夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
前編に引き続き、CIN GROUPの篠宮社長への経営者インタビューです。お話をお聞きしていると、既に世の中にある商品やサービスであっても人よりも「うまく」やる方法があり、篠宮社長が持つ、その方法に「気付く」力が当社の成長を支えているように思います。では、気付ける人と気付けない人の差とは、どこにあるのでしょうか。
気付ける人と、気付けない人の違い
Y:篠宮社長のお話をお伺いしていると、「コロンブスの卵」のようなことが多いですね。誰かがやってしまうと当たり前になることですが、なぜまだ誰もやっていないのだろうということにいち早く気付く、という。
S:今でもそういうことはいくらでもあると思います。実際に他の業界の人と話をすると、「そんなことは初めて聞いた」というようなことが多くあります。例えば店舗関係だと、個人経営のところが多くてまだシステムも使っていなかったりします。マッサージだと経営に関してはいわば素人の方が多く、勝ちやすいだろうなと思いました。
マッサージ事業のスタートは一瞬で、たまたま業界内で価格崩壊が起きているタイミングに、社員が「渋谷で2980円のマッサージ店があって、すごく混んでいるんですよ」と言ってチラシを持って来ました。それで、その価格で本当にやっていけるのかなと思ってシミュレーションをして、翌日にはやると決めました。2ヶ月後には1号店をオープンしましたね。最初はメニューも自分で考えて。
Y:決断が早いですね!どうしてそういう「チャンス」に気付くことができるのでしょうか。
S:マッサージが好きだったということはありますが、仕事として捉えていないからではないでしょうか。気付きが面白いという、遊び感覚です。
Y:でも、それは誰にでもできることではないですよね。気付く人と気付かない人には違いがあると思うのですが・・・。篠宮社長は、子供の頃どのような性格だったのですか。
S:私の場合は、「気にしい」でした。他人の顔色を伺うというか、人が何を考えているのか、どうしたら人は喜ぶのかということを、すごく気にする子供でした。気付く人と気付かない人の差というのは、こういうところにあるのではないかと思いますし、事業の基本もそこかなと思います。
Y:他には、どのような特徴のある子供だったのでしょうか。
S:特に特徴のある子供ではなかったですね。あまり表に立つタイプではないですし。今でも、実はあまり自分から人前に出たくはないです。ただ、人に囲まれていたいという願望は昔からありました。仕事を頑張ろうとか、独立したいというのはその「人に囲まれていたい」「頼られていたい」という気持ちが原点にあります。
仕事ができて、色々なアドバイスもできて、事業が成功しているとお金の支援もできて、人のやりたいことを支援してあげられますよね。みんなの「やりたい」を支援してあげられるということが、事業で成功する目的の一つだと思います。
ただ、「やりたい」だけがあって、努力をしない人は嫌いです。結果を出せる頑張り、ができる人を応援してあげたいということです。
Y:御社は社内イベントの充実化など、社内コミュニケーションが活発ですよね。篠宮社長の、「人のやりたいことを支援したい」という思いが根底にあっての企業風土なのですね。篠宮社長ご自身はハードワーカーなのですか。
S:明らかにハードワーカーですね(笑)。学生の時からバイトは掛け持ちで、睡眠を削って、遊んでいました。大切にしているのは、仕事も遊びも一生懸命やるということです。仕事だけに偏っていると、息が詰まって生産性が下がります。人にもよりますが、平日は思い切り働いて土日は思いっきり遊ぶなど、仕事も遊びも頑張った方が楽しい人生を過ごせると思っています。
「夢を持つこと」の大切さ
Y:経験や頑張りが将来、生きてくるということでしょうか。
S:夢を明確に持つことが大切、と普段から周りの人には言っています。その人の、将来はどうなりたいのかという夢・欲求の深さで「頑張る必要性」が変わってくると思います。そんなに良いものを食べなくても、普通に生活ができればそれで幸せ、みたいな人も多いですよね。日本人は欲求が低くなっていて、頑張ってまで何かを実現したいという人が少ないと感じます。
Y:大前研一さんが「低欲求社会」ということを仰っていますね。
S:まだ見たことがない世界があるから欲求が高まらないのかな、と思います。気付きを与えてあげればそういう欲が出てくるのかなと思ったりもしますが・・・
Y:「夢は何ですか」と聞くと戸惑う人が多いと思いませんか。
S:大きく「夢」と捉えるよりも、それを例えばお金軸とか家庭軸というように細分化して、具体的にして、いつまでにという時間軸を持って成し遂げるのかと考えるべきだと思います。
Y:まさに人生計画の考え方ですね!夢を明確にすることが最初にありますよね。
S:ある人が小さな頃に「野球選手になりたい」と言っていたとします。でも大人の夢は、野球選手そのものではなくて、その「裏側」を見ないといけない。野球選手になぜなりたかったのか。人気が欲しいのか、名声なのか、お金なのか。
そう考えていくと、その夢や人生計画の実現のために、いつまでに何をしなくてはいけないのかがわかってきます。お金はそんなに必要ない、という人もいるでしょうし、逆にこれくらいのお金はいつまでに必要、というのも見えて来ます。
例えば、将来は喫茶店を経営したいのであれば、まずは飲食店で経験を積むとか、夢に向かっていくプロセスにいれば頑張れると思います。夢と仕事がリンクしていると頑張れますから、優秀な人は夢と仕事をリンクさせています。
Y:夢が別世界のものというか、実現に向かっていない人は多いですよね。
S:本気で夢を叶えようとしていないので、そんな状態で頑張れるはずがないと思います。私の場合、夢は6~7割は叶っているのですが、夢を叶えるためのポイントは、
- 夢の明確化
- 実行案の明確化
- 実行
です。2までできていれば、半分、夢は叶っているも同然です。実行力を養うために、20代で努力して、逃げ出さずに頑張れる力を身につけているかどうかによると思います。
Y:まさに人生計画で私が言っていることと同じです。驚きました!最後に、直球ですが、篠宮社長の今の夢は何ですか?
S:夢は細分化していてたくさんあるので、何かこれ一つというのはなかなか難しいのですが・・・大きなところで言えば、会社を安定的に成長させることかもしれないですね。格好つけているように聞こえるかも知れませんが、一人でも多くの人々に対して、CINという会社を通じて、夢を持って、頑張っている人たちの応援が本気でしたいと考えているので。
Y:なるほど、頑張っている人を応援することは、大切な価値観なのですね。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!
<篠宮社長 プロフィール>
2003年03月帝京大学/経済学部を卒業後、某リクルート代理店入社。2004年06月同社退社。前職の経験を活かし、同年10月に求人広告代理事業を主軸とする㈱ゼネラルリンクを設立、代表取締役社長CEO就任する。(2014年09月退任)。
その後、ITやサービス業を中心に、複数の事業会社を立ち上げる。2012年07月、事業会社を管理するために、株式会社CINホールディングスを設立する。
2015年4月に各事業会社をCINホールディングスに吸収合併させ、社名を株式会社CIN GROUPに改め、新たなスタートを切る。現在、株式会社CIN GROUPの代表取締役CEOを務めながら、100%子会社である㈱ほぐし処、㈱フレジエの代表取締役会長CEOを務めている。