夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。
堀江貴文氏 お盆休暇をとる人々に苦言「バカは金の使い方が下手」というニュース(?)を見て、常々思うところがあったので書いてみます。わざわざお盆に休みを取り、高い料金を払って旅行をするなんて、やはりバカげています。
需要のピークに消費をする愚かさ
言わずもがなですが、需要のピークに消費をすれば、高く付きます。これは株式投資と同じことで、誰もが欲しいと言っている人気銘柄を買おうと思えば、高い対価を払わないといけないのは経済の大原則ですね。株で儲けようと思えば、誰も見向きもしないような安い時に買い、周囲が熱狂している時に売る事です。
旅行の場合は、人が行かない時に行けば航空機もホテルも、何もかもが安くなります。もちろん、季節の問題はありますから、沖縄に行くのに敢えて梅雨時を選んで安くても、それは仕方ないわけです。沖縄で言えば7月初旬にはベースとシーズンになるのに、敢えて8月15日を挟んで行くのが合理的でないということです。
旅行だと単に料金が高いだけでなく、せっかくパラダイス系の観光地に行ったのに人が大勢いてリラックスできない、車の場合は大渋滞に巻き込まれる、などといったストレスが発生するのです。高いお金を払って、疲れにいくようなものです。お盆休みは近場でゆっくりすれば良いのになあ、と他人事ながら思います。
墓参りはお盆にしないといけないのか
考えられる反論の一つは、「墓参りはお盆にするものだ」というものです。これについては、強い信念を持ってそうしている人は、仕方ないかなと思います。それって実際に、8月15日になると先祖がお墓に帰ってくると信じているということですよね。これはその日に行かないと大変なことが起こるでしょう。
自分は信じていないけれども田舎の両親が強く信じているので、仕方ないという人もまあ、いらっしゃるでしょうね。しかし、実際にはそんなこと特に気にしていないのに、周りがお盆に帰省するからうちも無難にそうしておこうか、世間体もあるし、という程度の人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
ちょっと時期をずらして7月とか9月に墓参りをしたとして、ご先祖様や、ましてや田舎のご両親が怒るとは、到底私には思えません。過去からの習慣、惰性なのではないかと勘ぐってしまいます。一度、ご両親と交渉してみてはいかがでしょうか(それでダメだったら仕方ないですね)。
サラリーマンはそこしか休めない
お盆にわざわざ旅行をすることのより有力な理由としては、「そこしか休めない」というものでしょう。私がかつて勤務していた会社でも、営業部隊がその時期に一斉に休むことになっており、それを統括する支社もそれに合わせ、営業支援の部署や営業統括の役員が合わせ、更には社長が合わせて休むというのが通例でした。
資産運用部門は直接関係がないのですが、何しろ社長が休むのでその下の役員や部課長もそれに合わせて「休まなくてはいけない」ようなムードが醸成されていました。ここで重要なのは、営業の人はともかく、本部の部課長は単に「空気を読んで」休んでいるに過ぎないということです。
私は空気を読まない方でしたので、うるさい部課長が休むなら自分は出社して、普段進まない仕事を一気に片付けようと思っていましたが、点数を稼ごうと同時期に休む「関心な」若手も一定数はいました。なので、「そこしか休めない」人もいるのは事実ですが、何となくそこしか休めないと思い込んでいる人の方が世の中的にも多いのではないかな、と類推する次第です。
子供の学校を休ませても良いのか
あとは、いくら安くなるからといって子供の夏休みを外してまで、すなわち学校を休ませてまで旅行に行くのが良いことかどうか、という論点もあります。これはこれでなかなか面倒な議論になりますが、私はそんなこと全然問題ないと思う派です。
子供達は学校で学ぶことよりも、確実に大切なことを旅行で学ぶと思いますし、学校を3日や4日休んだところで、勉強についていけなくなるということもないでしょう。友達からの妬みはあるかもしれませんが、それくらいうまくさばけるようにならないといけません。休ませてはいけない理由がわかりません。
まあ、ここはややこしいので(笑)、学校を休ませないまでも、夏休みの範囲内でせめてドピークであるお盆を避けて旅行に行けば良いんじゃないですか、というところに議論を限定しましょう。
人の行く裏に道あり花の山
これは投資の格言なのですが、多くの人が押し掛けている場所で花を見るよりも、少し裏道に入って人のいないところの方が良い花見ができますよ、ということです。翻って、株は人気のない時に買いましょう、旅行はピークを外して行きましょうということです。
そんなことはわかっているけれども、仕方ないとお考えだとしても、その「仕方ない」理由が本当にどうにもならない事情なのかな、と考える習慣を持つことは大切なのでしょうか。そもそも、お盆しか休みが取れないサラリーマンとしての生き方が、「仕方ない」ことなのでしょうか。それでは、また。