夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
昨夜、7歳の息子にいきなりタイトルの質問をされました。「えっ?頭が良くなるし、お仕事にも使うし・・・」とどぎまぎ答えてしまい、「おしごとにつかうからか。おべんきょうってこと?」と気のせいかちょっとがっかりした感じの反応がありました。これではいけないと、改めて本を読む理由を考えてみます。
質問の背景
なぜこんなことを突然、質問してきたのだろうかと考えると、「いつも本を読んでいて寂しいから、もっと遊んでよ」ということだったような気もします。私は家にいる時はほとんど本を読んでいますし、「ちょっとパパ、本を読んでいるから後でね」と待たせてしまうこともあるからです。
あとは、彼自身が小学校に入り、宿題が増えてきて大変だということもあるかもしれません。絵本を読む宿題も出ます。息子にとっては簡単すぎるのか、ただ読めるようになれば良いはずの文章を暗記したりしています。宿題は、勉強嫌いを生み出している気がしますが、これはまた別の話です。
それらの背景はありつつも、ここでは単純に、「本を読む意味とは何か」について考察します。
本を読むと頭が良くなるのか
まず、私がとっさに答えた、「本を読んだら頭が良くなる」ですが、これはかなり怪しいですよね。常に本を読んでいる人の頭が、そうでない人と比較して良いかというと、そんなことはない気がします。本を読まないけれども頭の良い人なんて、いくらでもいます(逆も・・・)。
確かに、語彙や文例の蓄積はできるので、何か新しいアイディアを考える時の材料は増えるでしょう。何もしないよりはマシかもしれませんが、本を読む時間を人と会うことに充てたり、アウトドアスポーツを楽しんだり、ネットサーフィンをしたりすれば、同じような効果はあるようにも思います。
本を読むと仕事ができるようになるのか
これも相当、嘘くさいですね。つまり、成功者は二通りに分かれます。本を読む人と、読まない人です。本を読むだけで仕事ができるようになることは全くありませんし、むしろコミュニケーション能力が低い人が本に逃げ込んでいる傾向もあるので、本を読まない人の方が仕事ができたりするかもしれません。
それでは本が仕事の役に立たないかと言うとそうでもなくて、切実な悩みがあり、その時に読んだ本がたまたま、道を切り拓いてくれることはあります。また、常にアウトプットを意識しながら、一つでも役に立つことを吸収するという姿勢で本を読む人は、仕事もできるようになる可能性はあります。
こうして考えてみると、私が息子に答えた「頭が良くなるし、お仕事にも使うし・・・」という理由は、いずれも本質では無いような気がしてきました。
本を読むと楽しい
それでは、本を読むのはなぜでしょうか。一つ間違いなく言えるのは、本を読んでいると楽しいということです。ただ、楽しい。これだけでも、本を読む意味はあると思います。現実逃避の手法として、想像力の翼を広げてぼんやりと読書をする時間は、無上の体験であると言えるでしょう。
なので、ビジネス書や哲学書を読んで楽しければそれでも良いですし、楽しくないなら小説やエッセイなど、楽しいと思える本を夢中で読めば良い。その方が、結局は頭脳も活性化させることができて、役にも立つ可能性があるのではないでしょうか。あくまで、副産物としてですが。
本は、今でも娯楽としてのコストパフォーマンスは高いのです。電子書籍、WEB上の文書等に少しずつ代替されていくとは思いますが、それにしても千円も出せば半日くらい、楽しめますからね。で、ちょっと高尚な、賢くなったような「気になれる」。良い気分になるのも含めての、娯楽です。
本を読むと他人の人生を追体験できる
そして、読書では他人の失敗や喜怒哀楽を、追体験することができます。ビジネス書であっても、これが最大の効用だと思います。なので、小説を読んだりエッセイを読んだりすることを否定する必要は、全く無いと思うわけです。極端に言えば本とは楽しくて、追体験ができれば良いわけですから。
結局、そういうある種「無駄なこと」を追体験にしろたくさん経験することで、「教養が身に付く」ということではないでしょうか。背伸びして古典を読んだり、流行の本を読んだりする必要は、必ずしもないのかな、と今は思うことができます。学生の時は見栄も大事なので、そうもいかないんですけどね(笑)。
結局、人は本を読むべきなのか
結論として、本が好きな人は読めば良いし、嫌いな人がいやいや読んでも、期待したような効果は出ないでしょう。ただ、やはり多くの読書好きの大人達が言い残していったように、自分の子供には「良い本をたくさん、読みなさい」と言いたいし、それを言える大人でありたいと、切に願います。
そして子供は、自分の両親を初めとする大人が楽しそうに本を読む所を見て育ちさえすれば、本が好きになってくれると信じています。だから、パパはいつも、キミの前で本を読んでいるんだよ。お後がよろしいようで。それでは、また。