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台風の日に休みたいなら、サラリーマンが向いている

人生計画であなたの夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修です。

ここのところ連日のゲリラ豪雨と台風で、交通も乱れて大変ですよね。傘を持っていてもずぶぬれになることも多いので、起業家の特権として「今日は休んじゃおうかな・・・」という考えがよぎるのは私だけではないでしょう。でも、それであっさり仕事を休んでしまう人は、サラリーマンは絶対に辞めない方がいいですよ。

台風の思い出

台風の日に思い出すのはいつも、200億円の大型案件が佳境に入っていたあの朝です。あまり具体的には書けませんが会社としても経験の無い新しい取組であり、複雑な条件が入り乱れて、状況は混乱していました。で、その交渉相手とのミーティングが朝8:00から入っているというまさにその日に、台風は来ました。

そもそも、朝8:00からミーティングが入っているというのは異常な状況です。普通「アサイチ」といっても外部とのミーティングは10:00か、せいぜい9:30くらいからです。それが、互いにその8:00からしか時間が折り合わず、そしてそれを逃せば間に合わないというぎりぎりの状況でした。台風でもその打ち合わせがキャンセルにならないあたり、逼迫した状況はおわかり頂けるでしょうか。

最寄りの駅前は完全に浸水、膝まで水に浸かる状態。それでも私はいつもよりも早起きをして、7:30には何でもないような顔をして会社にいました。その甲斐あってか、その案件はうまくいきました。でもそのとき、「こんなことをしていてはいけないな」と、心に小さな穴が空いた感覚になったことを覚えています。

気ままに休みたいなら、サラリーマンがベスト

私が当時働いていた日本生命という会社には仕事に対する意識が高い人が多く集まっていて、「ずる休み」をするようなレベルの低い人はほとんどいません。それでもその台風の時は、「とても出勤ができない」「午後から様子をみて出勤を判断させて欲しい」「電車が動かず遅刻する」という連絡が相次ぎました。

私は当時、そういうことができなかったんです。台風が来たら1〜2時間早く出社し、とにもかくにも定時までには会社に辿り着くのが当たり前と思っていました。あらゆる努力をした結果、出社できないなら仕方ないですが、自然体で遅刻するなんていうのは「何も考えていない」ということだと、内心見下していました。

思えば、まじめすぎたんだと思います。もっと良い加減に、風がふいたら遅刻して、雨が降ったらお休みしたら良かった。有給休暇ももっと、胸を張って使っておけば良かったと今は思います。だって、それがサラリーマンの特権ですからね。それでバランスだけはうまく取っておけば、定年まで楽に生きられたのに、と。

起業をすればいつでも休めるけど

「起業をすれば毎日が日曜日」という感覚の人がいますが、そんなことはありません。普通に動いていればアポイントメントはどんどん入りますし、何より稼がないと食べていけないという追われるような恐怖感もありますから、感覚としてはどちらかといえば「毎日が月曜日」の方が正しいです(笑)。

台風の日に休んだからといって誰かに怒られることもないですし、急に何かが苦しくなることもありません。しかし、そうやって仕事に対する意識を緩めてしまうと、じわじわと業績は傾き、取り返しのつかないことになるのが起業のリアルです。自らを律することの重要性が増すんです。

もちろん、「子供の行事があるから平日に休もう!」という意志に沿って行動することは可能ですが、その週は日曜日にも仕事をしたり、深夜までやったりしてつじつまを合わせているのがまともな起業家の行動パターンです。「他人が休んでいるうちに自分だけが仕事を進められるなんて、ラッキー!」という、ワーカホリックに近い感覚の人の方が、起業には向いていると思います。

「仕事がしんどいから起業する」のだけはやめておけ

なので、「仕事が忙し過ぎてもう嫌だ」という理由で起業をするのだけはお勧めしません。起業をした方が間違いなく忙しくなりますから。ネガティブな感情を否定しているわけではありません。人間関係や仕事の内容に満ち足りなくて起業を考えるのは良いと思いますが、「忙しさ」は起業の理由にならないと思うのです。

「そうは言ってもブラック企業に勤めている人は・・・」という反論が予想されますが、そういう人はまず転職をしましょう。残業の量が常識的で、休みもそれなりに取れる会社に転職するのです。もし現状で転職できる先が全くないなら、残酷なようですがその人は起業をして成功する可能性も高くはありません。

本当にサラリーマンに向いていないのは

ということで、私はサラリーマンに向いていないから起業をしたのですが、一つは「まじめすぎる」ことだったと考えています。まじめにこつこつやっていれば認められる「べきだ」とか、エネルギーを注ぐ対象は主にお客さまである「べきだ」といった「あるべき論」的な考え方が強い人には、サラリーマンは向きません。

世の中はもっと良い加減で、ストレスフルです。そこで耐え抜く図々しさ、適当さが大切なんです。理想に従って、思うように仕事をしたいなら、誰かの作ったルールに従っていてはダメで、起業をするしかない。台風が来たら休みたいなら、大企業にしがみついていた方が絶対良いと思いますよ。それでは、また。