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信用の器 フラスコ

相談に来る人は、最初から自分の中に答えを持っている

人生計画であなたの夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修です。

私は人生計画コーチであり、全員経営コンサルタントを名乗っているので、人の相談に乗ることは多くなります。それが本業だとすら言えるかもしれません。最初は良いアドバイスをしなければと気負っていましたが、経験から気付いたことは、「なんだ、皆さん最初から答えを持ってるんだな」ということです。

「AかBかで迷っている」

すごくわかりやすい例で言えば、妻と一緒に買い物に行ったときに良くこの相談(というか質問)があります。「この青い服と赤い服のどっちが良いと思う?」という風に。最初は私もちゃんと考えました。例えば「赤が似合うから、赤が良いんじゃないか」「赤い服を多く持っているから、青が良いんじゃないか」と。

そうすると、赤い服を勧めたときには「いや、でもこの青い方もかわいいんだよな・・・よし決めた!青にする」と逆に決まることも結構あることに気付きました。じゃあ聞かないでくれと(笑)。というか、むしろ勧めた方と逆に決まる確率の方が高い。心理学的にもブーメラン効果などと言われる現象です。

この場合、仮に私が青い服の方が圧倒的に気に入ってそれを強く推せば、おそらく妻も「そこまで言うなら」と青い服を選ぶのですが、まず確実に後から「やっぱり赤い方が良かった気がする」と不満が出ます。つまり、この場合の妻は、本音の部分では私の意見そのものは必要としていないということです。

「どうすれば良いのかわからない」

このパターンで典型的なのは、「起業をしたいけれども、何から始めれば良いのかわからない」という相談です。表面的には「そうですね、情報発信から始めてみたらいかがですか」と答えるのですが、まあ続きません。これは回答が間違えているわけではなく、相談する人がまだ本気で起業することを考えていないからです。

何から始めるかの話ではなくて、本当に起業をしたいと思っているかの話をした方が、有益なセッションになることが良いでしょうね。掘り下げていくと「あっ、起業しないで頑張ります!」という結論に至るケースが、多いんですよホントに。前提に見える部分が、本当の問題点だったりするわけです。

本当に考え抜いていれば、何から始めれば良いかなんて自分でわかりますからね。これも実は、ご本人が「これが本当の問題ではないんだよな」ということをわかって相談に来ています。

「これで良いのか自信がない」

「これこれこういうことをやろうと思っている、ついてはこういう手段を考えている。でも、これで良いのでしょうか」というタイプの相談も多いです。経営者の方のコンサルも、これに近いですね。今やっていること、やろうとしていることが間違っているとは思っていなくて、ちょっとチェックしたいだけです。

この場合、コーチ・コンサルの役割は何かを提案することではありません。視点の確認だけです。それも網羅的に教える必要はなくて、欠けている視点はないか、いくつか質問をしてあげさえすれば良い。大仰なフレームワークを使う必要もなく、ヒト・モノ・カネとか時間軸、リスクの観点や気持ちの問題などの観点です。

この場合も、答えは全てクライアントが持っているので、こちらから何かを提案をする必要はありません。やろうと考えていることを全否定してコンサルが正しいと考えていることを押し付けても受け入れられませんし、うまくはいかないでしょう。

コーチングとコンサルティング

「クライアントが答えを全て持っている」というのは、コーチング的なアプローチです。コーチは傾聴・質問・承認すれば良いと。一般的にはコンサルティングはそうではなく、解決策を考え出し、具体的な提案をすることを期待されています。しかし、コンサルタントが解決策を考え出すことは、実は少ないと感じています。

どんな問題も、社長か役員・社員の頭の中に解決策はあります。ちょっとしたツールを外から持ってくる必要はあっても、解決する方向性を関係者が誰も知らないということはほとんどないのです。業界の常識や、今までの歴史等から、「そうは言ってもそれはできない」と思い込んでいるケースはありますが。

なのでコンサルタントとしても、「この問題の解決策を自分が華麗に提案し、かっこ良く決めてやろう」なんて考える必要はないのです。答えはどこかに必ず隠されているので、それを掘り起こすだけのこと。そういう意味では、コンサルティングとコーチングの技術とは、すごく親和性があると感じています。

相談者は何を求めているか

だからあなたも、誰かに相談をされたときには「そのことに答えよう」「解決策を教えてあげよう」なんて気負う必要は全くありません。特に相手が女性なら、共感するだけで満足してくれることも多いです。結果として、問題を解決する必要すらないケースも多くあります。

何かお役に立ちたいとしても、「答えは必ず相談者の中にある」のですから、そういう前提でお話を良く聴けば良いのです。そういう私も、似たようなことで悩んだ経験があったりすると、つい自分のことを話しすぎてしまうのですが。まだまだ、修行中です(笑)。それでは、また。