夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
サラリーマンと経営者の違いは何か。つまり、サラリーマンが起業をしたら、何を変えないといけないか。そりゃもう色々あるのですが、オオドコロを簡単に纏めてみました。
1.自分の頭で考える
厳しい言い方ですが、サラリーマンは殆ど自分の頭で考えていません。上司がどう考えるか、上司のそのまた上司がどう考えるかを、予想して動いているに過ぎません。これは、「自分の頭で」考えているのではなく、他人の頭で考えているのです。自分のためではなく、他人のために考えているとも言えます。
そのため、万が一失敗した場合にも気が楽です。そのことを決めたのは上司であり、上司のそのまた上司です。自分は、情報を集めて判断の準備をしただけです。決めたのは、みんなで合意して決めたのです。成功してもさほどの喜びが無い代わりに、失敗した時の本気の落胆もない、それがサラリーマンです。
経営者になれば、自分の頭で考えざるを得ません。他に誰もいませんし。自分の頭で考えたことが現実となり、失敗すれば責任は全て自分にかかってきます。その分、成功した時の喜びは大きいという寸法です。
2.人脈の拡げ方
究極のところ、サラリーマンに人脈は必要ありません。業務上、必要となる社内外の関係者と、表面的な関係性を保っていれば仕事は可能です。「意識高い系」のサラリーマンは積極的に社外に人脈を拡げていますが、案外、それが何の役に立つかはわかっていないのです。いつかは何かの役に立つだろう、将来は起業するかもしれないし、という程度の感覚です。
それに比べて、経営者にとっては人脈が全てです。人脈が収入に直結します。それも、起業したてのころは看板もありませんから、人に会うだけで一苦労です。会ったその人を自らの人脈にしたければ、何かをしてあげるしかありません。自らが何かを得るために、まずは人に与えまくる、それが経営者の人脈作りです。
何かを受け取るには、まず与えるしかない。それが経営者の立場です。誰にも頼れないことで、逆に自分が行動し、生きる喜びを感じられるかどうか。そこが起業成功の分かれ目と言えるでしょう。
3.人の使い方
起業するとまず驚くのが、細々とした日々の事務の増加です。サラリーマンと違い、最初は事務をやってくれる人もいませんから、郵便一つ出すにも自分の手を動かさなくてはなりません。切手が切れたと言っては買いにいき、期末を迎えたとなれば決算作業も大変です。契約事務・請求・入金確認・領収証の発行、全てこなさないといけません。
それでも、起業家は自分が楽をするためだけに人を雇う、という発想にはなりません。自分の時間を作るために人を雇う、という発想はあります。要は、投資の感覚が発達し、コストをかけるからには収入に繋がらないといけない、という考え方をするのが経営者です。人を使うなら、売上が増えるところに使います。
何より、経営者は自由に人を雇う権限を持っています。もちろん、雇ったことによるコストも自分で払いますし、雇用は倒産の原因にもなりますから、自己責任で行動しなくてはいけません。このことを、楽しいと思えるかどうか。
4.お金に対する考え方
上にも書きましたが、何事に対しても投資という考え方をするのが経営者です。投資として採算が取れるなら、巨額の出費も厭いません。浪費は1円でも嫌ですが、投資なら1千万円でも良いという感覚です。
サラリーマンの中には、自分のお金を使うのは惜しいけれども、会社のお金であればいくらでも使うという感覚の人がいますが、こういう人は起業には不向きでしょう。起業すれば、個人のお金も会社のお金も同じ(多少、税率は違いますが)ことです。投資として収支が合う出費がもったいないと思う感覚であれば、起業をしてはいけません。
投資の感覚をもっているかどうか。これもサラリーマンと経営者を分ける、一つの分岐点になるでしょう。
5.仕事時間
残業代を貰うために、仕事が無いにも関わらずいつまでも会社に残っている人は論外です、絶対に起業しないで下さい。その時間が惜しいと思う感覚がないと、起業は不可能です。サラリーマンでも、その時間があるのであれば早く帰り、勉強でもしておいた方が良いはずです。
起業家になったら早起きしなくていいし、勤務時間も短くできる、いつでも休めて楽になる、と思っている人も起業には不向きです。誰からも管理されなくても、早朝から深夜まで、土日もつい仕事をやってしまう。起業とは、休む自由ではなくて、仕事をする自由を得るのです。朝も、楽しくて目が覚めるくらいでないといけません。
まあ、私は起業をすれば昼寝ができるな、という感覚は持っているのですが、これが起業向きかどうかは、正直良くわかりません(笑)。いずれにしても、ハードワークは起業家に求められる必須条件です。
いかがでしょうか。サラリーマンと起業家の違いはもっと他にもある気がしますが、割とこの5つは、大きいのではないでしょうか。明らかにサラリーマンに向いている人に起業を薦めてしまうことのないよう、気をつけないといけないと自戒する日々です。それでは、また。