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やりたいことが何もないなら、何もせずに死んでいけば良い

人生計画であなたの夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修です。

たまに「やりたいことが何もないんです。でもこのままではいけないような気がして・・・」と相談に来る人がいます。そんなとき私は「何もせずに死んでいけば良いじゃないですか」と応えることがあります。そうすると、何が起こるでしょうか。

なぜこの人は相談に来たのだろう

そもそも「やりたいことがないけど、どうしよう」って、相談内容としてはすごく不思議だと思うんです。やりたいことがあるから相談するというならわかりますけど、ないなら別に何の問題もないじゃないですか。これが、1人や2人ではないんですよね。それでも最初は「一緒に考えてみましょう」とやっていました。

どんな幼少時代を送ったか、どんな価値観をもっているのか、そうやって話を聞いていくとどうも、「やりたいことがないのは、恥ずかしいことだ。何かに打ち込んで人生を送りたい」と考えているようなんですね。コーチングの技術を使って内面に眠っているはずの何かを引き出して欲しい、と考えたようなのです。

こういう相談をしに来る方は生真面目なので、3ヶ月間じっくり考えましょうと言えばコーチングの契約になりますし、起業の素晴らしさを伝えれば起業支援の方向に向かって歩き出すかもしれず、私は何らかの収入が得られるのかもしれません。でもそれ、この人にとって本当に必要もしくは有益なことでしょうか。

やりたいことがないのは悪いことなのか

まず、やりたいことがないのは別に悪いことではありません。現状に満足しているということでしょうし、それなりに幸せを感じられているなら無理に変化する必要もありません。頑張って行動を起こして変化した結果、今より良い状態になるのかどうかは、誰にもわかりませんから。

やりたいことがあるのなら頑張ってそれを実現すれば良いのですが、頑張ってやりたいことを探す必要はありません。大して強く実現したいと思わない夢や願望を、無理して膨らます必要もありません。ましてや、誰か他の人に自分のやりたいことを見つけてもらうことなんてできません。

大体、こういう人が相談するのは、私が初めてではありません。色々な人に話を聞いた結果、良くわからなくなってしまったという「こじらせた」ケースが多いです。だからこそ、質問内容が変なことになってしまっているんですね。それなら少し違った角度から、本当の問題は何かを探らないといけないと私は考えます。

「何もせずに死んでいけば良いじゃないですか」

だから私は、あえて「やりたいことなんてなくて良いんですよ。このまま生きて、死んでいけば良いんです」と言ってみることがあります。そうすると、相談者の反応は2種類に分かれます。「一度しかない自分の人生がそれでは耐えられない」という人と、「それですっきりした」という人に。

前者であれば、「だとしたら、人生に何か大きなやり残しがあるんですよね。それは何なのでしょうか」と聞いて広げていけば良いと思います。後者の人に、無理してやりたいこととか楽しいことを探すように強制してきたことが、私を含む起業支援やコーチングを生業とする人々の罪なのではないかと思うのです。

客観的な相談者であるはずの人々が自分のビジネスというポジションを持ってしまい、「やりたいことがなくてはいけない」「楽しいことだけしないといけない」という強いバイアスをかけて相談をする結果、「やりたいこと難民」を生み出してしまっている面が、あるように感じます。

やりたいことが見つかりました!に誘導しない

クライアント(になり損ねた相談者)が「今の場所で、自分らしく頑張っていけば良い」ということに気付き、すっきりして帰って頂くことができたとき、密かに私は大きな喜びを感じます。これじゃお金にならないので困ったな、と思っていた時期もありましたが、今はそれでも良いと心から思えるようになりました。

これは、「起業支援」という枠組みで人生計画を捉えていた時期から、「夢の実現」という枠組みに視野を広げたことに一つの理由があるのかもしれません。あらゆる人にとって、起業をすることがベストなんてことはあり得ませんからね。その人なりの幸せを追究することが、人生計画の本質的な価値だと考えますから。

今はまだ、「すっきりした」人々は人生計画フォーラムには参加して頂いていませんが、近い将来にはそういう方も包み込みながら、フォーラムは大きくなっていくような予感がしています。だから私はポジションなんて考えずに、完全に客観的な視点で、真摯に相談に応えていけば良いのです。すっきりしました(笑)。

このように、戦略として正しいことをやっていくということは、無理のある誘導や強引な売り込みをしなくても良くなるということだと感じています。そうやって人が自然に集まり、多くの人が夢の実現を本気で目指せるようになっていけば良いなあと、本当に思います。それでは、また。