取り組んでいたのですが、やはり人事評価は良くなりませんでした。この頃、そもそも人事権を持っている上司に気に入られたいとか評価されなければいけないとか、さらには出世したいというような欲望が自分にはないことに気づきます。

評価を気にするより、やりたいことを

そんなことを原動力にして頑張っても、どこかで必ず限界がくる。相性の合わない上司とはどこかで必ずぶつかるし、運の要素が強すぎます。特に私は誰とでも合わせられる器用さを持っていないですからね。それよりも自分の能力を高め、自分のやりたい仕事をやって、自分の人生を生きようと考えるようになっていきました。

そもそも日本生命という会社を選んだのも、幅広い業種の会社を長期的な視点で評価して世界を広め、自分をもっとも高めてくれそうだという直感があったからです。そう考えるとこの3年間は仕事は楽しかったですし、能力を高めるという意味では有意義でしたが、世界を広げるという点では不満がありました。

フリーエージェントを宣言する

そこで、フリーエージェントという人事制度にエントリーしてみることにしました。これは、直属の上司には秘密で人事にいわば「直訴状」を提出し、上司の頭越しに異動を実現するという画期的な制度です。正直、仕組みとしては「不満を溜めた若手のガス抜き」のような位置付けにあったのかもしれませんが、ダメでもともと使ってみようと。

宣言してみると、面接は東京(勤務は大阪)で平日の昼間だったりして「何が上司に秘密だよ!」と思いましたが、そこは私もある程度は大人なので、本当に秘密で進められるとは最初から信じていなくて、きちんと直属の上司には相談をして進めていました。レポートを書き上げ、有給を取って東京まで面接に行きました。

ちゃんと希望部署である財務の課長さんが面接してくれて、「結果は異動発表の時だけど、何かを約束できるものでもないから」みたいな感じで終わりました。まあ、これで終わりだろうなと正直感じました。その頃は人事面談でも財務部門を希望していましたが、そっちも何の感触もありませんでしたし。

針のむしろの異動発表日

そしてまさかの異動発表です。同じ部署に4年もいれば異動は十分にありうるので呼ばれても驚きませんでしたが、まさか財務への異動とは。なぜか興奮はなく、フリーエージェント制って本当に機能することがあるんだな、と割と冷静に考えていました。東京への転勤だと、結婚式の準備がちょっと大変だなとかそんな感じで。

それで、異動なので上司に挨拶をするものかと思って回ってみたところ「まあキミの場合は相思相愛だから、良かったね」「自分の意思なんだから、頑張らなあかんな」という何だか微妙な反応でした。後から聞いた話では「あいつは裏切り者だ」なんて影では言われていたようですね。一方、惜しんでくれた人もいたようですが。

もともと、私には人に気に入られたいという気持ちが弱く、自分の思うように生きたいという気持ちが強いようです。これだけ針のむしろのような状態であっても、逆に晴れやかな気持ちは広がっていきました。この先も評価なんてされなくても良いから、自分の人生を生きよう、と。

念願の財務へ

そんなことで、関西とは別れを告げ、東京の財務部門への異動となりました。希望は営業でしたが最初は直接的な営業の部署ではなく、ミドルオフィスというか営業のサポート部隊というか、そういう仕事でした。振り返っても財務のキャリアを積んでいくには理想的な部署であり、人を育てるという意識の高い、良い会社だなと思います。

人はやりたいと自分で選んだことでもっとも努力もしますし、学びも大きくなります。そして、本当は違うことがやりたいけれども、それに向けて違うことをやっている期間も、決して無駄ではありません。あらゆる立場で手を抜かず、努力を続けることが大切なんじゃないかな、ってこんな経験からも思うんです。それでは、また。