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家族とは、起業家にとっての「重荷」でしかないのか

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

妻と小さな子供2人を抱えて起業をしていると、たまに「独身だったらどんなに楽だろうか」と考えることはあります。どこか都心部に住居兼オフィスの小さな物件を借りて、休みも取らず、寝食を忘れて仕事に没頭すれば成功する可能性は極めて高くなるのでは、と。それはもしかしたら、事実なのかもしれませんね。

生活費が高くなるのは事実

家族、特に子供を持つ大きなデメリットとして、「どうしても生活費の水準は上がってしまう」ということがあります。マイホームを購入したり高級車を乗り回すのは論外ですが、住居も広めになりますし、幼稚園や学校の学費、習い事に衣服、たまには遊びに連れて行ってあげたいですし、日増しに成長する子供達の食費も。

一人なら、ワンルームのアパートでノートパソコン一つを武器に起業をして、毎日質素な食事で凌ぐということも可能でしょうが、家族にはそんな苦労はさせられません。しばらく旅行を我慢してもらうだけでも凄くありがたいと感じます。子供がいるとどうしても、固定費に近い形で生活費は必要になってしまいます。

バランスを取るのは難しい

お金だけではありません。時間もそうです。起業をしたからには、軌道に乗るまでは大変です。平日の9時から17時までのホワイト企業、というわけにはいきません。仕事が楽しいということもありますし、時間はいくらあっても足りないので、できれば土日も休まずにずっと仕事をしていたいという感覚になります。

一方で、家族から見ると「独立して、いつでも休めるようになった」というようにも見えるようです。子供達の行事や家庭内での事情に対して「その日、どうしても休めないか」と聞かれると、サラリーマンのときよりは休みやすいのは事実です。正直に言うと、休めるけれどもできれば仕事をしていたい、という感じです。

私は日曜日だけは家族との時間として使うことにして、よほどの事情がない限り仕事を入れないようにしていますが、こういう決めごとがないと、気がつけばずいぶん長いこと子供と会話していない、という状態になってしまうのです。仕事と家庭のバランスを取るのは、むしろ起業して難しくなると言えるでしょう。

起業家に離婚が多い理由

そんなこともあり、起業家には異常に離婚が多いのでしょう。仕事が大変すぎて家庭が崩壊するのではなく、仕事が楽しすぎて家庭が崩壊するのだと私は考えています。もちろん仕事によるストレスもありますが、熱中しすぎてしまって相対的に家庭に興味がなくなるんですね。ゲームに夢中になる子供に似ています。

あとは、持ち慣れないお金を持ってしまうことによる人格崩壊(笑)でしょう。会社が軌道に乗り出すと、今まで個人では考えられないようなお金の使い方が一応、可能になります。そんなことをやっていると、会社の方もうまくいかなくなるのですが・・・ともかく、人は成功するとすぐ、調子に乗ってしまうようです。

精神的な支えとなる家族

と、ここまで家庭を持った状態での起業が難しい理由を述べてきましたが、実は私は家庭があることは、起業にとってトータルでプラスだと考えています。起業家には離婚も多いのですが、メンタルを損なう人も多いのです。これはまさに、寝食を忘れて仕事に没頭することが原因になっていると考えます。

長期的に成功しようと思えば、適度な休養と十分な栄養、リラックスする時間は必要です。これらのメンタルを支えてくれる重要な要素を、家族は提供してくれます。家族と過ごす何気ない日曜日、この時間を仕事に没頭できたらどれだけ良いかと思うまさにその心理が、すでにちょっと病んでいるのです。

そして、家族と過ごす当たり前の時間の中にも、ヒントは多く隠されています。尖った起業家の感覚だけを頼りに突っ走れば、思わぬ壁にぶちあたって壊れてしまうこともあるでしょう。なぜ理解できない!と叫びながら消えていく多くの起業家。消費者目線の当たり前の感覚を失った起業は、極めてリスクが高いと私は考えます。

ゴールのことを考えたとき

そして何よりも私にとっては、幸せになるというゴールを考えたとき、家族の存在が不可欠です。どんなに素晴らしい会社を経営していて、時間とお金を自由に使えるようになったとしても、それを共に楽しむ家族がいないと、私はそれを幸せとは感じられません。友人とか恋人ではなくて、家族の存在が必要です。

確かに、若いうちは異性などには目もくれずに仕事に没頭し、起業を成功させてお金持ちになり、それからレベルの高い異性と家庭を築けば良いじゃないかという考え方もあるかもしれません。しかし、自分が成功してから知り合う異性を信頼しきることができるかどうか、そこに全く自信がありません。

家族を持ったサラリーマンが起業をするのはこれから、ごく当たり前のことになると思いますし、まさにそれが私たちが支援していきたい起業です。もちろん、あなたが現在独身なら、起業をするにはとても恵まれた環境だということは間違いないので、無理に結婚する必要はありませんが。それでは、また。