人生計画であなたの夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修です。
たまに、頭の中に「これを一度、文章にしておきたいな。何となく面白いけど、でも別にためになる結論にはならないだろうな」というアイディアが浮かぶことがあります。今回はこれ、ビックリマンシールです。私の交渉好きは、ここから始まったと思います。いや、好きだからハマっただけかもしれませんけどね。
ビックリマンシールとは
いきなりWikipedia先生を引用しますけど、
ビックリマンは、1977年から発売されているロッテのチョコレート菓子。おまけとしてシールが封入されており、特に「悪魔VS天使」シリーズは1980年代から1990年代初頭にかけて大ブームを起こし、アニメなど様々な関連商品を生み出した。
本体となる「ビックリマンチョコ」は、チョコレートをウエハースではさんだもの。1970年代生まれを中心とした世代には、チョコ内にピーナッツが入っていたイメージが強いが、時代によって適宜変更されている。本体価格も発売当初は30円だったが、50円、60円と値上げされ(後略)
だそうです。私が1976年生まれなので、ほぼ同級生なんですね。小学生の時に大ブームだったので、記憶とも合致します。天使と悪魔に加えて、「ヘッド」「お守り」という種類のカードもあって、40個入りのハコに、ヘッド:天使:お守り:悪魔=1:6:12:21くらいの比率(数字は感覚、適当です)で入っていました。
で、3ヶ月か6ヶ月くらいのスパンで「第1弾」「第2弾」とシリーズが変わっていき、各回ヘッド1枚に加えて天使・お守り・悪魔が各12種類ずつあって、それを全部そろえようという子供心に火がつく仕組みです。もう少しで揃う、というときにシリーズが変わり、ところどころ手に入らないシールが出てきます。
交換によってお互いが潤う「貿易」
大人でも同じだと思うんですけど、12枚のうち11枚だけ揃っている状態というのが一番悔しいわけです。そうすると、残りの1枚は200円でも300円でも出して揃えたいというコレクター真理が働いてきます。一方で手持ちのシールが増えれば、既に持っているシールを引いてしまう(ダブる)ことも非常に多くなってきます。
そこで出て来るのが「交換(貿易)」という概念です。北海道では「ばくる」って言ってましたけどね。自分の手元でダブっているシールと、友達がダブって持っているシールを交換すると、お互いにメリットがありますよね。ダブってなくても、どうしても欲しいシールと交換であれば多少の痛みも受け入れることもあります。
シールの「価値」は人それぞれ
そうやって交換を続けていると、大体の「相場」ができてきます。「天使1枚にはお守り2枚」とか、「ヘッドは天使6枚分くらい」とかです。今売っているシリーズと、1年前に販売が終わったシリーズでも価値は全く異なります。第1弾のヘッドであるスーパーゼウスは、今のヘッドが何枚あっても釣り合わない、とか。
で、シールの価値観は人によって違います。「あと1枚で第1弾のシリーズが全部揃う」という子にとっての最後の1枚は、残りの全てのシールに匹敵するくらい価値が高騰します。その子がお金持ちだったりしたら、時には本当に100枚と1枚の交換みたいなビッグディールが成立したりするんです。
さらには家に3〜4人の友達が集まって交換会を始めたりして、「貿易」は複雑になっていきます。A君が欲しいシールをB君が持っていて、そのB君が欲しいシールをC君と自分が持っている・・・などです。多分、この文章を読んでいてもう嫌になった人も多いと思うのですが、当時の私はとにかくシール集めに夢中でしたから、必死(という感覚はありませんでしたが)で考えて、自分が得をするような交換方法を次々と編み出していったのです。
Win-Winと平等は違う
貿易の面白いところは、相手にもメリットがないと成立しないところです。Win-Winが良いなんて当たり前のこと、小学校3年生のときに学んでましたよっていう(笑)。さらに面白いのは、平等ではなくても良いということです。自分が100儲かるとしたら、相手は損をしてはいけないけど、1の利益でも交渉は成立するんです。
だから常に相手の欲しいものは何か、それはどれくらいの価値があることなのかを計算し、相手がぎりぎり得をする条件を提示する。そうすると自分が最大のメリットを得ることができます。条件提示を待っていてはダメです。そうすると自分がぎりぎりプラスのところで決まっちゃいますからね。
逆に言うと、交渉においては本当に欲しいシールでも、そこまで欲しいそぶりを見せてはいけないわけです。まあついでにこれも付けておいてよ、という言い方で本当に欲しいシールを入手したりとか。ホントにこれ、大人になってからの交渉と同じですね。シールがお金や仕事に変わっただけなんですよ、実際(笑)。
頭を使って、真剣に遊べ
私は、子供のうちは勉強もやっておいた方が良いとは思いますが、真剣に遊んでおくことはそれ以上に重要だと思っています。そのとき「好きなこと」っていう感覚も大切です。うちの長男だと今はサッカーとマインクラフトというゲームに熱中していますが、サッカーはともかくゲームには眉をひそめる親も多いと思います。
でも、私はマイクラの攻略本を3冊買い与え、自分自身も一緒になってゲームをしています。非常に良くできたゲームで、かなり頭を使わないと楽しくなりません。村人との貿易もありますし、レッドストーンを使った論理演算回路とか、大人でも勉強になることがたくさんあります。何より図鑑を買うより、真剣に学びますからね。
大人だって同じです。真剣に遊ぶことと、遊びごころを持って仕事をすることはどちらも大切です。心が止まったら、良い仕事はできませんからね。だから私が今夜、子供達が寝静まってからひとりこっそりとマイクラをやるとしても、それは良い仕事をするために必要な投資なんですよ。それでは、また。