夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
私は結婚していて子供も2人いるわけですが、結婚する少し前まで「結婚なんてしない方が、経済的には豊かな人生が送れるし、やりたいことがやれるので良い」と考えていました。今振り返るとそれは、大きな間違いだったと思うわけです。その辺りのことを、「結婚なんてバカバカしい」と考えている若者のために、書きましょう。
結婚と子育てに関する損得計算
結婚や子育てに関して金銭的な損益を計算するのは簡単です。もう明確に損ですから。結婚費用で何百万円も使い、新婚旅行に行き、広めの部屋を借りて家具を揃えて、何よりその後の生活には単純に2人分の費用+αがかかり、これらのコストは自炊して外食を減らす程度では到底、カバーしきれません。
子供を産み、育てると更に大幅なマイナスです。玩具に食費、教育費、被服費、習い事・・・大きくなってきたら広いところに引っ越さないといけませんし、勢い余ってマイホームを購入してしまったりします。こういう事情から家計は逼迫し、お父さんはお小遣い制になったりしているわけです。
こう言うと必ず、「専業主婦は贅沢品。今やありえないのだから、共働きを前提に考えるべきだ」という反論があると思いますが、子供を育てるならば共働きにも限界がありますから、もちろん随分助かるものの、一人より楽とまでは言えないでしょう。そりゃ、経済合理性でいけば結婚なんてしない方が良いですよ。
だから、「結婚なんてバカバカしい」と考える若者(特に男性)が増えている気がします。繰り返しますが、私もかつてそう思っていました。起業をしたり、やりたいことをやろうとしても、制約条件が増えるわけですしね。
結婚に踏み切る理由
そんな私がなぜ結婚したのかというと、「この人とならば幸せになれる。これ以上はあり得ない」と確信できる人と出会ったからです。言わば、経済合理性を超えた判断です。損得で言えば、今でも結婚が得だとは思っていません。そういう、合理的な判断が吹っ飛ぶくらいの人と、結婚すべきだと思います。
変に打算や妥協をしたり、親や社会への責任感などから結婚をすると、「こんなはずじゃなかった」という思いがどうしても残り、あとあと良く無いんじゃないかと考えています。だから何もせずに運命的な出会いを待て、というわけではありません。むしろ、多くの出会いを創り出せるよう、努力はすべきでしょう。
その上で、運命と思える人と出会えないのであれば、敢えて結婚しなくても良いのではないでしょうか。誰もが結婚しなくてはいけない、という風潮は、それはそれで間違いだと思います。
子供を育てるという経験
そのような非合理な、言ってしまうと勢いで結婚をしてみると、これまたご縁で子供が産まれます(笑)。で、育ててみるとこれがまた、めちゃくちゃかわいいんですよ。まさに目の中に入れても痛くない、本当にそれが子供のためになるのなら、子供のために自分が死んでも良いと思えるくらいです。
子供を育てるというのは貴重な経験ですし、人間に広がりも出ます。ビジネスで戦略を練っていく上でも、子供の視点、家族の視点があると発想の幅が全く違います。子供のために頑張らないと、というモチベーションの維持にもなります。これは、妻だけだとそこまでは(以下、自粛)。
なので、全ての人が結婚をしなくても良いとは思うのですが、子供を育てるという経験は可能であれば是非、して頂きたいなあと思います。もちろん、様々な理由で子供を持てない人はたくさんいますから、敢えて子供のいない人生を選んでいるのであれば、という意味です。
世間のお父さんは、照れ隠しをしている
気をつけて欲しいのが、一部のお父さん達が酔っぱらうと口に出す「うちのブスな嫁が」「バカ息子が」というのは、多分に照れ隠しだということです。謙遜の間違った現れ方だと考えています。私は絶対にこんなことは言いません。自分のことでも、自分の所有物でも無いのに謙遜するのがそもそも、おかしいでしょう。
幸せとか、奥さんや子供のことを愛していると言うと恥ずかしいということなので、額面通りに受け取ってはいけません。昭和という時代には、これが当たり前だったんだなくらいに思っておいて下さい。そういう人でも実はそれなりに、家族を大切にしているんですよ。
人生がもう一度あるとしたら
というわけで、私は結婚したことを少しも後悔していないわけですが、仮に人生がもう一度あるとしたら、独身貴族生活を堪能してみるのも良いかな、なんて思ったりもします。それでも、その人生で今の妻と出会えたら、やはり結婚してしまうと思います。そして、今の子供達とまた会えることを切に望みます。
なので、何事に対してもコスパとか経済合理性を一度は考えてみるのは良い姿勢だとは思うのですが、時にはそれを超えた、直感的な判断が正しいということも、人生にはあるのだということを知っておいて欲しいななんて、かなりこれ上から目線ですね。まあおじさんなのでご容赦下さい。それでは、また。