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信用の器 フラスコ

成功に至るプロセスが面白いのであって、成功そのものにはあまり意味はない

人生計画であなたの夢を目標に変えて実現する、シナジーブレインの安田修です。

若くして事業で成功して、あとは引退して悠々自適。普通に考えたら、それが理想の人生だと思うじゃないですか。ところが実際にそうなってみると、案外キツいんですよね、これ。

成功者の憂鬱

起業をして、会社をうまく上場させるかバイアウトすれば、手元には数億円の資金が残ります。サラリーマンの生涯賃金以上を稼いでしまうので、あとは遊んで暮らすことが可能になるわけです。それが楽しみで頑張ってきたので、いったんは引退する人が多いのですが、そういう人は結構な割合で実業の世界に戻ってきます

南の島でサーフィン三昧の生活とか、3ヶ月もしないうちに飽きるらしいですよ。私が話を聞いている人が、戻ってきた人に偏りがあるのかもしれません。本当にリタイアした人とは会えないだけなのかもしれないのでバイアスがある可能性はありますが、まあそういう傾向は一定数の人に観られるとは言えるでしょう。

ゴルフだったら

ゴルフは私も一時期やっていたのですが、一向にうまくならずに止めました。何が面白いんだろうと(笑)。ただ、練習をしていて思っていたのは「ゴルフは究極の娯楽かもしれないな」ということです。お金も時間もあるおじさん達が最後にハマるのがほぼ例外なくゴルフですから、よほど面白いんだろうとも考えたわけです。

私はあまりにも下手すぎて面白いと思えませんでしたが、おそらくあの「思いどおりにならない」ところがゴルフの魅力なんでしょうね。絶対に打球は曲がりますし、ラフや林に飛び込んだり、想定を超えて転がったり止まったり。なぜこんなところに池があるのだとか、あの木がなければとか、本当に疲れます。

でも、それが面白いのでしょう。困難を乗り越えて、前回のラウンドよりも少しだけ上手になった自分。まだまだ課題はたくさんあって、死ぬまで終わることのない果てしないチャレンジ。それこそが、ゴルフの楽しさなのでしょう。人生に似ているな、という気がしますね。

「信長の野望」で言えば

私の大好きだったシミュレーションゲームで、光栄の「信長の野望」というのがあるのですが、これもそうです。尾張の小大名で資源にも恵まれず、齋藤・今川・武田といった強豪に取り囲まれているころの信長を操って、戦略を練るのが本当に楽しいのです。これが関東を制覇したくらいで、実に面白くなくなるんですよ。

何がつまらないって、互角に戦える敵がいなくなるからです。戦えば勝てるとわかっている相手を制圧していくなら戦略もいらないですし、単なる作業なんですよね。それが見えているので、もうゲームもしません。お金と時間が潤沢にある人生というのも、信長の野望の後半戦みたいなものなのだろうなと思うわけです。

面白いのは成功に至るプロセス

ということで、成功して望むものが全て意のままに手に入る人生は、最初は興奮するし楽しいと思うのですが、すぐに飽きるだろうなと容易に想像できます。ただこの想像に説得力が不足しているのは、私自身がまだ、その状態をリアルに経験していないからです。人から聞いて「そりゃそうだよな」と感じているだけです。

「お金があることなんて、大して意味がないよ」というのは真理だと思いますが、そのセリフを言う資格があるのは少なくとも一度はお金持ちになったことのある人間だけでしょう。だから私は、わかりきっていることの確認作業ではありますが、一度は経済的に成功しておこうと思います。

もしかしたら、嘘かもしれないですからね。特権階級が庶民を巧妙に騙しているだけかもしれない(笑)。「結婚なんて人生の牢獄だよ」とか言っているおじさんの言葉を信用せず、結婚して子どもを育ててみたらすごく良かったということもあるので、完全に信用することはありません。究極、自分の経験しか信じない

困難がないと、飽きる

とは言え、私にとって経済的な成功よりも大切なのはこちらです。人生にチャレンジがなくなると、つまらないなあということです。サラリーマンをしていても、どんな仕事も2年もやればある程度できるようになり、飽きました。飽きるとつまらなくなり、異動を願い、最後は会社まで辞めてしまいました。

恐ろしいのは、ブログを書くこともセミナーの開催も最初はドキドキして楽しかったのですが、できるようになると既にちょっと飽きてきています。困難に挑んでそれを乗り越え、成長するプロセスがないとすぐに飽きてしまう性分なのですね。とても、食い扶持を稼ぐだけでは退屈すぎて、一生を過ごすことはできません

必然的に、多くの人を集めて新しいことに挑み、事業の形を常に変え続けていくということになるでしょう。そうしないと、すぐに飽きちゃいますからね。世の多くの経営者も、同じことの繰り返しにすっかり飽きているのではないかなあなどと、要らぬ心配をしてしまいます。それでは、また。