夢とお金の専門家。シナジーブレインの安田 修です。
私はお金の専門家なので資産運用の話をすることも多いのですが、「投資は、元本の毀損が怖い」というご意見が圧倒的に多いです。でもそれって、人生全体を俯瞰的に見た場合には大して重大なリスクじゃないですよね、というお話です。
1.死亡
「出たよ!安田は保険会社のヒトだからでしょ。結局、保険を売りたいんでしょ」と言われる気がしますが、私は自慢ではありませんが、保険の販売に関する仕事は15年間で一度もやったことがないですからね。今後も、保険を売って収入を得ようとは思っていませんので、そこは誤解なきようお願いします。
客観的に見て、本人の死亡は極めて大きなリスクです。極端に言えば、あらゆるリスクは死亡よりはマシです。生きてさえいればなんとかなる、生きてるだけで丸儲けです。株式投資で資産の全てを失って借金まで負ったとしても、それでもなお、死亡するよりは良いでしょう。
経済的な対策としては保険か、団体信用保険の付いた不動産投資でカバーできますが、それよりもできるだけ死なない対策、具体的には適度な運動や栄養面のケアといった良い習慣を作ることに、本気で取り組むことが重要です。
2.病気・怪我・要介護
経済的には死亡よりもタチが悪いのがこれです。働くことができなくなる上に、他の人に迷惑をかけてしまうという心理的な重さもあります。会社に勤め続けることも、難しくなることもあります。預貯金・保険で一定の手当てをすることもできるのですが、十分ではないでしょう。
対策としては、収入の複線化が望ましいでしょう。不動産投資による収入を得ることや、身体が動かなくても収入を得られる能力を身につけることです。さらっと書きましたが、相当難しいことを書いています。でも、そこまで考えて、会社を辞めているんですよということは、ここらへんで触れておこうかなと。
3.長生き
これも、経済的には死亡よりもタチが悪いです。もちろん、人生をトータルで考えた場合、長生きすることは良いことです。私の人生計画でも、100歳まで生きることになっています。私はそこまで身体が強くないのですが、もっと長く生きてしまうリスクもあると認識しています。
今の40代以下の人は、「蓄えはないけれども年金で細々と生きていくので大丈夫」なんてことが許されない時代になっているので、自ら備える必要があります。60歳や65歳から悠々自適、は考えとして甘いです。私の人生計画だと、80歳まで働きます。むしろ、その方が安全だと思えたのです。
投資による収入の複線化に加えて、病気や怪我に対する対策と同様、身体がそこまで動かなくても収入が得られる種類の能力を身につけ、仕組みを作ることです。
4.会社の倒産・解雇
サラリーマンが一番、目と耳を塞いでいるリスクがこれです。今の優良企業が、10年後も優良企業であり続ける保証はありません。私の世代は、就職活動の前後に山一証券や北海道拓殖銀行が破綻し、長期信用銀行やメガバンクが統廃合されたのを目の当たりにしました。
直近だと、東京電力なんて日本一の優良企業だったと思いますし、ソニーの凋落なんてことは思いもよらなかったことですよね。私が勤めていた日本生命は、その意味ではかなり潰れにくい優良な会社だと思いますが、それでも10年後も同じかどうかはわかりません。
一番怖いのはそういう、どうなるかわからないリスクに対して、何も対策をしないことです。自分の人生なのに、そこの部分だけは完全に人任せ・運任せになっている。倒産や解雇が30歳くらいのときに起こればまだやり直しは可能ですが、何も備えていない人の45歳でそれが起こると、致命的ですよね。
だからすぐにサラリーマンを辞める、というところまでは必要ありません。ただ、いつそれが起こっても良いように実力を付け、市場価値を高めておけば良い。もっとも「市場価値」なんてのは絵空事という気もするので、ここでもやはり収入の複線化と、本業とは別のビジネス(候補)を持っておくことが望ましいでしょう。
5.国家財政の破綻
ここまで言うと、空が落ちてくることも恐れないといけないのか、みたいな話になるかもしれませんが、日本の国家財政の状態を知ればきっと、これがそんなに馬鹿げた妄想ではないことに同意頂けるでしょう。国債の残高は1,000兆円を遥かに越え、GDP対比で230%を上回る、世界最悪の水準です。
その国債を日銀が一手に引き受け(買い受け)、支えているのが今の金融緩和であり、アベノミクスです。今の異常な低金利は日銀緩和によるものであり、EXITつまり国債を市場に放出する際には、大混乱になる可能性があります。まあ国債を誰が持っていても良いのですが、返すのは国民だということを忘れてはいけません。
個人的には将来、①国家財政の破綻、②ハイパーインフレ、③大増税、のどれかになる可能性はかなり高い、というかほぼ必然と思います。その時、ポジションを誤ると実質的には資産が全て、国に没収されてしまいますよ。
対策としては国外逃亡・・・はちょっと極端ですが、外国語の勉強くらいはしておいた方が良いかもしれません。現実的には、外貨への分散とモノの保有が必要でしょう。ここでも不動産投資は有力ですが、借入を固定金利にしておく必要があります。ビジネスの能力も、リスクヘッジとして有力です。
0.やりたいことがやれないリスク
以上、色々と書いてきましたが、最大のリスクは実は、これなんだと思います。死亡の恐ろしいところは残された家族の生活だけではなくて、自分がやりたいことができないことが、そこで決定してしまうからなんです。
お金が足りなくてやりたいことがやれないこともあります。リスクを取るのが怖くてやれないこともある。周りからの反対で諦めてしまうこともあるでしょう。最後は、意志の力に大きく依存します。
意志を強く持ち、良い習慣を身につけ、計画的にしたたかに、やりたいことを実現させていきたいですね。それこそが、生きる意味なのではないでしょうか。それでは、また。