夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
起業家はもちろんのこと、意識の高いサラリーマンの方でも「人脈作り」には力を入れているのではないでしょうか。確かに、人脈は大切です。しかし、名刺交換会(パーティー)に出て、多くの人に「何か一緒にやりましょう」と言いながら名刺を配り、集める。私に言わせると、これは人脈作りではありません。
人脈の持つ力
私は人脈という言葉は嫌いです。山脈・金脈・人脈というように、何だか芋づる式に人が連なっているような言葉のイメージが良くないと思うからです。人との繋がりはコレクションじゃないよ、と思います。「人脈作り」を目的に行動している意識高い系の若手の行動を見て常々、「痛いなあ」と思っています。
かといって、人との繋がりの力そのものを否定するわけではありません。現実として自分では解決できなかった大きな課題が、実力のある誰かの助けで簡単に解決し、一気に前に進むこともあります。だから私も「この人と繋がるときっと得だな」というような損得勘定で人を見てしまうこともよくあります。
本当は、損得計算なく人に興味を持ち、人間関係を育てていく中で結果としてビジネスにも繋がる、そういう「人脈」が理想的だと思います。本当のコネクター、本物の人脈を持っている人というのは、そういう損得勘定のない、ある意味で子供のような人ですよね。私には、コネクターの適性は全く無いと自覚しています。
名刺交換会の「人脈」が役に立たない理由
そんな強力な人脈なので、名刺交換会と呼ばれるパーティーに積極的に参加する「意識の高い」人も多いですよね。若手サラリーマンでも、頑張って人脈を作ろうとするその姿勢自体は好ましいとは思うのですが、残念ながら「名刺集め」は「人脈作り」とは別のことであり、貰った名刺はおそらく、殆ど役に立たないでしょう。
なぜ役に立たないかというと、お互いに何かを受け取ろうとしてパーティーに参加しているからです。打算しかないからですね。初めて会って、名刺を交換して、「何か一緒にやりましょう」と言いつつも互いに具体的には何をやったら良いか思い付かず、下手すると生命保険か不動産を売り込まれて終わります。
人脈を作るには、名刺交換会は不向きなんですね。名刺交換パーティーで唯一、意味のある人脈が得られるとしたら、それは主催者です。ともかくもその場に数十人の人を集めることができる主催者と繋がっておけば、将来的には何か得られることがあるかもしれません。
私は、不幸にも名刺交換会の類いに参加することになってしまったら、主催者含め数名とできるだけ深い情報交換・名刺交換をして、料理を食べて帰ってきます。交換した名刺の数が多ければ良いということは全くありません。顔も思い出せないような人の名刺に意味はないし、先方も同じでしょう。だったらその場では名刺交換もせず、また違う場で「初めて」お会いした方がお互い有意義です。
人脈を持つ本当のメリット
人脈を持つ本当のメリット、それは、「ステージの高い人と付き合うことで、自らの意識レベルが引き上げられる」ということだと思います。具体的に何か助けて貰うことを目的とするのではなく、「お付き合いをして頂けるだけでありがたいと思える人」、それが私の人脈の定義です。
自分と同レベルの人、低いレベルの人と繋がることに意味がないとまでは言いません。ビジネスに繋がることもあれば、お客さんになってくれるかもしれません。もっと単純に、話をすることが楽しく、アイディアが沸くきっかけになることもあるでしょう。そういう繋がりを否定するものではありません。
しかし、本当の「人脈」とは、自らの意識レベルを引き上げてくれるような、自分よりも高いステージにいる人のことだと考えています。起業をしてからも、幸いにもそういう方には何人もお会いできていますが、名刺交換パーティーでお会いしたケースはほとんどありません。
本物の「人脈」を作る方法
ではそういう人とは、どうやったら会えるのでしょうか。これは、簡単な方法はありません。常に「誰に会いたいか」を考えてアンテナを張っておき、その人にいつか会うと決めてしまい、チャンスがあれば即行動することしかないでしょう。そのレベルの人は名刺交換会には決して、現れないのです。
その人が講演するならお金を払って申し込む、その人が本を出したら買い、出版記念イベントに顔を出す。紹介してくれる人がいればお願いをする。本気で会いたいと思って行動をしていれば、考えられるあらゆる手段を取るという前提で、出会いは引き寄せられるものだと感じます。
そういう、少し頑張らないと会えないくらいの人だからこそ、価値があります。きっとそう思っているので、「何かをしてくれる」という期待が感じられる「人脈」という言葉に違和感があるんですね。私は起業をしてから会いたい人に会いやすくなったので、これだけでも起業をした価値はありました。それでは、また。